無視が何週か続いたころ、

2人で仕事をする機会があった。

その直前に、ケイタから話を聞いた同僚が

ケイタの前で、

私に聞いてきた。

どうも私にフラれた、

私に聞いてみればいいと言ったらしい。

「○○となんかあった?」

「なんか嫌なことあった?」

まさか本当の話だとは思わなかったんだろう。

「あった!嫌なことばっかり!」

私が顔をしかめ、そう答えると、

同僚は、

「え!ほんとに?!なんかごめん!」

そう答えると、

申し訳なさそうにその場を去っていった。





同僚に話したことに腹がたったわけじゃない。

私も大好きな同僚。

嘘をつく必要はないと思って、

正直に答えた。

直接被害のある旦那にバレてしまってる以上、

周りにバレることへの恐怖は、

ほとんど感じなかった。

なるようになれ!






ただ、ケイタが何をしたいのかが

わからない。

私のことは顔も見てくれないのに。






ケイタと2人になって、

「なーんでほんとのこと言うの。」

困ったような笑顔でケイタは言った。

久しぶりにケイタと目と目が合った。





その瞬間、

私は、安心と嬉しさと愛おしさと

寂しさと切なさと

色んな感情が混ざり合って溢れてきた。

涙がこみ上げてくる。

ダメだ。泣いてることに

気づかれないように、

その場を離れた。





奥でしゃがみこんで泣いていると、

視界に人影がみえた。

ケイタの匂い。

「何がしたいのかわからない!」

怒り口調で言う私の頭を

ポンポンと優しく撫でて。

ケイタは自分の持ち場に戻っていった。