こんばんは、おぎのあずさ(荻野梓)です。

 

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先日、BONDプロジェクトの橘ジュン氏から、行政の支援につながらない若年女性の現状と課題について伺う勉強会に参加しました。

 

BONDプロジェクトは、生きづらさを抱える10代20代の女の子達を守り、支え続ける「bondProject」という活動をされているNPO法人で、「聴く」「伝える」「繋げる」を主な活動に、実際の女の子達の保護、シェルター等の運営もされています。

また、荒川区では行政支援として業務委託をされています

橘ジュン氏の考えや、活動内容については、BONDプロジェクトの「橘ジュンよりメッセージ」、また、下記記事も参考になります。

橘氏から、実際にbond Projectで取り扱ったお話を交え、若年女性が置かれている信じられない状況の連発に、絶句……

虐待やDV等で、家に帰れず、食べる物もお金もなく、その日の寝る場所を探して繁華街をさまよい、果ては駆け込み出産……

虐待事例は「なぜ親がそんなことを」と、本当に信じられません。

  • 学校に言うと、親に言われる。
  • 親も「家のことは言うな」と言っている。(洗脳)
  • 友だちの家に行き初めて「うちは普通じゃない」と気付く。

家にいられなくなり、夜中、警察に補導されると、保護されて、家に帰され、さらにひどいことに。

 

DVで被害届を出せば、行政支援でカウンセリングを受けることができるが、被害届を出せないような子が多いので、自費でカウンセリング……とてもじゃないが、高額で受けられない。

危険だと分かっていても、彼女達は自暴自棄になっているし外で寝るよりはマシと、SNSで居場所を求めるそうです。

そういった子達に、昼夜問わず、街中やネット上でアウトリーチして、「どうしたの?」「話を聞かせて?」と声をかけ、上から目線ではなく、同じ目線で、「大事な友達」として話を聞くそうです。

 

少し余談……私、今このブログを書くために調べてびっくりしたのですが、橘ジュン氏、1971年生まれ49歳だそうで……全然そんなふうに見えず思えず、同年代と勝手に思ってお話を聞いていたので、改めてBONDプロジェクトさんのスタンスを実感したところです。

 

彼女達は、ちょうど児童相談所なのか婦人相談所なのか、どちらともいえないはざまにいて、なかなか支援が難しいそうです。

実家から離れた繁華街に来ている子も多く、保護した自治体に相談すると「住民票の自治体へご相談を」と言われ、住民票の自治体に相談すると「「居所なし」って何ですか?」と言われ……

 

そんな中、東京都の若年被害女性等支援モデル事業は、北海道の子も沖縄の子も、渋谷区で見つかれば渋谷区で、新宿区で見つかれば新宿区で支援するといった、行政区の壁を感じない支援をしており、BONDプロジェクトとしても活動しやすいそうです。

 

そして、望ましい居場所・支援の形として挙げられたのが、

  1. アウトリーチ
  2. 相談者向けのカフェ型の居場所
  3. 緊急一時保護(衣食住の提供)
  4. 行政機関との連携、同行支援
  5. 自立支援

で、とにかく「自ら相談できない子が多いので、こちらから見つけるために手を伸ばす」とのことでした。

(相談電話なんて「絶対できない、家で声に出して話せない」と。)

 

この機会を設けてくれた、東京都議の斉藤れいな氏が、

BONDさんがやっている相談姿勢は、会うことを目指している
相談員も20代の若い女性。
小学生から29歳まで相談がくる。
大事な友だちのように寄り添う、上から目線ではなく同じ立場、これが行政の姿勢と違う。
行政は、税金を使うから公平に使わないといけない。

とおっしゃっていて、そうだなぁ、夜中に行政が女の子の見回りするなんて、警察か、先生くらいだよなぁ……と思いました……

 

私も、夜の繁華街の見回りは、しておらず……

(インターネットの巡回は、実はしている(バレてる?)けども)


質疑応答では、「親からの相談は?親の傾向は?」との質問に、

あくまで子どもの相談を受けるようにしている。

親が困っていることと、子どもが困っていることは違う。
親には「あなたはあなたで別のところに相談したほうが良いです」と言うようにしている。
親は、自分が悪いということをなかなか認められない。
親は、歴史を挟んでくるので、「今」起きていることに対処できない。

女の子達は、「今」困っていることを、相談しに来ている。
困っている女の子から話を聞くようにしている。
親子分離が良い選択肢だとは思わないが、離れることでそれぞれの人生を考えられることもある。

自立して、依存しないようになっていくかなと。
自分がどういう大人になりたいかを考える時間を作るための期間/機関。
自分の意志を、自分で伝えられるように、あと精神的にも体力的にも強くなった時に、両親と向き合ってみるのも良いと考える。

また、「実際に夜、街でそれらしき子を見かけたらどうしたらいいか」との質問には、

相談所一覧表を渡してあげるのが良い。
自宅に泊めると「誘拐犯」になる。
参考:少女を保護して感謝状、かたや逮捕…それぞれの明らかな「対応の違い」(WEZZY、2017/07/11)

と、橘ジュン氏は答えていました。

 

お話を聞いて……

正直、行政の限界を感じました。

国、県、市、どこにも様々な相談先はありますが、そこに相談する「実直な」子ばかりではありません。

また、どうしても「行政」のイメージは堅いし実際に堅い……

 

私も、アウトリーチはなかなかできていなくて、言動はフランクにしようと努めてはいますが、それでもきっと堅いでしょう……

(公式な場面ではスーツですしね……ってコレコレ↑)


この仕事に就いて、「官だからできること」と「民だからできること」があるなぁと実感することが多いです。

だからこそ、官民連携が重要なんだなと

 

川口市、それから埼玉県(児童相談所も婦人相談所も県管轄)の現状を確認して、そして私が「官」もしくは「民」としてできることを考えようと、お話を聞いて強く思いました。

(写真はイメージです。フリー写真素材ぱくたそより)

 

貴重な機会を設けてくださり、ありがとうございました。

 

最後に、本日確認された市内陽性患者について。

市民の皆様におかれましては、

  • 手洗い(30秒以上)
  • orアルコール消毒
  • 「3つの条件が重なる場」を避ける
    • 換気の悪い密閉空間
    • 人が密集している
    • 近距離での会話や発声がある

を徹底していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。