25日(水)、美術展を二つハシゴして来ました。

 

①【《THE MIRROR》オープニング展覧会

   『アニッシュ・カプーア in 松川ボックス』】

最初は、国立新美術館「テート美術館展」に出展された彫刻《イシーの光》も印象的だった アニッシュ・カプーア の作品が3点展示されている 松川ボックス 

 

私は建築に疎いので知りませんでしたが、松川ボックスは建築家の 宮脇檀 の作品であり、1971年に竣工し、1979年には建築学会作品賞を 安藤忠雄《住吉の長屋》と同時に受賞した名建築とのことです。
コンクリート製のボックス内部に木組の住宅を嵌め込んで造られたもので、これまで一般公開されることはなかったそうです。

 

 

その名建築の中に新たな アートギャラリー『THE MIRROR』がオープンし、アニッシュ・カプーア展 が皮切りとして開催されています。
開廊時間は水曜日、木曜日、金曜日の午後1時~5時で、1時間毎の入れ替え。1回の入場者は10人までの完全予約制。私が入廊した回の客は、私を含めて5名でした。
カプーア作品はアーティスト保有の絵画2点+借りてきた彫刻1点(彫刻の展示は11月24日(金)まで)。

吹き抜けのメイン空間。左手が和室で彫刻作品がある(撮影不可)

 


カプーアの絵画作品は初見でした。公式サイトでは「人間の魂を揺さぶる絵画」と表現されています。正直、これまでに観た彫刻作品ほどのインパクトや面白さは感じませんでした。しかし、後述するように、サイトの言葉には深遠な意味があるのかもしれません。カプーアに対しては油断禁物ですからね。

 

彫刻作品《WHITEOUTシリーズ》は和室中央に置かれています。初見の作品でした。カプーアらしい湾曲した形状で、小ぶりな作品。ステンレス鋼板製と思われ、接近すると像が歪んで写ります。カプーアの彫刻作品には、光を吸収し、鑑賞者を内部空間に引き込むような錯覚を覚えさせるタイプがあります。しかしこれは逆に、中には寄せ付けず、光を外へ弾くような物体です。公式サイトによれば「瞑想の空間を作り出す彫刻」とのことで、青い襖と光を抑制した和室の中で、独特の空間を創出しています。

 

2Fへ

 

 

 

こちらの絵は白髪一雄作品のようなタッチ。

フットペインティングではありませんが。

金沢21世紀美術館 にカプーアの印象的な作品があります。 

タイトルは《L’Origine du monde(世界の起源)》

オルセー美術館所蔵 の ギュスターブ・クールベ の有名作品からの引用です。


そのクールベの作品と笑撃的なパフォーマンスは↓

良い子は真似しちゃダメだよ てへぺろ

 

つまりですね、この松川ボックスの2F部屋に展示されている絵画も同類なのではないか?という疑惑を抱いたのですよ、私は(笑) どこにも何も書いていなし、絵画のタイトルも無いなので確証はありませんが、A・カプーアには上記の前科がありますからね。私は疑り深いんですよ ニヤリ

そのように考えると公式サイトに書かれている「人間の魂を揺さぶる絵画」という表現は意味深だわ(笑)

 

ちなみに、オルセーでパフォーマンスしたお姉さんは常習犯で、以降もパフォーマンスを繰り返しているようです。金沢や松川ボックスにも現れるかも(笑)

 

デボラ、日本で待ってるよ♪

 

 

今回、カプーアの展示作品は作品はこれら3点だけなので千円は高いような気もしますが、名建築として知られているハコなので、高くはないのでしょう。
私以外の4名の客はカプーア作品ではなく、建築が目当てのようでした。
カプーア作品が目当てならば11/24までに行かれることをオススメします。彫刻作品が無くなると、かなり寂しいです。

2Fの室内にカプーアに関する書籍が置かれていて見たのですが、シカゴにある

《Cloud Gate》はいつか見物したいと強く思いました。

 

 

②【「秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開
     ―永青文庫の絵巻コレクション―」】

 

