5月18日(土)
僕の音楽の好みは「メロディーがきれいであるか否か」それにつきる。
やさしい、切ないメロディーで胸がジーンとなったらいいナ。
その願いだけで生きてるフシがある。
そんな僕のルーツとなった曲たちを、今日はほんの少しご紹介させてくださいね。
まず最初は「さるとびエッちゃん」のオープニングテーマ。
まさに無常の極みとしか言いようのない美しいメロディー。歌詞と歌声。
最後に歌からスキャットになる瞬間など、切なすぎて、思わずグッとくる。
コーダの和音で心やすらかな平和の世界へ連れてってくれる。
エッちゃんの無垢なキャラクターと重なるから、さらにせつなく響いてくる。
「ふしぎなメルモ エンディングテーマ」
今でも、しょっちゅう口ずさんでいる、自分の中の永遠不滅の名曲。
やさしいオルガンの音色と共に始まる、ささやくような歌唱。胸がキュンとうずかない人がいたら、その人はどうかしてる。
そして突如として駆け上がっていくメロディーの美しさ、宝石さに茫然自失となる。
この曲は、当時メルモちゃんを見ていた我々チビっ子達への私信でもあった。
「昨日を知るのは今、明日を知るのも今、消えた望み、愛の涙、だまって放っておかれない、おかれない、私は幸せを運ぶ娘、メルモ」
長い年月を経て、もみくちゃになり、ボロボロになったオッサン、オバハンの元チビっ子達。
途方に暮れたド中年の前に、メルモちゃんは何度も何度も戻ってきては「そばについててあげるから勇気を出すんやで」と言ってくれる。
愛する歌があれば、どんな状況になったとしても、真の意味で孤独になるコトはありませんよ、と教えてもらった曲。
「マッハバロン エンディングテーマ」
グラムロック時代を象徴する音像がカッコいい。我々はドラムのリバーブの中に神を見つけるでしょう。極限に美しいバラード。歌が良すぎる。
作詞は阿久悠。
悪を倒すロボットものなのに、イケイケ、ドンドン、悪いヤツらをいてまえ!な歌詞ではない。
「マッハバロン、眠れ、眠れ。お前の使命を終わらせてあげたい。戦う機械でなくしてあげたい」
静かに平和を祈る歌だった。
大切なことを伝える時は、キーキーがなり立てるのではなく、静かに、小さな声で歌うのだと、この歌からも教わった。
それが理解できたのは、つい最近のことだけど。
最後にメルモちゃんのオープニング曲でお別れします。
この歌、そして歌声は、僕の心の源であり、良い歌とはコレダ!の聖典になっています。
朝倉みずほちゃんの歌声を愛し続ける気持ちは、この曲から始まっているのかも知れません。
色んな楽器のハーモニーが一致団結して、この歌を素晴らしい世界へ導こうとがんばります。
「夢見てたふしぎな世界へ、また今日も連れていって」
この一行の歌詞に向かって、楽器の一音一音が突進していきます。
この一行に、願いと祈りのすべてを込めて突進していくのです。
「夢見てたふしぎな世界」って、果たしてどんな世界なのでしょうか?
「さぁ探しておいで」
メルモちゃんは、家を出る我々のランドセルの中に、この歌をそっとしのばせて見送ってくれた。
「いってきます!」
そう言って、意気揚々と出かけたはずなのに、結局、迷い子になってしまった。
しかし、悔いはありません。
ずっーと探して歩くのです。
「夢見てた ふしぎな世界」を。