北海道新幹線の高速化の足かせになっているのは、青函トンネル区間を貨物列車と共用しているからです。
そこで、近年、対策として、新幹線の速度を落とす、貨物新幹線トレインオントレイン、貨物専用単線の整備、防音壁の追加設置など、いくつか方法が挙がっています。
新幹線の速度を落とす方法は現在も行われているところですが、これでは根本的な速度向上の解決策になっていません。
そうなると、貨物新幹線トレインオントレインの開発、貨物専用単線となるところですが、近年、JR北海道の経営状態の悪化に伴い、貨物新幹線トレインオントレイン開発構想は、現在のところ、惜しくも暗礁に乗り上げてしまったとの情報があります。
このままでは、到底、札幌延伸に間に合いません。将来的に輸送需要が航空機を上回った場合に対応できなくなってしまいます。
そこで、近年、持ち上がった計画構想が、第2青函トンネル建設構想です。
またもう1本トンネルを掘るなら、また余分にお金かかる…
そう思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、持ち上がった計画案の中で、最も費用を安く抑えられる方法が、貨物列車専用単線。
青森県と北海道の間にもう1本トンネルを掘る計画です。
現在、青函トンネルを通過する貨物列車の本数は、新幹線の本数を上回っており、これが北海道新幹線の高速化を妨げています。
この危機的な状況を打破するためには、現在の青函トンネル1本に貨物列車を集中させるのではなく、海底トンネルをもう1本掘って、分散させる必要があるとの考えから来ている案です。
もし、本気でやるなら、私からの提案を1つ。
それは、貨物専用単線の海底トンネルを大間から函館へ掘る計画です。現在の青函トンネルよりも距離が短いはずですが、なぜ、こっち方面に海底トンネルを掘らなかったのでしょうか?
地盤の性質上、トンネルを掘るのは困難だったでしょうか?
もう一度、調査してみる必要があると思います。
札幌延伸も12年後とは言え、モタモタしているとすぐに時間は経ってしまいます。
トンネルを掘るとなれば、やはり、12年は軽々、かかりそうですし…
もし、やるなら、1日でも早く、早期着工! が望まれます。
インフラ投資は確かにリスクを伴いますが、それをケチっているばかりでは、北海道新幹線の高速化は困難になってきます。
そして、大湊線を貨物列車が通れる線路規格に変えること、出来れば電化工事。単線、行き違い線の増設、出来れば複線化。
そうなると、確かに多額の費用がかかりますが、単線のままで電化工事を進めてもいい訳です。
これを機に、もし、青森県の大間から函館へ渡りたいという声が出てきたら、旅客輸送をどうするか?
この話については、貨物専用単線を建設した後でも構わないと思います。とにかく今は、北海道新幹線の高速化の方を優先させる必要がありますので…
本来、目的はそこですので、見失わないように注意する必要があります。
今回、提案する貨物専用単線の海底トンネル建設構想
赤字で塗ったところが貨物専用単線化。これにより、青函トンネル内の貨物列車を分散させる案。
しかし、着工には、青森県側の大間辺りと北海道側の函館側で海底トンネルを掘るための地盤調査などが必要になる。ここが課題と考えられます。
実現できれば、北海道新幹線の高速化は夢ではなくなりますが、果たして、どうなのでしょうか?
難しい問題に直面していますが、いずれ解決しなくてはならない問題です。先送りをすればするほど、そのツケは自分たちに降りかかって帰ってきます。
どうか、早期着工を願いたいところです。