1/19(金)、上野の 鈴本演芸場 で正月二之席9日目 昼の部 を見て来ました。

 

 

 

トリは 春風亭一之輔 で、アイドル的な存在の 蝶花楼桃花(四十路だけど)、実力者の  桃月庵白酒柳家三三 も上がるということで、平日昼にもかかわらず満員札止めとなりました。チャラいイメージでしたが、最近貫禄が出て来た 林家正蔵 も。

正月二之席はメンツがいいので、毎年のように来るのですが、満員札止めは過去に記憶がありません。やはり、一之輔が「笑点」レギュラーになって以来、客が増えているのを実感します。だから、やめて欲しかったなんだよな・・・

その一之輔は「短命」をやってくれました。たいして面白い噺ではないのだけれど、それでも十分に笑わせてくれる一之輔は流石。当代一でしょうね。

まくらでは満員の席を見渡して「有給で来ている人も多いんでしょうね。オレ達には有給はない! 有給なんて詐欺みたいなもんだ!」と笑いをとっていました。客の殆ど(7割ぐらい?)は有給なんて関係ない爺さんでしたけどね。

 

「お笑い」関係ということで、前稿に続いて松本人志。

↓の記事を読んで思ったことです。

 

私は茂木健一郎の「オワコン」という意見に賛成です。

松本は自らの芸で笑わない人を「笑いのセンスがない」と斬っていたらしいですが、それは違うだろうと思います。

例えば、公立中学校の教室で偏差値40程度の男子生徒が集まってバカ笑いしているのを偏差値70の生徒が見て「くだらない」と言ったところ、偏差値40の生徒が「オレ達の笑いがわからないのは笑いのセンスがないからだ、ヒャッハッー」と笑っているようなものではないでしょうか。偏差値40と70の生徒では興味の対象も違うでしょう。大人の世界で言えば、偏差値40と70では興味の対象だけではなく、大抵は住んでいる世界も違います。「笑いのセンス」ではなく、「知能レベル」の問題だと思うな。

松本人志が何故、人気があるか? それは、松本と同レベルの知能の人間が多いから。だって、国民の半分は偏差値50以下だから。橘玲が著書でも書いていますが、実は日本語を正しく読めないレベルの日本人は沢山います(それでも、欧米よりはマシというのに驚愕しますが)。中学時代を思い出すと、国語のテストでまともな点を取れない生徒が多かったし、私は事実であると思います。

 

松本人志は恐らく、中学生レベルの漢字も書けないレベル。数的思考力も小学校3~4年生レベルでしょうね。パソコンを使った基本的な仕事もできそうにはないな。

私はマジで、芸人同士の内輪話なんて何が面白いのか?と思いますよ。偏差値40程度の奴らの内輪話なんて、くだらねぇとしか思いません。

 

 

タップリと”毒”を吐いたので(笑)、高尚な芸術の話題に移ります

寄席の後は、国立西洋美術館 で開催中の『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』を観覧。

 

キュビズムの黎明期から、その後の発展をピカソやブラック作品を中心に辿る展覧会。予想以上の混雑で強いストレスを感じながらの鑑賞となりました。鈴本演芸場と違って、客層は若かったですが。

14章から成る構成で、見応えは十分。作品の多くはパリのポンピドゥーセンターから来ているので、質も高い。詳細に書くと大変なので、惹かれた作品をピックアップして掲載しておきます。

 

キュビズムに影響を与えたアフリカ彫刻

 

《バンバラの小像》(マリ)    《ヨンベあるいはウォヨの呪物》(コンゴ)

 

 

セザンヌに傾倒していた頃のブラックの初期作品。キュビズム黎明期

ジョルジュ・ブラック《レスタックの高架橋》

 

 

キュビズム初期の多視点・多面構成だけでなく、パリの街・エッフェル塔・三美神といった時空を超えた事物を色彩と共にキャンバスに再構成した大作

ロベール・ドローネー《パリ市》

 

ダンスフロアーを描いたもの

この美術展でのドローネー夫妻作品の存在感は大きかった

ソニア・ドローネー《バル・ビュリエ》

 

画面上部・下部の色彩はドロネーそのもの

マルク・シャガール《婚礼》

 

 

鋭角的な線と色彩で理知的に計算され、洗練されたグリスらしい作品

ファン・グリス《椅子の上の静物》

 

 

試行錯誤の後のピカソ・キュビズムの完成形に近いのでは?と思われる作品

パブロ・ピカソ《輪を持つ少女》

 

 

展覧会掉尾を飾る作品。私にはキュビズムの一応の到達点に感じた

フェルナン・レジェ《タグボートの甲板》

 

観覧料 2,200円の価値はあったと思います。

更に回収するべく、常設展示室へ。約1年ぶりに来ました。

 

今回はスペイン画家二人をピックアップ。

まずは フランシスコ・スルバラン

《 聖ドミニクス》

 

この作品を観るといつも、マドリッドの 王立サン・フェルナンド美術アカデミー で観覧した 白い修道士4連作 を思い出します。聖なる純白の修道服に身を包む修道士達の静かな立ち姿を見ると、私の背もピンと伸びて姿勢が改まった記憶があります。

スルバランの真骨頂!

 

 

 

 

《聖ドミニクス》は黒が印象的です。こちらの黒にも純粋さを感じます。

視線を上に向けた法悦の表情と傍らのワンちゃんからも神への敬虔な想いが伝わってくるように思います。でも、やっぱり、白い修道士4連作 の方がインパクトがありました。スルバラン作品では エルミタージュ美術館 で観た↓も素晴らしかった!

《聖母マリアの少女時代》

 

今回取り上げた 黒・白・赤の競演は実現不可能でしょうが、観てみたいものです。

 

 

もう一人は ホアキン・ソローリャ

19世紀に活躍したスペインの国民画家。その新規収蔵品が展示されていました。

 

スペインで発行された記念切手のデザインにもなったという代表作とのこと。

よく入手できたなあ。国立西洋、GJ!

壺から水を飲む愛らしい幼児の姿。夏のバレンシアの光景。

ソローリャは、明るく色鮮やかな陽光や水が特徴的で、王立サン・フェルナンド美術アカデミー では↓の作品を観ました。

 

プラド美術館 では↓を観ました。

 

日本では長崎県美術館が数点所蔵していて、いつか観に行こうと思っています。

以下、長崎県美術館による紹介文です。

 

~19世紀スペイン絵画をとりわけ風景画で代表する画家。

陽光溢れる浜辺の風景や人物、そしてスペイン各地方の風俗を、素早い筆致と明るく豊かな色彩で描き出し、ルミニスモ(光彩主義)とも呼ばれる独自の表現法を確立した。彼の作品はスペインのみならずヨーロッパ各国や南北アメリカ両大陸においても高い人気を博した。~

 

今回、国立西洋が購入した作品もソローリャの特徴がよく現れている優品であると思います。じっくりと鑑賞させてもらいました。

 

閉館時間の20時まで滞在。

昼から20時まで、上野で一日遊ばせてもらいました♪