こんばんは、おぎのあずさ(荻野梓)です。

 

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今日は、先週木曜日に参加した「西澤哲教授による児童虐待をなくすためのこれから」の中で、特に気になった点を紹介します。

 

西澤哲教授は、大阪2児餓死事件や、目黒女児虐待事件の被告とも接見するなど、児童虐待について国内の第一人者です。

 

以下、私のメモであり、西澤教授の言葉を完璧に表しているわけではありません。私の聞き違い、解釈違いもあるかもしれません。

 

■世代間連鎖がどうして起こるのか

死亡等の重大な虐待は、ほぼ100%虐待の世代間連鎖。
(軽度の虐待は世代間連鎖ではないこともある)

 

なぜ世代間連鎖が起きるかを知らないと止められない。
 → モデル理論

 → 自分が幼少期に受けた「教育」を否定したくない

■虐待の本質:乱用性
 

「child abuse」は「児童虐待」と訳されるが「児童乱用」では。

「drug abuse」=「薬物乱用」

子どもの存在や関係を利用して、親が自己欲求を満たす。

子どもが言うことを聞かない→自分自身が傷つく。

力ずくで子どもに言うことを効かせる→乱用。
 

自己欲求の優先傾向:子ども期の欲求の持ち越し。
子どもの欲求中心ではなく、自分の欲求中心。
独身や子どもがいない時は自分だけの時間を持てるが、子どもが生まれると、子どもの欲求中心に考える、というギアチェンジが起きやすいが、虐待を受けた方はそこがスムーズにいかない。
子どもの愛情欲求を、邪魔に思う。
 

■虐待発生のモデル(母親)
 

虐待の既往歴:依存・愛情欲求の未充足

・普通の家族への諦観と憧憬→早期の性的活発さ
・様々な病的「依存性」の併発

(つまり母親の場合は、愛情充足のための依存的虐待が多い。)


■虐待発生のモデル(父親)

 

虐待の既往歴:自己効力感、自尊心の形成不全
様々な社会的不適応を経験(学業不振、仕事等の挫折体験)→無力感→これを補填する試みとしての「支配性」(病的支配性)

(つまり父親の場合は、言動の暴力による支配的虐待が多い。)

 

■慢性的トラウマ体験の子どもへの影響

・認知的発達への影響:知的障害の問題
・感情・情動の発達への影響:感情調整障害
・性格の発達への影響:人格障害との関連

子どもはわざと怒られるような言動をするが、(アメリカの)トラウマの概念を知っていれば、こういった子ども達の心理も理解できる。
全米子どもトラウマティック・ストレス・ネットワークによる「Developmental Trauma Disorder」(発達性外傷性障害)の提案。

■虐待・ネグレクトが子どもに与える心理的影響をとらえる基本的視点

  • トラウマは再現性が特徴。(家庭で性虐待を受けた子が施設や学校でも性被害を受ける)
  • 無差別的愛着傾向あり。(初対面の大人にも抱きつく)
  • 自己調節障害あり。(自分の状態を整える力が育まれていない→だからちょっとしたことでキレる)

■「しつけ」の語源は「習気」(じっけ)

 

子どもが不安定な時に、関わりの中で安定した状態にもっていく手助けをすること。

叩いて泣き止ませるのは、罰で抑圧したに過ぎない。

これだと自分で自分をコントロールする力をつけられない。

 → ちゃんとした「しつけ」がされていない

 

■アタッチメントと障害
 

アタッチメントの形成が、「共感性」を育む。
虐待によってアタッチメント関連障害が起こり、反社会性傾向、ADHD様状態、アスペルガー様状態に。(後天的な障害)


※アタッチメント(旧:愛着)……ジョン・ボウルビィの言う「愛着理論」の「愛着」は、一般用語の「愛着」とは違う。

 

乳幼児期に自分が不安になったら保護者に接触しようとする(アタッチメント行動)結果、親が反応を示すことで、安心、心に影響を与える。(特定の大人に情緒的な強い結びつきを育む)

 → これができていないと非行化。

■虐待を受けた子どもの回復に向けた支援
 

虐待・ネグレクト環境はアタッチメント(愛着)の形成を阻害する。

 → アタッチメントの再形成の必要性。


親からの虐待(乱用)は子どもの人生を奪う。

 → 子どもが自身の人生を取り戻せるための支援の必要性。


中学校を卒業する頃に親から施設へ連絡が来る→子どもが親もとへ帰る→子どもの給料を全部巻き上げられる。
 → 子どもの人生を親の人生から切り離す。

 

<全体を通しての私の感想>

 

虐待がなぜ発生するのか、連鎖するのか、虐待発生モデルも腑に落ちる、分かりやすいご説明でした。(西澤教授の実際の経験も織り交ぜられ、リアルでした。)

 

特に「児童乱用」「トラウマ」「アタッチメントの重要性」が勉強になりました、そして他者に「依存」または他者を「支配」することの怖さを再認識しました。

 

貴重なお話をありがとうございました。

 

座学で分かったところで、実際に役立てないと意味がない……

地方議員としては、地域の実態把握と、いかに現場の方々の支援をしやすく、高めやすくするかを考えることが責務でしょうか。

 

今日の写真は、土曜日に家族で出かけた、南平児童交通公園

子ども達は歩きで「疲れた」と言いつつ、公園に着くと大はしゃぎで遊んでいました。(でも帰り道はやっぱり「疲れた」と。苦笑)

 

プレイリーダーの方がいて、子ども達に風車や竹とんぼならぬ紙とんぼをくれて、それもめっちゃ喜んで使って遊んでいました。

我が家ではその発想がなく……助かります、ありがたい。

 

最後に、本日確認された市内陽性患者について。

市民の皆様におかれましては、

  • 手洗い(30秒以上)
  • orアルコール消毒
  • 「3つの条件が重なる場」を避ける
    • 換気の悪い密閉空間
    • 人が密集している
    • 近距離での会話や発声がある

を徹底していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。