日刊ゲンダイの好評コラム「モノは言いよう」今年最初のコラムです。 | 『ことば選び』は難しい。。。 

日刊ゲンダイの好評コラム「モノは言いよう」今年最初のコラムです。

◎モノは言いよう#47 2/9

《爆弾低気圧の次は弾丸低気圧?》
「爆弾低気圧の影響で急激に天候が悪化します」
 こんな天気情報が最近、頻繁に聞かれるようになりました。
 爆弾低気圧とは、1980年に気象学者によって提唱された言葉で、英語では「bomb cyclone」と呼ばれ、急速に発達して台風並みの暴風雨をもたらす温帯低気圧を指します。
 日本では〝爆弾〟というイメージの悪さから、気象庁は「急速に発達した低気圧」と表現しているそうです。確かに、猛烈な風雨が半日から1日という短時間で大きな影響を及ぼしながら駆け抜けて行くイメージがあります。
 さて、今週も首都圏を大雪が襲うという予報をテレビが伝えていた時に「弾丸低気圧」と聞こえ、爆弾の次は弾丸かと思いました。
実は聞き間違いで、正解は「南岸低気圧」。日本列島の南岸沿いを東の方に進みながら暴風雨や大雪をもたらすことがある低気圧で、今年の成人の日もこの南岸低気圧の影響で雪が積もり、首都圏の機能が麻痺しました。マスコミで長年働きながらこの言葉を耳にしたことがなかった私は、「弾丸低気圧」と聞き間違えてしまったのです。
 幸い都心部では雪は積もりませんでしたが、1月の大雪で首都圏の交通が麻痺した時に、青森出身の学生が「なんで東京では除雪車が出動しないんですか? 青森ならばすぐ出て来てくれるのに……」と呆れ顔だったのを思い出しました。「東京では年に一、二度しか積もらないからね」とその時は答えましたが、こうも雪が降ると除雪車が必要な気もしますね。
 ところで、都内に除雪車ってあるんでしょうか。