最近、電車でGO!にも出ている北越急行のほくほく線をミニ新幹線化する案が新潟県より公表され、話題になっています。



ほくほく線は、かつて北陸新幹線金沢延伸開業以前まで特急はくたかが、在来線の中では日本一の最高時速160km/hで走っていましたが、北陸新幹線が金沢まで延伸開業したのを機に、全てが廃止されました。


これにより、北越急行は現在、毎年のように赤字を垂れ流し、これまで貯金していた内部留保が徐々に減り続け、会社の経営体力がとても切羽詰まった苦境に立たされています。


コロナ禍やロシアとウクライナの戦争による電気代高騰などの影響もあり、当初予定していた内部留保の枯渇予想が20年程とされていたものがあと7年にまで縮まっているそうです。


これを救済することも念頭に、信越新幹線の一部区間に北越急行ほくほく線のミニ新幹線化を組み込む構想案が新潟県より示されました。


新潟県内外の鉄道アクセス向上と高速化により、新潟市と北陸各都市、関西圏との結びつきを特急北越が走っていた時代と同等以上に強化しようという構想です。


北陸新幹線が敦賀まで延伸開業するのを機に、敦賀以西のルートである山陰新幹線の構想とセットで考えると、出雲市から新潟まで新幹線で繋がり、日本海側の鉄道アクセスが大幅に向上します。


もし、仮にそうなれば、凄い話です。山陰地方や関西圏、北陸各都市、新潟市がこれまで以上に結びつきや交流が増えるはずです。


出雲市から新潟まで通しで新幹線で移動する需要はそう多くはないかもしれませんが、途中駅間同士の交流はより活発になるはずです。


その一方で、ほくほく線の改軌工事の問題や柏崎市の同意が得られるか?といった問題です。


ほくほく線の虫川大杉〜魚沼丘陵間の標準軌化工事やトンネル工事、新線建設など、意外にも大掛かりな工事となりそうです。


E8系新車もしくはE3系中古車の導入に対応した線路設備への改築工事なども必要になります。


既存の新幹線車両をベースにした車両設計により、新車の製造コストを少しでも抑制しようといった考え方です。


これが安物買いの銭失いとならないためにも、やはり最初から素直にフル規格の新幹線を敷設することも考えておく必要があります。


もし、仮にそうした場合、新幹線車両は既存のE7系もしくはW7系の量産で事が足りるはずです。


これら2つの選択肢、それぞれの見積もり額をしっかりと比較した上で、決めていって欲しいものと考えています。