コミティア118…!!(完結編) | おぎぬまXの運命

おぎぬまXの運命

元芸人。2014年から漫画家を目指すこととなった30歳。
笑うメディアクレイジーにて『おぎぬまXの4コマ空間』を連載してます。
生活に余裕があったら応援してねっ!

〜前回のあらすじ〜

吉田くんに代わる新たなパートナー・大塚安定感と共にコミティア118で自身のマンガを販売することになったおぎぬまX。
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(↑新たなパートナー・大塚安定感)

しかし、開店から2時間経っても売り上げは2冊という…地獄のような状況が続き、大塚はヒマすぎるせいか【日清と契約して「カップヌードル」と人前でつぶやけば、一回につき日清から宣伝料として2円貰える】という妄想のバイトを始めてしまう始末…!しかし、そんな時に久しぶりのお客さんが僕のお店の前にやって来たのであった…!!

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10月23日


14時00分


久しぶりに……

実に久しぶりに、僕のお店にお客さんがやって来ました…!!

この嫌な流れを断ち切るため…
絶対にこのお客は逃がさん…!!!

僕は全身全霊をこめて接客します。


僕「いらっっっっしゃっっ………!!!!!!……………あ……………………すっ………………酢豚さんっっっ!!!!!」




僕のお店にやって来たのはお客さんではなく、前回のコミティアで僕のマンガを買ってくれたことで知り合い、仲良くなった同業者の「酢豚」さんでした。
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(↑酢豚さんが前回販売していた
『生ガキちゃん3』)



僕「す……酢豚さんっっ!!

お、お疲れさまですっっっ…!!!今回も自分のマンガ販売してるんですねっ!!売れ行きは順調ですかっ??僕は2……あんまし売れてないっすね!!」


酢「あ、こっちはさっき完売しましたよっ」



僕「えっっっっっ!!!!!??????はっっっっ????!!!!!!」


酢「おぎぬまさんの分、とっておいたんで、よかったら新作交換し合いませんか?」


僕「ぜ、ぜひっっっ!!!!」


こうして、お互いの新作を交換し合った僕と酢豚さん。


僕「ほぅ…これが新作の……
むっ!!むむぅ〜〜〜っっ…!!」



僕は酢豚さんの新刊を手に取ると、思わず唸りました。
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酢「今まで描きためた『生ガキちゃん』のエピソードをまとめて収録したものですっ」


僕「すっっっ……すごいっっ!!!
今までの生ガキちゃんシリーズがこれ一冊で楽しめて、随所におまけ4コマも描き下ろしてるし、表紙もカラーときた…!!!これっっ……一体いくらで販売してるんですかっ…!!???」


酢「500円ですっ」



僕「おっっっっっ!!!!!????はっっっっっっっ????!!!!!」



僕は愕然としました。

こ、ここまでクオリティ高い本と僕の4コマ集の値段が同じだと……!!???


聞くと、僕はいつもコミティアに前夜に駆け込み製本をするから製本代が高くなってしまうけど、余裕を持って二週間前とかに業者に頼めば、今よりメチャ安い値段で製本可能だということでした。


な…なるほどっ…
次回は絶対ゆとりをもって作りたいなぁ…!!!


衝撃的な価格破壊にうろたえる僕。

酢豚さんは僕のお店を観察すると、さらにこう指摘します。


酢「おぎぬまさん。もう少し…お店に気使った方がいいですよっ。まず目立たないことにはお客さんの購入に繋がりませんからね。

このコミティアには3500ほどのサークルが出店してる訳ですから、お客さんもいちいち全ての店をじっくり見てられないですからねっ」


僕「ぐぎぎっ…!」


酢「ちなみに僕も派手派手な装飾とかするのは邪道って思ってましたけど、今回ちゃんとテーブルに風呂敷を敷いたり、オマケに缶バッジを作ったりしたら完売できましたよっ!」


僕「ぐ…………ぐうの音も…………出ないぐぅ………!!!!!!!!!!」




圧倒的戦力差を見せつけて去っていた酢豚さん。

ぐっ…ぐぐぐ……!!!……

あ…憧れるぜっっっ…!!!!

次は…僕も2時には完売させて、ゆったりと会場巡りをしたい…!!!!

しかし…生ガキちゃん…面白いっっ…!!!!!


………
……





それから時間は風のように過ぎていきました。

途中、マンガが何冊か売れて流れが変わるか…!?と期待しましたが、そうは思い通りにならないのがコミティアの恐ろしさ…!!

つかの間の来客の後には、長い長い静寂が待ち構えているのです。



僕「………来ない……なぁ……」





大「………カップ…ヌ〜ドル…」


僕「……小銭を…稼ぐな…!」

………
……


その後、僕は大塚にお店を見てもらってる間に会場を隅々まで周り、どういった本が売れるのか、自分と同じようなスタイルの人はいるのか、単純に自分が欲しい!と思う本はどんな本なのかを調査しました。

様々なことを学び…
次に活かすのだ…!!!!!





そして…







16時00分




コミティア118が閉幕しました。




会場内に響き渡る拍手。


そして、拍手が鳴り止むとみんなが一斉に撤収作業に移ります。


僕は深呼吸をすると、周囲を見渡します。


満足のいく売上を叩き出して笑顔の人もいれば、前日も徹夜で作業してたのか、ともかく眠そうな人、あまり本が売れなくてガッカリしてる人、そして…早々と完売を達成して会場を去りすでに無人のテーブル………


ちなみに僕はというと………


眠さ、辛さ、悔しさ、もどかしさ、切なさ、情けなさ、思い通りにいかなさ、報われなさ、お腹空いたさ、満身創痍さ、現実を受け入れられなさ、NASA、最後に誰か駆け込みで買いに来てさ、大金持ちの人が在庫全部買って行って欲しさ、時間を巻き戻したさ、夢だったらさめて欲しさ……………NASA………………………など様々な負の感情に包まれて、今にも異形のバケモノに変身するんじゃないかと自分を抑えるのに精一杯でした。




おわった……………………


おわったのだ………………




僕は隣にいる大塚に話しかけます。


僕「大塚…………今日は本当にありがとう!!!!!」


大「ほいっす」


僕「ではっ……今日の売上を発表してくださいっっ……!!!!!!」


大「10冊っ」

僕「じゅ…っ…!!!??



じゅっっっ……!!!!!!




じゅゅじゅゅゅゅゅゅゅゅゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっ!!!!!!!」





前回の1stシーズンのコミティア当日の売上が12冊くらいだったはずだから………ぜ、前回より売上落ちてるってこと…!!???


あまりにも残酷な現実を受け止め、精神的にも肉体的にもボロボロになりながらもお店の後片付けをする僕。



ちなみに大塚はというと…
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【会場の撤収作業を指揮する人ごっこ】を一人でしながら楽しんでました。


………
……


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こうして、ビッグサイトを後にした僕と大塚。



今度こそ……


完売したかったんだけどなぁ…。


そういえば、次回のコミティアはたしか2月。

て、ことはこれが今年最後のコミティアだったのかぁ…。



前日に一睡もしないで製本作業をしていたせいか、帰りの電車で僕は立ったまま爆睡していたと大塚は言ってました。


そして、大塚と別れた僕は灰色に曇った空を眺めながら思いました。






次回………コミティア119で!!!


おぎぬまX4コマワークス3rdシーズンをひっさげて必ずリベンジしてやる…!!!!!


必ず……!!!必ず……!!!!











【コミティア118・結果報告】

『おぎぬまX4コマワークス2ndシーズン』

印刷部数・50
売上・10
教訓・お店の装飾マジ大事…!!




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