撮影まわり | 荻原和歌オフィシャルブログ Powered by Ameba

撮影まわり

ウェブ連載の撮影、とても快適にすますことができました。

「おつかれさまでした」
「次回お会いするときは、お母さんですね」
「よい出産を!」
大きく手をふってカメラマンさんと別れると、
ぽっかりとすがすがしい気持ち。

とうとう出産前の撮影を無事終えて、
あとは家でする仕事だけになりました。
のんびり〆切と戦おうと思っています。

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さて、昨日の撮影スタジオは
下町風情ののこる上野近辺。

踊りのお師匠さんや落語家さんが住んでいるとおぼしきしもたやや、
今や都内ではここだけになってしまった同潤会アパートなど、
(私にとっての)お宝がたくさんある町でした。

photo:01

ここ、上野下アパートは1929年の建造物です。
関東大震災の反省のもとに
建築から近代を志したコンクリートづくり、
当時の最先端の集合住宅。
同潤会といえばの「ダスターシュート」ももちろんありました。

photo:02

コンクリート作りに杉の桟のガラス戸…
長い時間を感じさせる植物群。
きゅううううん、と心が躍ります。
この気持ちを「萌え」というのでしょうか。

この建物を造った方は、ほとんどこの世に残っていないでしょう。
けれども、「次世代をになうべきよりよいものを」という高い志が
当時の息づかいとともに伝わってくる、そんな気がするのです。


先の角を曲がれば豆腐屋さんやもつ焼き屋さん、町工場がぽつぽつと。
暮らしがにおい立ってくるような町なのでした。
そして振り返るとスカイツリー。


photo:03

合成写真のようでしょ。
今昔のコントラストがくっきりとした街並みが印象的でした。


合羽橋も近いので、
そのまま足を伸ばしました。
自分では手に負えなくなってきた
刃こぼれを直してもらったり、
欲しいと思っていた調理器具をえいやっと手に入れたり。

刃物の専門店「かまた刃研社 」さんでは、
義援金を払うと当日研ぎを引き受けてくださるキャンペーン中でした。
この夜、研いでいただいた包丁の気持ちよかった事。
「快感」の二文字に尽きます。