よく年寄りが頭の上にメガネをずらしたままメガネを探すというギャグを昔の漫才では見たりしましたが……あれがギャグではなく現実世界で起きてしまうというのが、悲しい年寄りの性です。
私も若い頃はそんなことが自分の身に起こるはずがないと思っていましたが、いやいやどうして、いまでは日常生活においてメガネを探すという時間が徐々に増えてきています。その都度、苦笑いを禁じえません。
たしかにいろいろな場面で忘れっぽくなってきました。そのためメガネをどこに置いたか忘れてしまうのもたしかです。
ただメガネについていえば、置いた場所を忘れるということ以外にも原因があることに気づきました。
そもそも、若い頃はメガネを置きませんでした。近視と乱視の入っているメガネをかけていた私は、メガネをかけていなければ生活できませんでした。ですからメガネを外すときといえば、寝るときと風呂に入るときと顔を洗う時くらいのものでした。
ところがいまは、ここに老眼という厄介者が加わっています。そのため遠近両用のメガネをかけているものの、読書やパソコン、スマホを使う時などはメガネを外した方が楽に見えるのです。
ですから1日に何度もメガネをつけたり外したりします。家の中を歩くときは面倒だからとメガネを外したままウロウロすることもあります。
気がつくと、メガネが行方不明になっています。
それを防ぐためにはメガネを頭の上にずらせばいいわけですが……そんなときにやらかしちゃうんですよ、アレを。
子供叱るな来た道だもの、年寄り笑うな行く道だもの。
この言葉が、だんだん身に染みてくるようになりました。
Ogamanのmy Pick