松川ボックス を後にし、早稲田大学のキャンパスを突っ切り、大隈庭園を周り込んでリ-ガロイヤルホテル東京の方へ。

昔の早大と比べると、女学生・外国人留学生が激増した様子

OBの岸田首相をディスる立て看板もあったけど、軍拡反対の左翼系

岸田は右からも左からも嫌われているけど、老人&医師会利権には手をつけないので、選挙での大敗はないだろう

 

リ-ガロイヤルホテルの前を左折し、神田川を越え、急坂を登った所にあるのが永青文庫&細川庭園

 

展覧会の前に、庭園(無料)を軽く散策。

 

 

 

 

                  

 

~「長谷雄草紙」(鎌倉~南北朝時代、13~14世紀)は平安時代の漢学者・紀長谷雄)にまつわる怪異な説話を題材にした絵巻。江戸時代に徳川将軍家の宝物として秘蔵されていた一巻で、幕末維新期の混乱により長らく所在不明でしたが、昭和に入り、永青文庫の設立者・細川護立の所蔵となりました。

この絵巻に描かれているのは、長谷雄と朱雀門の鬼との双六争い。見事勝利した長谷雄は美女を得ますが、鬼との約束を破って100日を待たずに美女に触れると、たちまち水となって流れ消えてしまうというストーリーです。双六の賽を振る音が線で表されるなど、今日のアニメや漫画に通じる表現も見受けられます。物語はわずか5段と短く、内容も明快で、室町時代以降の短編小説「お伽草子」の源流を示す貴重な作例とされています。~


東博の『やまと絵展』に合せて開催されていると思しき展覧会。

『やまと絵展』で展示されていても不思議ではない、貴重な絵巻です。

美術ファンの間でも、まだ浸透していないのか、空いていて、快適に鑑賞できました。『やまと絵展』の絵巻は相当なストレスの中で鑑賞せざるをえない状況ですが、こちらはストレスフリーで、思う存分眺めることができます♪

 

[画像は公式サイトから拝借]

↑長谷雄と鬼が双六で勝負! 形成不利の鬼の顔が紅潮

↓美女が水になって庭へ流れていく。長谷雄、我慢できなかったのね・・・

 

保存状態も良く、説明書きも的確なので、堪能できました♪


 

~他にも永青文庫には、かつて熊本藩士の大矢野家に伝来した国宝「蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)の模本など様々な絵巻が伝わっています。本展では、これまであまり公開の機会がなかった絵巻コレクションを通して、横長の画面に繰り広げられる物語の世界をたっぷりとご紹介します。~

 

主に江戸時代に作られた模本ですが、『信貴山縁起絵巻』『蒙古襲来絵詞』『後三年合戦絵巻』『十二類絵巻』『四十二のものあらそひ』『いはや物語』『申陽洞記絵巻』『秋夜長物語絵巻』『絵入 伊勢物語』『絵入 太平記』『絵入 平家物語』といった絵巻も展示されています。模本なので、色鮮やか。これらも興味深く、鑑賞しました。

『信貴山縁起絵巻』『後三年合戦絵巻』は『やまと絵展』でも出展されているので、比較するのも有意義です。特に、『後三年合戦絵巻』は原本から失われた場面(後三年合戦の端緒になった場面)が模本には描かれています。模写した絵師が、推測しながら構成したようです。


『蒙古襲来絵詞』 [画像は公式サイトから拝借]

 

『秋夜長物語絵巻』 [画像は公式サイトから拝借]

 

↓に精細な画像が沢山掲載されています

 

 

帰途、新宿の京王百貨店にある日光豆腐の店『吉座』で夕食♪

クリエイトレストランツの株主優待券利用 チョキ

日光豆冨の湯豆腐

 

くみ上げ湯葉

 

水菜と油揚げのお浸し  ひじきの白和え  豆冨田楽二種(柚子味噌/桜味噌)
日光ゆばと鮪のお刺身  黒むつの西京焼き  舞茸とえのきの天ぷら
栗ご飯  豆冨の味噌汁  香の物