この図を見れば、水素燃料電池車が究極のエコカーでない理由がお解り頂けるかと思います。


英語の図になっていますが、上図を見ながら、翻訳じゃないけど、自分なりに日本語で解説してみます。


まず、水を電気分解し、水素を取り出した時に10〜30%のエネルギーロスが生じることが示されています。


その次に、水素燃料を輸送させたり、自動車用に使うためにあえて高圧縮して気体から液体(液化)約-200〜250℃以下の状態にしたりする工程でさらに10〜20%のエネルギーロスが生じることが示されています。この圧縮や輸送の工程でも、やはり、電気を使うことになりますので、その分のエネルギーロスも含まれているそうです。


もうここまでの段階で既にエネルギーの変換効率はおよそ半分の50%にまで落ちてしまうことが示されています。


そして、そこから燃料電池で水素燃料を電気に変換してバッテリーに充電及び給電してモーターを回すと、結果的にエネルギー変換効率は25〜35%にまで低下してしまうという衝撃的な事実です。


つい最近では、ドイツ勢やホンダも燃料電池車の開発から撤退を考えているというニュースがあったそうですが、その背景にはこうした衝撃的な事実があるものと思います。


原子力発電はあの東北の大震災以来、稼働を停止せざるを得ないこともあり、現在では完全に頓挫しています。


唯一、トヨタだけが開発を推し進めるとしていますが、あの世界のトヨタさんであっても、現在、燃料電池車の車種は1〜2車種程度。


それに対して、バッテリーEVの開発車種計画では30車種を超える規模にまで開発が可能だと最近、示したことからも、水素燃料電池車がいかにエコでないか、もうこれで既にお解りかと思います。


つまり、あの世界のトヨタでさえも、バッテリーEVの方が、水素燃料電池車の30倍以上の可能性を秘めているという風に言っていることになります。


それもそのはず‼️


上図を見れば、一目瞭然です❗️


バッテリーEVでは、直接、充電することになりますので、70〜90%のエネルギー変換効率を達成することが可能であると示されています。


これには、当然、発電所から送電線を通る際に生じるジュール熱損失も含まれています。


それでも、やはり、約3倍近くの差があり、水素燃料電池車の方がバッテリーEV車よりも3倍近くエネルギーが無駄になっているということが示されています。


これには、思わず、笑ってしまうくらい、実に愚かなレベルですね…


現在、日本では火力発電が主流です。こうした状況下では、改良に改良を重ねたトヨタのハイブリッド車の方が、まだまだ有力かもという情報もあります。


電気モーターだけで走れる領域を拡大して、エンジンをかける回数をできるだけ減らし、燃費を伸ばす改良も、近年ではなされているからと言います。


しかし、その一方で、自動車用のエンジンでは60%程度、熱で捨てられているという事実も押さえておく必要もあります。この熱をバッテリーみたく、さらに有効利用できれば、話は別(回生エネルギー蓄電用のバッテリーとエンジンの廃熱を活用したハイブリッドシステムが実現したら)ですが、科学的な観点から、現状、不可能らしいです。この辺の話は、熱力学のエントロピーやエンタルピーについて調べれば、お解り頂けるかと思います。


ここでその話について解説しようとすると、かなり長くなってしまうので、割愛します。


ただ、今後、自然エネルギーや再生可能エネルギー(水力、太陽光、風力、地熱など)を発電のエネルギーの中心に置くような状況となれば、話は別です。


それだけでなく、これまでの一方型の給電方式に依存した体制から双方向型(分散型エネルギー、マイクログリッド方式の導入など)の給電方式に見直すなど、官民一体となって本格的に取り組むような社会的状況に将来、なった場合には、逆にバッテリーEV車の普及価値、存在価値が上がる可能性があります。



そうなれば、電気自動車に搭載されている大容量の蓄電池を有効活用できれば…とか、そう言う話になってくるかもしれません。


一度に何万台ものの電気自動車が一斉に充電したら、変電所や発電所が給電のバランスが崩れてパンクする‼️ 


とか言う、反EV派や水素燃料電池車推進賛成派の奴ら、たまにいますが、そう言う奴にしっかりとした反論をするとしたら、電力の消費が下がる深夜にタイマー予約して、充電する時間をずらす機能を活用すれば、実は全然問題ないのだとか⁉️


こう言う機能、知らない人多いようですが、最近の新しいモデルの電気自動車には当たり前のように標準で付いているそうなので、積極的な利用を促すことで、そうしたリスクを少しでも回避できる方法があるのです‼️


あとは、充電待ちの大渋滞、行列とか色々言われますが、自宅で充電できるメリットや将来的には無線給電(ワイヤレス給電)方式のインフラ整備の拡大やリチウムイオン電池の性能を上回る高性能な大容量蓄電池(フッ化物イオン電池)の技術開発などが進めば、そうした状況を少しでも緩和できるものと考えています。


こうしたことからも、いずれ10年、20年後には、バッテリーEVが主流になる時代がやってくることはお解り頂けるかと思います。


ただ、水素燃料電池の技術は無駄だと言っているではありません。


自動車に使うのはとても愚かだというだけであって、それ以外のものや方法に使うということも視野に入れて考えているならば、水素燃料電池の技術もこれからのカーボンニュートラルの時代を切り開くにあたって、有力的な技術の候補、選択肢の1つだと、テスラ自動車のイーロンマスク氏もそうおっしゃっているそうです。