毎日毎日、増えるばかり!? | 『ことば選び』は難しい。。。 

毎日毎日、増えるばかり!?

新型コロナウイルスの感染拡大が伝えられるようになってひと月余り。。。

ニュースはもちろん、ワイドショーでは、
「また感染者が。。」とか、「止まらない拡大」とかを声高に伝えて、視聴者の恐怖心を煽っている様にも見えてしまいます。

厚生労働省が発表している「新型コロナウイルスに関するQ&A」を見てみると3月5日時点での国内感染者数331名と記されている一方で、実はその横に「回復者数43名」と記載されているのです。

治っている人もちゃんといるんじゃないか!!

テレビを見ていると、毎日感染者が増えてばかりで、回復してる人はいないのかと思ってしまうほどです。

30年以上のテレビに関わる仕事をしている経験から言わせて頂くと、人々の耳目を集めるために人々の不安や恐怖を煽る事が視聴率に繋げる方法のひとつでもあるのです。
テレビ報道、特にワイドショーなどはその典型で、街中でのインタビューも番組が求める答えを誘導し、その部分だけを集めて、如何にも全ての人々がそう思っているという風潮を作り上げていくのです。

そして、毎日のニュースの展開で、昨日よりもさらに刺激的なネタはないか、伝え方はないかを探し、番組制作や演出の中で作り上げていく。テレビ制作者はそうしなければ、視聴率を稼げないし、評価が下がってしまうのです。

トイレットペーパーのデマからお店で品薄になる騒ぎが起き、ネットの情報の真偽が問われていますが、テレビや新聞、雑誌の伝える内容も出来事を捉える視点によって正反対の内容になってしまいます。
「情報リテラシー」とい言われる「自ら情報の真偽を判断する能力を持つこと」が重要だと言われます。情報を様々な角度から捉え、評価し、役立てる。ネット社会になってから特にこの能力が求められる時代になりました。

どうでしょう。

これから感染拡大が収束に向かうことを考慮に入れ、日本に対する海外からの評価も見据え、感染者の拡大を伝える時には、回復者の数も必ず伝える様にしていくというのは!
日本の対応も世界から極端に捉えられることが少なくなってくるのではないでしょうか。。。

私の教える江戸川大学でも、卒業式と卒業謝恩会を中止せざるを得ない状況になり、卒業生たちをきちんと送ってあげられず、とても残念です。

でも今は、日本中のたくさんのみなさんが、苦痛や残念を感じながらも新型コロナウイルスの一日も早い鎮静化を心待ちにしている時期なんです。

表現の方法、言葉の選び方、物事を捉える視点の置き方、それらによってニュースの評価、それに関する世間や世界の評価も変わってくるものです。

テレビに関わる人間からのお願いです。
テレビで新型コロナウイルス関連のニュースや情報をご覧になる時には、様々な情報を比較して、ご自身の持つ冷静な視点から情報を評価して判断に役立てて頂きたいと思います。