『アール・デコ・ジュエリー』@東京都庭園美術館
19世紀のカルティエの宝飾デザイナー、シャルル・ジャコーのデザイン画を特集した展示。
そもそも、「アール・ヌーヴォー」と「アール・デコ」の区別がついてない私。
どうやら、「アール・ヌーヴォー」は有機的な曲線を組み合わせたデザイン、次代に出現した「アール・デコ」は直線や円弧を用いた幾何学的なデザイン、というのが大別のようです。その遷り変わりのはざま、常に最先端をデザインしていったのがカルティエ専任デザイナーのシャルル・ジャコー…ということかな。
展示内容はデザイン画や当時のファッション雑誌の挿絵が80%で、思いのほか実物の展示が少ない。
デザイン画とそこから起こされた実物の宝石との対比ができればおもしろかったんだけど。両方を資料として残すのはファッション業界では難しいのかな? それとも、庭園美術館の貸借契約力不足?・・・素人の目にはちょっと退屈ではありました。
素人といえば、まわりのお客さんを見ると、かなりお洒落な(奇抜な?)服装の方が多くて、そこが他の展覧会とは違いますね。きっと、美大とか美術関係のお仕事をしている方たちなのでしょうね。そういう方から見ると垂涎のデザイン画なのでしょうか。
フランス革命後って、女性がコルセットをはずし筒型のドレスをまとうようになったという、いわばファッションの大改革時代。
その後も、英国支配下にも拘らず、依然としてインドの経済的支配者であったマハラジャがカルティエに宝冠をオーダーメイドしていたり、日本などオリエンタリズムからアール・デコが生まれたり、世界の時流ってファッションにこれほど影響を与えうるものなのだと肝銘を受けました。
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