11月2日、滝川市の江部乙神社に行ってきました。
この日は室蘭から美瑛に向かう途中でした。長距離移動の時は、多いときで4社を参拝するのですが、この日は江部乙神社に絞っての訪問です。
江部乙神社を参拝する最大の目的は狛犬です。にぱーっと笑っているうえ性別もあるということで有名な狛犬を一度拝見しようというのが主目的でした。そのためにも明るいうちに訪れたかったのですが、道中時間がかかってしまったのと、天気が悪くて厚い雲が出ていたため、到着した16時ころはすでに薄暮となっていました。
社務所の近くに駐車スペースがあるという事前情報がありましたが、トイレに行きたかったこともありすぐ近くの道の駅に車を停め、そのまま歩いて江部乙神社に向かいました。
南向きに表参道があり、鳥居と社号標があります。
参道を進むと手水舎がありますが、こちらは使われておらず、西参道の手水舎をご利用くださいと書かれています。
正面に拝殿があるのですが、例の狛犬は見当たりません。手水を使うために拝殿前から西側に伸びる西参道に行くと、そちらに鎮座していました。
阿吽逆の配置であり、右側が吽像、左側が阿像です。
口を開けている阿像は、たしかににぱーっと笑っているように見えます。そして吽像の方は口を閉じていますが、やはり口元は微笑んでいるように見えます。そして吽像の股間をよく見ると……確かについています。
手水舎に行くと、溜まっている水の中に赤いもみじの葉が3枚入っています。近くにあるもみじの葉が飛んで入ったのでしょうか。それともわざと浮かべているのでしょうか。なんだか手水を使っただけで嬉しくなりました。
拝殿で参拝を済ませて御朱印をいただきに行きます。西参道を入ってすぐのところに社務所がありますが、どうやら今は使っていないらしく、御守りなどは社殿寄りにある住宅に来てくださいと書いてあります。そこでそちらに伺いました。
対応していただいた奥様によると、宮司さんは不在で、書置き対応になるとのことでした。仕方がありません。書置き対応でも御朱印をいただけるのはありがたいことです。
そのことを告げると、奥様はこの笑う狛犬について説明をしてくださりました。「笑う狛犬 福を呼ぶ」ということで、近年はかなり人気があるようです。この狛犬、明治43年に作られたということで、今年で109歳だとのこと。
またオスメスの区別があるのは全国的にも珍しいということで、それを確認したかと聞かれました。しっかりとオスのシンボルは確認したと伝えると、メスの方は確認したかと聞かれました。メスも印があるとは知りませんでしたが、よく見るとわかると教えてくれました。
そのほか、後ろから見ると体の線の違いもあり、そこでもオスとメスの区別がつくとか。そのような説明をしていただきました。
「こうしてゆっくり説明しているうちに帰ってこないかと思いましたけど、もうちょっとかかるようですね」
と言ってくれたその一言に、すっかり嬉しくなってしまいました。
「4時半ころには帰ってくる予定ですが」
そう聞いて思わず、じゃあ狛犬をまたじっくり見せていただいて、その頃に出直してきます、と言うと、一緒に外に出て案内をしてくれました。
そして阿像のお股を覗き込むと……たしかに、メスの印がありました。
そして少し離れた後方から2体の狛犬を見比べてみると……たしかに、阿像は腰が括れて曲線的なフォルムなのに対し、吽像は背中がまっすぐと力強さを感じます。
そのほかもいろいろと説明をしてもらいました。以前は西向きに社殿があったため、いま狛犬がある西参道が表参道だったそうです。今の位置に社殿が移り表参道も変わったのですが、狛犬はそのまま西参道にあるようです。
そして移転前の本殿が境内の片隅にあります。ただその旧本殿、朽ちてきて子供が遊ぶと危ないということで、来週には取り壊すのだとか。「私は反対したんですけどねえ」と言う奥様。私ももちろん反対ですが、今の時代は仕方がないのでしょうねえ。
そうした説明を受けて、境内で名残の紅葉なども見ながら待っていました。
やがて宮司さんが帰ってきて御朱印を書いていただきました。
奥様とはその間もいろいろ話していました。室蘭から美瑛に向かう途中、今日はここだけ寄っていくというと喜んでいただきました。また来年からは美瑛なので近くなるから、今度は雨降りの日に来ますと言うと、ぜひ見に来てくださいとのことでした。雨の日は、狛犬たちは傘を被るのです。
素敵な奥様と狛犬たちのおかげで、すっかり江部乙神社のファンになりました。今度は御守りもいただきますね。