北海道第一ホテルサッポロ での海鮮朝食
札幌雪まつりの合間に、北海道立近代美術館 に寄りました。
2022年12月以来、2回目の訪問。
雪まつりと違って、こちらはガラガラ
ヘラクレスをモチーフにした エミール・アントワーヌ・ブールデル 《力》
特別展【AINU ART―モレウのうた】が開催されていました。
~アイヌ文様の特徴のひとつであるモレウ(渦巻き文様、カラフトではオシカリカリヘコンパ)をキーワードにして、現代のアイヌアートとともに、先人たちが遺した木彫品や衣服を概観し、多様性とデザイン性に富んだ造形力に注目します。古きものに新しさを発見すると同時に、現代の作品の中にも伝統が息づいていることがわかるでしょう。
本展では、小笠原小夜(イラストレーション)、貝澤幸司(木彫)、貝澤徹(木彫)、川村則子(布アート)、下倉洋之(金工)、関根真紀(デザイン)、西田香代子(刺繍)、藤戸康平(ミクストメディア)、藤戸幸夫(木彫)、結城幸司(版画、映像)の近作、新作約100点によりアイヌアートの今を見つめます。また国立アイヌ民族博物館、アイヌ民族文化財団などが所蔵する19世紀から20世紀のアイヌコレクションを展覧します。~
2022年12月にここで【砂澤ビッキ展】を観覧して以来、アイヌアートに関心を持つようになったので、この展覧会にも興味を惹かれました。
アイヌ独特の「ぐるぐる文様」を切り口として、10人の現代アーティストの作品が出展されています。ビッキ作品にも「ぐるぐる文様」を多数見ることができますが、今回のアーティスト達の作品はビッキよりも洗練された形に進化しているように感じました。ビッキの民族の血・魂を剝き出しにしたような骨太な作品は大好きですが、進化系も新鮮で、悪くありません。10人の中にビッキの弟子はいないし、分野も様々ですが、ビッキにアドバイスを貰ったり、リスペクトを表明するアーティストもいて、ビッキの魂は確実に伝承されていると感じました。
殆どの作品は撮影不可ですが、各アーティストにつき1点だけ許可されています。
以下、その写真を掲載していきますが、美術館制作の紹介動画の方が概要をよく把握できると思います。
以下、会場せ撮影した写真+パンフレットからの複写です。
①西田香代子(刺繍)
対称性・規則性からイスラムの装飾文様を連想しましたが、「ぐるぐる」をはじめとする曲線や柔らかさはアイヌや縄文の特徴でしょう
《タペストリー》
②下倉洋之(金工)
《湧水》
③川村則子(布アート)
芸術家の道を進むか迷っていた時、ビッキに後押しされたとのこと
《カムイミンタラ》
④小笠原小夜(イラストレーション)
⑤貝澤幸司(木彫)
《魚・いってぇー》
⑥貝澤徹(木彫)
以前はお土産品の木彫り(中でも、コロポックル)を沢山彫っていたとか
《イタ》
⑦藤戸康平(ミクストメディア)
《ぐるぐるモレウ》
⑧結城幸司(版画、映像)
《yuk まなざし》
⑨関根真紀(デザイン)
《ステンドキルト風アイヌ紋様タペストリー》
⑩藤戸幸夫(木彫)
ビッキの文様に衝撃を受けたと語っているだけあって、本展の10人のアーティストの中で最もビッキの影響を感じる作品群だった
《マキリ》 ↑手に取って、触感を楽しむこともできる展示
初めて知る10人のアーティストでしたが、ユニークで独創的で多様な作品群は新鮮味があって、退屈することはありませんでした。そして、アイヌの伝統が現代アートにしっかり継承されていることを実感しました。
雪まつりも楽しいですが、こちらは空いているのでノーストレスで観覧できるし、館内も暖かく快適。作品の質も素晴らしい。こちらに寄ったのは大正解でした。
今回、札幌滞在は26時間程でしたが、充実した時間を過ごすことができまました。