結構な、御手前で。
柏、ストリームヴァレー。
珈琲の名店にて。
いつものように、おまかせで頼んだ所
マスターが静かに口を開いた。
「前、ガトーショコラに『一番合う』珈琲の話を
おごさんに、雑談でしましたよね。」
「ええ。御伺いしました。」
お客様から「一番合う」珈琲を求められて
マスターが、そのための珈琲を作った話。
「この珈琲、使えるなと思ったんですよ。」
「何に、ですか?」
「おごさんの『おまかせ』に。」
……。(苦笑)
「ということで、最初はコレです。」
特製のルーをアレンジ。カレースープ。
カレースープ。
……って、珈琲じゃない?
「何で、カレーがスタートなんですか?」
「最初に『食』が無いと、ダメなんです。」
?
「次にガトーショコラと、濃い目の珈琲。」
??
「最後に薄めの珈琲で、シメます。」
???
良く分からない自分を見て微笑むマスター。
「食事の後に、主菓子(おもがし)と
お濃茶(こいちゃ)。そして、お薄茶(うすちゃ)。」
「あ!」
茶懐石。茶道の懐石の流れだ。
「お気づきに、なられましたね。」
今夜の珈琲劇場は、茶懐石の珈琲版。
単にガトーショコラ・セットを持ってくるのは
ヒネリが無い、ということで珈琲版の茶懐石。
正直、ビックリしました。
懐石(食事)にあたるカレースープを
美味しく頂くと、次に出てくるのは当然、コレ。
お濃茶。ガトーショコラ用のスペシャル珈琲。
主菓子。ガトーショコラ。甘さを抑えた上品な味。
このガトーショコラ・セットは、凄かったです。
凄かった。
久しぶりに、味でシビれましたね。抜群でした。
最後にシメの、お薄茶。カリビアンブレンド。
「薄茶」にヴァレーのアメリカンであるコレを
さりげなく持ってくるところが粋。
食べて、感心するしか無かったです。
いや……ここまで、やるのかと。
本当に、美味しかったです。
結構な、御手前で。(礼)






