こんばんは、おぎのあずさ(荻野梓)です。

 

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2月5日に、若者政策推進議員連盟の総会に出ました。
 
鈴木隼人事務局長代理(衆議院議員)が司会進行というリッチな会で、参加者は少なく、でもお話はとても参考になるもので、他の地方議員ももっと参加したら良いのになぜだ……と思いました。
 
「若者の社会参加について」という議事で、
  • 両角達平氏(文教大学付属生活科学研究所研究員)
    • 若者の投票率85%のスウェーデンの若者政策と若者協議会
  • 落美都里氏(国会図書館調査及び立法考査局行政法務課)
    • 審議会改革、若者議会設立等の必要性

の2つのお話の後、質疑応答・意見交換でした。

 
両角氏のお話は、ご本人も記事にまとめてらっしゃるので、そちらもぜひご覧いただき、以下、私の雑多なメモを載せます。
 
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日本の若者は政治に関心がないわけではない。
令和元年版 子供・若者白書(内閣府, 2019)

若者の社会参画(Youth Participation)とは? → 参画>参加

ロジャー・ハートによる「参画のはしご」
(出典)ロジャー・ハート:子どもの参画 明文社2000年

政治、学校に行く、働く、余暇、文化活動、家庭に若者が参画して影響できるか、これを全面的に扱うのが若者政策の肝。

欧州委員会が考える、若者の社会参画が必要な理由
  1. 基本的人権だから
  2. 子ども・若者が排除されなくなるから
  3. 若者が生きる力や能力を高め、自信が持てるようになり価値観や規範意識、抱負を抱くようになる
  4. 政策、公共サービス、実践の質が向上するから
  5. 積極的な市民になるためには、訓練が必要だから
民主主義を教えることを怠ると、若者は政治に対して僻みっぽくなり、投票率は下がり、政治家、政党、政治的な若者団体への不信感が募る。

「若者参画の先進国、スウェーデンは?」
スウェーデン:世界で最も若者に優しい国
 
2018年総選挙@スウェーデンの投票率:87.18%。
その時の、18~24歳の投票率は84.9%。
この数値は、日本の2012年衆院選での、どの年齢よりも高い

「スウェーデンの若者の社会参画」

少なくとも1つの若者団体に属する割合:
16~24歳で58%、25~29歳で70%。

余暇の中で若者団体の活動に参加している人が多い。
(日本人は大人も子供も余暇が少ない……)

スウェーデンの学校教育の特徴:長く・多様な若者の「移行期」
高校を出て大学にすぐ行く人→13%
ギャップイヤーを持ってやりたいことを見つけて大学に行く。
だいたい24歳で大学に行く。

「スウェーデンの主権者教育」
民主主義の価値と、論理的な知識、実践的な技能。
練習の機会を設けて教えている。

学校給食を美味い不味い言える機会を作っている。
自分で勉強する方法を自分でデザインする。
政治家を学校に招いた討論会を実施している。
政治的中立を保つ方法等も教えている。

御用生徒会ではない!
スウェーデンの生徒会を通じた社会参画。
生徒会の全国ネットがある。
生徒会の運営はやはり難しく、生徒の意見をどのようにして学校や社会に反映するかを勉強して活性化している。
ここに3億円以上の政府からの予算がついている。

政党青年部の役割
  • 政党青年部の若者政策を作って党大会で意見表明する。
  • 広報機関ではない。
  • 若者に向けた政策を作り、本部の人とやりあったりすることによって、政党の政策を若者向けにする。
スウェーデンのユースセンターが、各地にいっぱいある。
団体活動が好きじゃない人にもこういう施設がある。
大人もスタディーサークルで社会参画。

「これらを可能にする若者政策とは?」

スウェーデンの財政=東京都の財政
そのうち30億円を若者団体に拠出している。
日本のそういう基金は15億円。

投票は、スウェーデンだと当たり前すぎて、対した政治参加だと思われていない。
政治「参加」はただの行為であり、「影響力の発揮」へ目標をアップグレードしている。

 
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落氏のお話は、全国の興味深い若者の政治参画方法の紹介、そして最後に、 若者参画の望ましい形として、
  • お客様や専門委員ではなく、しっかり参加。
  • 予算執行権や発言権を付与する。
  • 公園の企画→運営まで子どもが担う。
と締めくくられていました。
そのすぐ後、鈴木隼人氏が、 
国の審議会等の委員への若者登用制度もあるにはあるが、紹介できるものがない。
「子供・若者育成支援推進大綱」で謳っているが、若者が参加している審議会がない。
と、補足されていました。。。
 
質疑応答では、
 
Q. 日本は家族や友達の中で政治の話をするのがタブー……
A. 無力感が全ての世代にある。脱・政治家の時代から、再・政治家の時代になりつつある。若者から社会参画を。

Q. スウェーデンから見て、日本の大人へのアドバイスは?
A. 日本でなんでそんなことになっているか分からない。なぜ投票に行かない? 生活に関わることなのに。スウェーデンでは、政治の話をしているわけではなく、生活の話をしているだけ
 
Q.投票のハードルを下げるためにデジタルは?
A. スウェーデンはセキュリティの問題等でネット投票は一切できない。もともと投票率が高い。エストニアは投票率が低い(6割)。スウェーデンは後悔投票(投票やり直し)制度がある。デジタルはあまり効果を出さないと思っている、それよりも教育である。
 
また、学校で主権者教育がなかなかできないことについて、1969年に国が出した通達「政治活動をするな」「生徒会活動と政治とのかかわりをやめるように」があり、そのために政治的なことが教育でやりにくくなったこと、またその通達は、18歳選挙権付与の際に塗り替えられていることが、鈴木隼人氏から説明されました。
 
若者の政治参画、日本の場合はまずは参加からか……?
投票率がとても低い川口市も、考えなければいけない問題です。
今の投票率が低い状態には、必ず何かしら原因がある。
 
そう強く考える、参加して良かったと思う会でした。
 
今日の写真は、靄がかかったスカイツリー。
なんだか怖い写真ですね。
 
ちゃんと明るい写真も撮りました。
でも、今日のブログには、さっきの写真のほうが合うかな。