モノは言いよう』日刊ゲンダイ 連載コラム 毎週土曜掲載中! | 『ことば選び』は難しい。。。 

モノは言いよう』日刊ゲンダイ 連載コラム 毎週土曜掲載中!

◎モノは言いよう #57 4/20

《〝解禁〟に振り回される就活学生》

学生の就職活動に関する取り決めがここ2、3年、毎年のように変化しています。 3年前まではマスコミ業界、特にアナウンサーの採用試験などは3年生の9月頃にはキー局でのエントリーシート受け付けが始まり、2カ月後には最初の内定者が決まっていました。そこから順繰りに準キー局、NHK、ラジオ局、各地のネット局の採用が行われ、ありがたいことに4年生の秋に再びエントリーチャンスが巡って来ていました。 一昨年もこのスケジュールに従って、3年生の春から専門ゼミと平行して就職活動の準備を行っていました。ところが、夏前に「就活12月解禁」という取り決めがなされ、マスコミ業界も一部の局や企業を除いて12月からのエントリー受け付けとなり、学生達は微妙な余裕とともに、先輩から受けたアドバイスが生かしきれない状態に陥りました。それでも自分たちに課された状況を受け入れ、学生達は一生懸命に就活に立ち向かいました。
そして今年、先日の新聞などで「就活3年生3月解禁」という働きかけを政府が企業側に行ったという記事を読み、正直、また変えるのかという思いがしました。3年時にしっかりと勉学に励むことができることから、企業側も受け入れるとの反応だそうですが、なぜ毎年毎年、就職活動の解禁時期が学生達の思いに関係なく変更されるのでしょうか。就職活動という、ただでさえ不安な中、情報収集や準備をしなければならない学生達。どうせなら〝解禁〟などと言わず、すっきりと通年採用に移行してはどうでしょうか。