1/7(日)、新大阪駅 6:25発の新幹線さくらに乗車して、一路博多へ。

博多駅で下車し、地下鉄に乗り換え大濠公園駅へ。公園内を歩いて 9:40頃に 福岡市美術館 に到着しました。約1ヶ月半ぶり、通算3回目。

インカ・ショニバレCBE《ウィンド・スカルプチャー(SG)II》と福岡市美術館

(↓ 昨年11/23に訪れた時の写真)

 

今回の旅行の主目的の一つが、ここで開催されている『永遠の都ローマ展』観覧でした。昨秋の都美術館での観覧料が2,200円とお高かったので、前売り1,600円の福岡で観覧することしました♪

 

ホントは↑にもプリントされている カラヴァッジョ を観るため。

東京では出展されず、福岡の目玉作品としての出展になっています。

 

~栄えある歴史と比類なき文化を誇る永遠の都ローマ。カピトリーノ美術館の所蔵品を中心とする約70点の作品を通して、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、2000年の歴史と芸術を紹介します。~美術館公式サイトより

 

私は通算で5回ローマを訪れていますが、カピトリーノ美術館 には寄ったことがありません。何となく、スケジュールから抜け落ちてしまったという感じですかね。

次回ローマ訪問時は必ず立ち寄るつもりですが、もういつ死んでも不思議ではない年齢なので、ローマを再訪できる保証はありません。ローマに比べれば福岡は近いので取りあえず観ておこうと、今回やってきた次第です。

福岡は観覧料が東京と比べると安い上に、殆どの作品の撮影もOKと良心的。

東京を回避し、福岡で観てよかった♪

 

早速、お目当ての ラヴァッジョ《洗礼者聖ヨハネ》から。

初見でしたが、評判通りの名画でした。


カラヴァッジョ十八番の光の明暗は勿論のこと、白い肌に赤みがさした頬や青い血管の描写が見事。表情・ポーズも絶妙で、美しいヨハネです。キリストのような聖性も感じます。言葉での表現が難しい圧倒的なプレゼンス、オーラを感じます。
カラヴァッジョは聖ヨハネの絵(首も含めて)を何枚も描いていますが、最も生気に満ちた若々しいヨハネでしょう。カラヴァッジョによる光の明暗を駆使した作品は緊張感に満ちた劇的な場面(怖い場面)が多いですが、本作からは緊張感ではなく神々しさを感じます。

 

ボルゲーゼ美術館 所蔵の同題作品《洗礼者聖ヨハネ》(2019年に名古屋で開催された『カラヴァッジョ展』で来日)は、カラヴァッジョが亡くなった時の遺品の一枚であったそうで、肉体は弛緩し、覇気のない姿で描かれています。

[2019年  ナポリのカポディモンテ美術館で撮影]

 

《洗礼者ヨハネの首を持つサロメ》 (ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)

[2019年  ナポリのカポディモンテ美術館で撮影]

 

《洗礼者ヨハネの首を持つサロメ》 (マドリード王宮所蔵)

[2019年  ナポリのカポディモンテ美術館で撮影]

 

↑の カポディモンテ美術館 で撮影した作品は、カラヴァッジョがナポリ滞在時に制作したと考えられる作品です(そのような展覧会だった)。カラヴァッジョは1606年にローマで殺人を犯した後、マルタまで逃亡しました。その途上(往復)、ナポリに滞在した時期がありました(1607年頃と1610年頃)。そして、ナポリを出発してローマへ戻る途上の1610年に39歳で病没(熱病とか鉛中毒とされている)しました。

つまり、ナポリ時代はカラヴァッジョの晩年ということになります。

地下にある暗い展示室で開催されていた。ガラガラで最高だった ニヤリ

 

↓カラヴァッジョの遺作

《聖ウルスラの殉教》 (ゼヴァロス・スティリアーノ宮所蔵)

[2019年  ナポリのカポディモンテ美術館で撮影]

 

一方、今回出展された《洗礼者聖ヨハネ》は、カラヴァッジョの全盛時代(ローマ時代後期の1602年)に制作されました。元気いっぱい(あり過ぎた)だった頃で、絵からも生気を感じます。

本作はカラヴァッジョ作品の中では代表作に挙げられることは少ないと思うのですが(他に名作が沢山あるので)、間違いなく傑作であると確信しました。
丸紅ギャラリーでボッティチェリ一点だけの展覧会がありましたが、この
カラヴァッジョ《洗礼者聖ヨハネ》一点だけの展覧会でも十分でしょう。
絵を独り占めできる時間もあったし、福岡まで遠征した甲斐がありました♪


 

本展、カラヴァッジョ以外の絵画作品は少し手薄だった印象はありますが、数点ピックアップしておきます。

 

グエルチーノ《洗礼者聖ヨハネ》

 

カラヴァッジョ派の画家(17世紀前半)《メロンを持つ若者》

 

アンニバレ・カラッチ《悔悛の聖フランチェスコ》

 

ティントレット《キリストの鞭打ち》

 

グイド・レーニ《ルクレツィア》

↓国立西洋美術館にある グイド・レーニ《ルクレツィア》

[本展では展示されていない]

 

↓私が一番好きな レンブラント《ルクレツィア》

[本展では展示されていない]

 

次稿では絵画以外の作品を取り上げます ニコニコ

 

 

ローマのストリートから世界的人気のロックバンドに成り上がったマネスキン♪