ゼロからの出直し・・・2009サロマ湖100kmウルトラマラソン出走記2 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 最後尾の位置からは、スタートゲートがかすんで見えるほど、ガスは濃い。沿道の両脇で応援する皆さんに笑顔で手を振りながら、ゆっくりとスタートゲートに向かう。


Road to SAROMAN BLUE-スタート


 いよいよ、長い旅の始まりだ。長い旅に・・・なるはずだ。


 スタートゲートを通過するとき、すでに3分あまりが経過していた。13時間に占める3分なんて、誤差の範囲内のようなもの。そんなことを思ってスタートした4年前。関門ギリギリのワッカで秒単位の計算までするハメとなり、「スタートロスの3分を返せ!」と真剣に思ったりもした。この3分という時間の重み。今年の私にはどう感じられるのだろうか?


 まずは自分の調子を確かめるように走る。最初の1kmは10分20秒。スタートロスが3分台だから、多分7分前後のペースだろう。スタートラインを越えるときにラップを取るのを忘れたので、次の1kmでペースを確認すればすむ話だ。


 ときおり、私を抜いていくランナーと言葉を交わしながら、淡々と進んでいく。2km通過は17分38秒。この間の1kmは7分18秒。私としては6分50秒くらいのペースで走っていたつもりだったのだが、思った以上にかかっている。今年のレースでは常に感じている体の重さ。体重が私の最大の敵のようだ。


 3km地点は24分32秒で通過する。この間の1kmは6分54秒と、ようやく7分を切った。よし、ようやくペースを掴んできた。あとはこのペースを、極力守っていくことだ。


 そしてコースは湧別町の市街地に戻る。時間は午前5時30分頃。こんなに早い時間だというのに、沿道は大勢の町民が応援してくれている。最初のウルウルポイントである。


Road to SAROMAN BLUE-湧別


 4km地点はこの市街地だったろうか。町民の皆さんや各クラブの応援隊からの声援に応えながら走っているうち、4km看板を見逃してしまう。やがて迎えた5km地点は、38分33秒で通過する。この間の2kmは14分01秒。ほとんどキロ7分だ。体が温まってきたら、ペースは上がってくれるだろうか。ガスが晴れて気温が上がってきたら、それだけで10秒くらいはペースが上がると思うのだが・・・。


 そんなことを考えているうちに、早くも右膝に痛みを感じ始める。まだ走るフォームに影響を及ぼすほどの痛みではないが、いくらなんでも早すぎるだろう・・・。


 湧別オホーツク園の前には、今年も入居者の方々が応援してくれていた。例年はあらかじめ右側に寄って、このウルウルポイントを通過するのだが、今年は左側を走行したまま手を振って通過する。


 どうにも・・・体だけじゃない。心も重い。


 最初の給水所ではスポーツドリンクをもらう。2口、3口と口に含み、残った分はグレーチングから排水に流し、空いたコップは確実にゴミ箱に捨てる。これだけは、どんなに心が重いときでも譲れない。


 5kmを過ぎると、距離表示は5kmごとになる。もう自分の感覚でペースをつくるしかない。しかしペースをつくれるような状態にない私は、ただ淡々と、体が欲するペースで走るしかない。その結果は・・・。


 10km通過タイムは1時間15分22秒。この間の5kmは36分49秒。


 ダメだ。キロ7分を明らかに超えている。いくらなんでも遅すぎる・・・。


 本当は、10kmごとに途中経過を実況しようと思ったのだが、こんなタイムじゃそんな余裕はない。


 もはや想定外の遅いペースのため、このペースで走ったら関門に間に合うかどうかもまったくわからない。でも、とにかく走るしかない。給水所のスタッフの献身的な応援に背中を押され、ひたすら前を目指す。


 そのうち、背中に不穏な気配を感ずる。これは・・・バスのエンジン音じゃないか?おそるおそる後ろを見ると・・・やはりバスだ!私は慌てて視線を前に戻し、見なかったことにする。


 なんだ?あのバス?


 収容バスか?


 でも、まだ収容されるような時間じゃないだろう?


 そもそも、途中の林で小用をたしているランナーもいたよな。ということは、私が最終ランナーというわけではないはずだ。


 あとでわかったことだが、どうやらスタッフの輸送用のバスだったようだが、バスを従えて走るというのは、あまり気持ちのいいものではない。


 やがて先頭集団とすれ違う。しばらくすると、音別ランナーさんや阿部雅司さんともすれ違う。もっとしっかりした姿を見せたかったのだが、こればかりは仕方がない。ここからは、すれ違う仲間とのエール交換を楽しみにする。


 15kmの給水所でもスポーツドリンクをもらったのだが、看板を見落としラップを取るのは忘れてしまう。いよいよ自分のペースがわからない。でも、わかったところでどうにもならない。


 次々とすれ違っている仲間たち。みんな、遥か先にあるであろうゴールをしっかりと見つめているように、輝く瞳をしている。そんな仲間たちの目に、私はどのように映っているのだろう?言いようのない寂しさを覚える。


 いつか晴れると思っていたガスも、相変わらず濃いままだ。むしろ霧雨状のところもある。メガネが水滴で覆われ、ときおり外してリストバンドで水滴をぬぐわなければならない。


 こんなサロマはつまらない・・・。


 天候のせいじゃない。思うように走れない自分に、腹立たしささえ感じている。


 竜宮台の折り返しを回ると、私の後ろから来るランナーは、わずかしかいなかった。(つづく)



【公開処刑】

 体重 74.4kg(前日比 増減なし) 

 体脂肪率 13.5%(前日比 -2.0%)




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