Departed


評価: ★★★★  ⇒公式サイト


本作は香港映画『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイクです。監督はM・スコセッシ。
マフィア側に内通している刑事(M・デイモン)、逆にマフィア側に潜入している刑事(R・ディカプリオ)を軸に、お互いの側で”ネズミ”を見つけ出そうとする緊迫したストーリが展開していきます。『インファナル・アフェア』は未見ですが、良くできた脚本で、面白いストーリです。サプライズはなかったですけどね。


観る前は、ディカプリオが主役の一人という点が最大のネガティブ要素だったのですが好演でした。正体がバレて殺されるのではという恐怖感にかられながらも職務を遂行する若い刑事を個性的に演じていました。デイモンよりも光っているように見える位でした。『タイタニック』や『クイック&デッド』のイメージが強かったレオ様ですが、認識を改めなければイカンかなと思いました。
デイモンも悪くはないのですが、所謂”キャラ立ち”が少々物足りなかったかな。
マフィアのボス役のJ・ニコルソンは流石です。残忍&凶暴&大胆不敵&不潔&下品なボスを貫禄十分に演じていて存在感は抜群でした。


それから、冒頭に流れる Rolling Stones の Gimme Shelter も嵐のようなストーリ展開を予感させ、効果的でした。Stones ファンの私にとっては、まさに 「つかみはOK!」 でした。

また、後半に流れる Comfortably Numb は意外な選曲ですが、なかなか良かったです。

※Comfortably Numb(麻痺した心地よい状態) は Roger Waters 在籍時の Pink Floyd の曲です。

  ドラッグでトランス状態になっている患者が医者に症状を語る内容の曲です。

  映画で使われていたのは、Floyd 版ではなく、リンクした動画の Van Morrison バージョンと思われます。

  患者のパートをVan Morrison 、医者のパートを Roger Waters が歌っていますね。

  Floyd のコンサートでも演奏される曲ですが、元は Floyd から脱退した Roger Waters の曲です。(複雑だなあ)


オリジナルは香港マフィアの物語ですが、ボストンのアイルランド系マフィアに設定した本作に違和感はありませんでした。日本のヤクザの”義理人情”やイタリアンマフィアの”ファミリー愛”のような情が殆どない”乾いて””残忍な”アイルランド系マフィア対お上品でない刑事達の設定は、このストーリには合っています。
全般的に緊張感があり、役者も好演している”傑作”だと思います。今度、オリジナルも観て、比較してみます。