オーバーツーリズム | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 春節を控えて多くの外国人観光客が訪れることが予想されていますが、すでに観光地周辺はオーバーツーリズムの様相を呈しています。

 函館本線の小樽~長万部間(通称山線)は通常ならば小樽~余市間を除いて乗客も少ないローカル線です。私も室蘭にいたころは、青春18きっぷを持って何度か利用しました。現在は朝夕夜のみ小樽~倶知安間に3両編成のキハ201系気動車が運行していますが、日中はH100形気動車が1~2両編成でワンマン運転をしています。ちなみにこのH100形気動車が一番最初に導入されたのはこちらの山線で(2020年3月ダイヤ改正から)、私は青春18きっぷを握りしめて、室蘭から乗りに行きました。引っ越し準備の最中だというのに。



 そんな山線ですが、近年はちょっと様相が変わってきているようです。その大きな要因は、インバウンド観光客の増加です。沿線にはニセコ地区があり、特に冬季にはインバウンド観光客が多数訪れていることから、H100形気動車の2両編成では乗り切れないほどの混雑が常態化しているとか。時には乗客の積み残しもあるそうです。

 そんな事態を解決するため、今月から日中の小樽~倶知安間にも3両編成のキハ201系気動車が投入されました。これにより乗車定員が増え、積み残しの心配は減ったようです。特に倶知安駅を11時46分に出発する小樽行は、ホテルのチェックアウト客が集中するようで、倶知安駅から200名近くが乗車することもあるようです。皆さん、大きな荷物も持っていますし、途中駅(特に余市)から乗車するお客さんもいますから、H100形気動車2両では積み残しがあっても不思議はありません。

 実は私、昨年12月に、まさにこの列車に積み残されるところでした。塩谷にある徳源寺と明治宮鹽谷神社に行き、帰りはこの列車に乗ろうとしたのです。ところが車内はぎゅうぎゅう詰め。塩谷から乗車するのは2人だったので、無理やり入り込みました。小樽までは一駅ですからなんとか耐えましたが、なぜこんなに山線が混んでいるのかと、不思議に思ったほどです。時代はあの頃と変わったのですね。

 私の住む町・美瑛町でもオーバーツーリズムの問題は起こっています。美瑛町は丘の景観の美しさが人気となり、外国からも多くの観光客が訪れています。丘の景観を作り出しているのpは大半が農地なのですが、景観を楽しむために農地に入り込んでくる人が後を絶ちません。農地に勝手に入られると、時には病原菌を持ち込むことになり、農作物は大きな打撃を受けることがあります。何か国語で書かれた看板を設置しても、農地への侵入者はなくならないようで、地元農家との間で軋轢を生んでいます。

 町内の一部飲食店には常時長蛇の列ができ、それまでは町民が主に利用していた店も、いまではもう入ることができません。レンタカーを運転するインバウンド観光客も少なくありませんが、不慣れなゆえか交通標識を見落としたり理解しなかったりで起こされる事故も増えています。私も一時停止で止まらずに一気に駆け抜けるレンタカーにヒヤリとさせられたことがあります。

 多くのインバウンド観光客が来てくれることはいいことなんですよ。町の経済は潤うし、それはきっとインバウンド相手の商売をしているわけでもない私たち町民にとってもいいことなのだろうと思います。直接的なメリットは何も感じないけど。でも、そのために暮らしづらくなっている側面があることも紛れもない事実なんです。