乱文です笑

 

 

ガンバユース出身の若手選手がトップチームで活躍することが少なくなってしまったことについて思うことを書きます。今回は前回の動画の続きでU23の影響についてです。トップチームの低迷の理由にも触れようと思います。

ガンバ大阪U23は若手選手の育成、成長のため、実戦の機会を増やすことを目的に2016年に創設されました。ガンバユース出身の選手はもちろん、それまでガンバではあまり獲得してこなかった、国内高校部活のチームからも新卒の選手を獲得し、チームを構成しました。

ガンバ大阪U23の創設時、僕はとてもこのチームに期待していましたし、クラブが若手、生え抜き選手の育成に力をかけてくれていることをとても嬉しく思っていました。スタジアムに足を運び、現地で選手を見たり、2017年からはDAZNでJ3リーグの放送が始まったりしたので、それを見て未来のガンバのトップチームで主力になってくれるであろう選手達の成長を自分の夢と重ね、見守っていました。高卒1年目の選手が屈強なJ3の選手と対等以上に渡り合う試合も多くありました。

ところが、結果的にですが、2022シーズン現在で「ガンバ大阪U23で経験を積んでトップチームに定着した」と言える選手は数少ないです。

2014~2020に加入した新卒選手は延べ33人ですが、2022現在でガンバに所属している、残っている選手は6人です。大卒選手も加えましたが、加入時点で22才であり、「U23で育成」というのにはあまり馴染まないと思います。「高卒で純粋にU23の恩恵を受けて現在ガンバでレギュラークラス」の選手は食野選手だけ、「同じくサブメンバー」は福田選手と奥野選手の2人ということになります。

比較できるほどの他のチームのデータ等を把握していないので、客観的にはいいとも悪いともわかりません。ただガンバでの活躍が叶わず、去ることになってしまった選手がたくさんいるのだなあということと、期待していたほど、トップチームで活躍できる選手はいないという印象です。

せっかくなので、その選手たちについて思うことをちょっと書きます。少し上から目線に感じるかもしれませんがご了承ください。

ガンバが「U23ありきの選手獲得」を意識しだしたのは2015頃からだと思います。高卒でガンバに入る選手達はほぼ年代別代表の経験があることが条件です。
正直に言って、妹尾選手、嫁阪選手、平尾選手は、U23がなければトップチームへの昇格は厳しかったのではとも思います。18歳の選手には大学進学を含め、様々な人生の選択肢があります。プロを選んだ3人が後悔しない人生を歩んでいることを願っています。

2016年はガンバ大阪U23を語るうえで、最も重要な世代です。この世代のユースはJrユース時に国内三冠などの実績を持ち、「ガンバユース黄金世代」と言われていました。ガンバ大阪U23発足の目的は、この世代の育成にあったといっても過言ではないと思います。ところが、残念ながらこの世代の選手たちは、ガンバ以外でプロになった選手もいるのですが、現在ガンバはおろかJ1で活躍している選手もほとんどいません。僕もこの世代にとても注目、期待していただけに残念に思います。

今世間の注目を集める堂安選手は一学年下で、飛び級での昇格でした。U23チームでも才能の片鱗を存分に発揮していましたが、トップチームでは大きな結果を残す前に、海外移籍となりました。

2017、2018の学校の部活出身の選手たちは、複数チームが競合するほどの注目選手はおらず、可能性のある選手を鍛え上げようという意図を感じました。ガンバでの活躍は叶いませんでしたが、現在J2では十分に活躍している選手も多いです。

芝本選手はU23に飛び級で出場することも多く、正確なキックとテクニックが持ち味の、ガンバユース育ちらしいCMFの選手で、期待していましたが、フィジカル面に苦しみ、先日現所属チームとガンバから今期限りの契約満了を言い渡されました。まだ若いですし、ガンバってほしいです。

中村選手は高校2年生時点で複数の強豪チームが獲得競合する、高校年代の大物選手でした。堂安選手と同じく、U23チームでも才能の片鱗を発揮していましたが、トップチームでは大きな結果を残す前に、海外移籍となりました。

 

では話を戻して、2022シーズン現在で「ガンバ大阪U23で経験を積んでトップチームに定着した」と言える選手がほとんどいない理由について考えたことを3つ書こうと思います。

①本当に有望な選手は、トップチームで活躍する前に海外に移籍してしまうということです。堂安選手や中村選手はもちろん食野選手も海外を経験しています。海外のチームへの移籍が多くの若手選手の夢や目標である以上、ガンバとしてはそれを完全に妨げるのは難しいです。ただ移籍金等の条件面についてはガンバも見直していく必要があると思います。

②練習における誤算です。当初は「普段トップチームの選手と共に、レベルの高い環境で練習し、週末に実戦で経験を積む」ということが想定されていました。ところが実質2チーム分の人数を抱えることから、人数が多すぎて物理的に全員で練習することができなくなり、2017からトップチームとU23チームを分けて練習することになってしまいました。これではU23の選手はレベルの高い練習をできません。

③練習を分けたことが選手のモチベーションに影響したということです。U23に関する情報は少ないのですが、その中で「2019~2020年に監督を務めた森下監督のおかげで、モチベーションが上がり頑張れた」という趣旨の選手インタビューが多くありました。記事内では好意的なこととして書かれていましたが、僕は違和感を感じました。なぜなら、逆に言うと、プロ選手になるという大きな夢を実現するほどの才能を持ち、並々ならぬ努力をしてきたであろう選手達が、まだ何も成し遂げていない10代でモチベーションを失っているといえるからです。それだけ練習環境がよくなかったのだろうと思います。ましてや「遠藤選手などの一流選手と一緒に練習ができる」と思って入団してきているのだから、尚更です。
 

この3つがU23の選手たちが期待ほどの結果を出せなかった理由だと思います。

さらにこのことが、トップチームの練習にも影響したと考えます。トップチームの練習でも、当然にいるはずの若い選手がおらず、本来どのチームにもあるような若手の突き上げや新しい刺激が感じられないため、練習の質が下がってしまったのではないかと推察しています。これが、トップチームの低迷、より言うとガンバにおいて選手の新陳代謝がないことが、常態化してしまった理由につながっていると思います。

繰り返しになりますが、僕は当初のU23チームをすごく前向きなよい取り組みだととらえ、応援していました。しかし2022年現在で振り返ってまとめてみると、問題点も多くあったと思います。


最後に少しだけ前向きなことを2つ話します。

①湘南にレンタル移籍中の谷選手がこのオフにガンバに復帰する可能性が報道されていることです。谷選手はU23出身選手の中でJリーグで最も成功している選手です。現正GKの東口選手もとてもいい選手なので複雑ですが、谷選手の動向に注目しています。
 

②高選手がJ1に帰ってくるということです。高選手は完全移籍で新潟に移籍後、主力として新潟のJ1昇格に貢献し、J2ベストイレブンに輝きました。谷選手に次いでU23出身選手の中でJリーグで成功している選手と言えます。高選手のプレイをJ1で見れることを楽しみにしています。

少ない情報の中ですが、若手、ユース選手の育成に注目して、ガンバ低迷の理由と絡めて話しました。