昨日観に行ってきた「銀と赤のきおく」ですが、なかなか良かったですよ。
原作が「ダリとの再会」&「火の鳥復活編」である事と、タイトルを思えば、どんな内容になるのかは容易に想像はつきましたが、その上でなお面白かったです。
どっちの作品も読んだのは十数年前なのに、いろいろとカットが脳裏に浮かんできましたね。
皆さん素晴らしかったけど、やはり納屋六郎さんと大塚明夫さんは別格だと思った。
まだ上演中の劇だから詳細は敢えて書かないけど、このお二方を観に行っただけでも価値があるなぁ。
命、記憶、こころ・・・二つの物語をテンポ良く展開させて、最初はテーマを投げかけてっぱなしで次のテーマに進んでいくので、第1部が終了した時には「なんだ?訳が分からない」なんて言っている人もいたけど、第2部の最後の方ではそれぞれの話が見事に集約されていく。
ただ、若者に恋した死が迫った老女が、その若者の身体に自分の脳を移植して自分自身の延命を図ると共に惚れた男と一つになるというシーンがあるのです。その老女の妄念や執念って恐ろしいと思ったのだけど・・・若者の姿はしていても脳と心は女性だから、若者のしゃべりは当然女性言葉になるのね。私にはそのシーンはおそろい恣意シーンとしか思えなかったんだ。どうしてもね。
でも、他の観客は女言葉をしゃべり、女の仕草で達振る舞う若者の姿に爆笑していているんだ。
どうやら・・・私の感性って他の人と大きく違うみたいだ。
いや、前からうすうすは気がついていたけどさ・・・みんなが大爆笑しているシーンを恐ろしいと思っている私。
演出家の方は、このシーンで爆笑して欲しかったんだろうか?私はそのシーンが滑稽であればあるほど恐ろしいと感じたのだが・・・。
そんな多少の違和感は感じたものの、劇それ自体はとても楽しかった。
劇が終了し、カーテンコールとなり、出演者一同が再び舞台に登場する。
我を忘れて拍手している私。
出演者が観客席に向かって何かを投げた。
放物線を描いて”それ”は私の右肩に当たって跳ねた。
それではっと我に返った私。
役者が観客席に向かって投げていたのは、サインを書き込んだゴムボールだった!
気がついた時は既に遅く、私の肩に当たったボールはすでに後方の席に飛んで行ってしまった。
ああ、残念無念!!
ボサ~~~ッと拍手していないで、もっと気を配っておけば良かった。
そうしたらボールをキャッチできたのに・・・。^^;