いよいよ、メトロノームを使って練習を始めると、クリック音に合わせてベースの音を追いつかせるのが難しく感じたが、ネットで見た情報に、裏拍という事が書いてあり、その意識で練習を始めてみると初めて楽しいと思えた。
メトロノームのクリック音とクリック音の間に音があり、その音を裏拍と考えて、それをベースで弾くという練習法である。
タイミングが合ってくると、クリック音とベース音が交互に鳴る感じが気持よく、まるで掛け合いで演奏をしているような気分になってくる。ドラムの音がするメトロノームという物が存在する事は知っていたが、自分のメトロノームの音を無理やり脳内でスネアの音に変換して聞こうとすると、更にテンションが上がった。
どこまで行っても楽器演奏の楽しさは、自分の場合、こういうアンサンブルなのだろうとその時感じた。
こういう使い方こそが本来のメトロノームの使い方であり、メトロノームは、周りの音を聞きながら、自分の音をコントロールする練習の為に使う物だというのはずっと後になってから実感する事であった。