高知から戻り、久しぶりに秋田へと車を走らせた。
狙いはやはり「サクラマス」。
しかし、朝に入った場所で会えず…
森の中をさ迷う事丸一日。
日が高くなる頃には、田んぼの作業が盛んになり急激に白濁り。
残念ながら、本命とは会うこと無かった。
しかし、竿を振ることが出来る。
これだけで幸せなのだ。
釣りに行かせてくれる家族。
本当に感謝している。
この濁りが翌朝取れることは無いだろうと、釣友に連絡を取る。
すると、仕事や家庭で色々と悩みを抱えているようだった。
「連れていくから、渓流いきましょ!」
そう言って誘い、何キロも離れた彼の自宅へと向かった。
仲間が悩んでいるなら、力になりたい。
力になれないのなら、少しでも忘れさせる時間をあげたい。
この一心だった。
1時間近く車を走らせたのだが、ナント山の麓!!
最初から目的地を間違えていたようだ。
それも当たり前だ。
ナビで適当に川の始まり辺りの道を示したら、着いてしまったのだ。
思わず二人とも笑ってしまった。
ここから更に1時間走る。
もう、何処へ行って良いのやら分からない。
4時に集合して、釣りを始めたのは7時半。
遠回り。
でも、これがいつもの私達。
早速滝へ立ち向かう。
しかし、反応が薄い。
やっと手にしたヤマメに笑みを浮かべる。
私の魚はイワナ。
しかし、反応が殆んど無い。
仕方なく、さ迷う事1時。
もう、残り少ない時間をこの川と決めた。
登り始めて数分。
衝撃が走った。
日頃の鬱憤を張らしてくれる良型のイワナ。
35センチ。
素晴らしい!
丸々太った体は、夏に近付いていた。
嬉しそうな表情に、こちらまで嬉しくなる。
楽しそうに釣りをする釣友。
新緑に癒されつつ川を上る。
とあるポイントで、釣友がルアーを投げ入れた。
しかし、反応が薄い。
今度はと私が誘うと、大きな影が。
「狙って良いですか?」
との問いに、
「良いよ。俺は釣ったし。」
との回答。
どうやら満たされたようだ。
完全にスイッチを入れさせ、興奮状態で口にルアーを入れた。
「うぉ~雄だ!」
そう言って喜んでくれた。
そして、写真を撮ってくれる。
なんと良い仲間なのだろう。
お互いの釣果を心から喜び合える仲間はそんなに居ない。
「今日、誘って良かった。」
心からそう思えた。
「釣れて良かったス~ ブハ~」
と一服。
彼にとっても至福の時だったようた。
二人にとって魚は日常を生きるための活力源。
大切な存在なのだ。
そして、仲間はそれを助長する存在。
それに行くことを家族は許してくれる。
ありがたい。
私は幸せだ。