先日、TBSさんの心霊番組で問題が起きていましたが

テレビのいわゆる「やらせ」というのが問題になってきたのはここ15年くらいでしょうか。

それを話していくには、まず「やらせ」とは何か?

を明確にしておく必要があるかと思います。

 

やらせというのは、簡単に言ってしまえば「嘘」です。

例えば、その取材対象の人の職業の経歴を追加したり

古くは存在しないモンスター、幽霊などを実際にいるように見せたりと

色々な「嘘」を視聴者は「やらせ」と呼ぶわけです。

 

今回のTBSさんのことは一旦置いておいて考えるとしまして

この「やらせ」って本当にいけないことなのでしょうか?

 

テレビというのはエンタテインメントです。

虚構の映像の世界です。

例えばテレビでは刑事物で銃撃アクションドラマ、映画が放送されます。

それを見て、「おい、本物の銃を使っていないだろ!やらせじゃねえか!」って言うでしょうか?

もちろんこれはテレビのコンテンツの中でも「ドラマ」「バラエティ」の枠です。

でも、現在、過去、テレビの番組って「これはフィクションです」と「これはノンフィクションです」と明確にはされていません。

極端なことを言えば、ニュースでさえバラエティにも出ている美人アナウンサーが出演したりし、完全にバラエティー化しています。

 

そういうことを考えると、テレビに対して真実を求めること自体がそもそも間違っているような気がするんです。

テレビなんてある意味で遊園地と一緒で、適当に娯楽として楽しんでしまえばいい。

それをネットが出てきて中傷を誰でもしやすくなった今、国民総ツッコミ時代とでもいいましょうか、誰でも言えるようになった。

これは良いことでもありますが、逆に言えば自分たちで楽しい演出を潰してしまっているとも言えます。

 

例えば「モンスターがいる!」という演出に対して非難が集中して

番組側が謝罪し、「実はモンスターは本当はいないのがわかっていました、すいません。以後このような番組は控えます」

となってしまうと、その後番組は相当つまらなくなります。

 

やらせというのは、私はある程度「ショー」だと思って見ておいたほうが逆に面白いと思うんです。

「ああ、馬鹿やってるなーー」って感じで。

 

さて、そして今回のTBSさんの問題に入ります。

これにはまず、どんなテレビ番組にも大抵は「制作会社」というものが存在することを知る必要もあると思います。

 

一般の方は、TBSという会社が番組を作っているんだろ?

と思うかもしれませんが、番組は制作会社が作り、それを局に売っています。

野菜の農家がスーパーマーケットに売るようなものです。

なのでTBSさんだけの問題ではなく、製作会社さんの問題でもあるということをまずは知る必要があります。

そして今の時代、製作会社も大変で簡単には買ってもらえません。激戦区です。

ですので過剰に演出したり、過激なことを映像にして局側にアピールするんです。

きっと今回も、そういう焦りの部分もあって無許可で写真を使用、さらにCGで加工、という流れにつながったのだと思います。

これはプロとしてはいくら追い込まれていたとしてもいけないことですよね。

 

が、私が一つ思うのは今回はテレビ局が写真を勝手に使用して問題になりました。

しかし、すごいことに、それに対してツイッター等で

「TBS!勝手使ってるんじゃねえよ!」などと中傷している人のアイコンが思いっきり版権コンテンツのアニメだったり、アイドルだったりするという‥。

テレビが流用するのは許さんが、個人ならいいだろ!

という謎の勝手な発想にもちょっと矛盾を感じてしまうんですよね‥。

 

もちろん無許可で写真を使うことはいけないことです。

が、自分たちは本当にしていない?同族嫌悪じゃない?と思う部分もあります。

テレビに関しては、所詮は虚構のバラエティーだ、って適当に見たほうが面白いんじゃないかなー。

一般の人がみんな評論家になって貴重な自分の時間を費やす必要なんてあるのかな、って思っています。