皆さん、こんにちは。


青函トンネル内の北海道新幹線の高速化には、貨物列車の高速化が不可避です。未だに貨物列車が時速200キロで大量輸送ができない1つの要因として、動力方式が機関車牽引の動力集中方式にあります。


一方、新幹線は旅客電車の1種であり、動力分散方式です。こうすることで、パワーアップしてスピードアップが可能になります。このことは、戦前から思い描いてきた島秀雄さんの構想でもありました。


鉄道の進化の歴史を辿っていけば、なぜ、旅客は電車で貨物は未だに機関車牽引が主流なのか?が、お解り頂けるかと思います。


日本の鉄道は、蒸気機関車→ディーゼル機関車→電気機関車→動力分散方式の電車(在来線の高速特急電車から新幹線)という順に進化してきました。


そこで、一時期、JR貨物が、長距離のトラック輸送に対抗すべく、東海道線の貨物列車の高速化を考え、開発したM250系貨物専用電車があります。これまでの機関車牽引の動力集中方式から動力分散方式に進化させ、時速130kmでの走行が可能となりました。

通常の動力集中方式:   機関車+貨車、貨車、貨車、貨車…

M250系のような動力分散方式:  先頭クハ+モハコキ+モハコキ+モハコキ+…+後方クハ

それから約10年以上の歳月が経過した現在、JR東海が開発したN700S新幹線電車が登場しました。車両機器を小型化し、動力分散方式でも編成を自由に組み替えできる技術が開発されました。

従来:   クハ+サハ(モハ+モハ+モハ)+サハ+(モハ+モハ+モハ)+サハ+クハの16両固定編成


クハ+サハ+(モハ)+サハ+(モハ)+サハ+(モハ)+サハ+クハ 最大24両編成

※(モハ)の部分が、N700Sで実現したとされる技術。

これらを踏まえれば、もしかすると、貨物専用新幹線電車が誕生するかもしれません。全ては本質を1から見抜くことです。

すると、考え方がこうなります‼️

1   N700Sのように、車両動力機器を小型化し、最大24両編成の貨物専用新幹線を編成できるようにする。

2   1も取り入れつつ、先頭、後方の最後尾のトレーラー車を貨車とし、最大で24両編成を組めるようにする。

クハ+サハ+サハ+サハ+モハ+モハ+モハ+モハ+サハ+サハ+サハ+クハ

または

クハ+サハ+モハ+サハ+モハ+サハ+モハ+サハ+モハ+サハ+クハ

※これは、あくまで、荷物の重量バランスを無視して、ただ単にスピードアップを図ることだけを考えた場合です。

しかし、現実、貨物列車の重量やバランスは、その時々の荷量に依存します。

そのため、ただ単にスピードアップを図れば、急なカーブで転覆などの大事故につながる恐れがあり、安全性が軽視されてしまいます。

ここが、貨物列車の甘くないところでもあります。

さらに、高速走行の足枷となる在来線貨物コンテナをパレット式に置き換え、少しでも軽量化を実現するなどの工夫が必要になります。

それでも実現できたら、どうなるでしょう?

1  旅客の新幹線のダイヤを乱すことなく走行ができる。

2  雪に強くなり、輸送障害が起きにくくなる?

3   鮮度が命の海産物などが、家でも味わえる。今回のコロナ禍のような疫病災害が起きた時の経済活動の切り札にもなる。

4   ネット通販などの超速達便に対応できる。特に、北海道や九州など、遠くからの大量な荷物をいち早く輸送できるようになる。それが一度で済む。航空便では運賃が高くなりがちな場合に鉄道貨物ならではの強みが活かせる。

5   在来線の狭軌貨物列車よりも一回り大きい標準軌の貨物専用新幹線なら、その分、工夫さえすれば、沢山の荷物が載せられる。

とりあえず、考えられるメリットはこれぐらいですが、デメリットや解決すべき課題は、重量バランスやその高速輸送に伴う線路設備にかかる負担が大きくなる点です。これまで以上に、毎日の保線作業が欠かすことのできないものになるかもしれません。

この問題をどうするか? どうすれば、少しでも改善できるか? 

など、貨物専用新幹線の実現まで、あと一歩のところまで来ているかもしれません。