Road to SAROMA~浜佐呂間 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 サロマの熱闘から2週間。できれば記憶が鮮明なうちに完走記を書き上げたいと思っており、2週間くらいをメドにしようと思っていた。しかしご覧の通り、クライマックスはまだまだこれからである。いったいいつになったら書きあがるのか・・・。

 ただ、「記憶が鮮明なうちに」という点に関しては問題がなさそうだ。というのも、帰宅したその日から記憶は鮮明さを失っている(笑)。あれは本当に現実の出来事だったのか?そう思えるくらい、「記憶」は色褪せている。そもそも記憶していないのではないかと思えるような状態だ。わずかにサポートしてくれた皆さんから送っていただいた写真を見て、現実だったんだ、と認識するのみ。まだ完走証もゴール写真もフィニッシャーズTシャツも、何も届いていないし、まさか今さら、あれは夢でしたなんてことはないだろうな・・・。


 それでは完走記を続けます。魔女の森でショッキングな光景を目にした65km地点を通過したところからです。


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 魔女は私に何も囁かなかった。それほどまでに、私は魔女にとって魅力がなかったのだろうか。それとも囁きに気づかないほど意識レベルが低下していたのだろうか?いつの間にか森を抜け、視界が広がっていた(いくら考えても、森を抜けたという記憶はどこにも残っていない・・・)。


 森を抜けて間もなく、私設エイドがあった。私は迷うことなく足を止める。上り坂は歩いていい。エイドは止まっていい。今では上り坂とエイドだけが楽しみだ。頭から水をかけ、左ひざに水をかけ、水分補給をしてまた走る。


 走り出してすぐに、私は後悔した。冷たい水をかけた左膝は、一瞬痛みがひいている。しかし今度は右膝が痛み出した。両方にかけておけばよかった・・・。しかし後悔しても始まらない。幸いなことに左膝の痛みはひいている。両方1度に痛まないことを祈るのみだ。


 国道に出る手前にも私設エイドがあった。ここでも当然のごとく立ち止まり、給水をする。しかしさすがに時間も気になる。ここはあまりゆっくりせずに走り出した。


 実際、60kmを過ぎてからの1kmごとのラップを見ると、キロ7分~8分のペースになっている。関門制限時間を見ると、60km~70kmはキロ7分を切らないと貯金を作れない。このペースで走っている限り、私はどんどん貯金を食いつぶしていることになる。


 国道に出て、浜佐呂間の市街地に入る。市街地に入ると沿道の応援の人も増える。応援をエネルギーとして走る私としては、とても助かる。


 市街地では佐呂間町をスタートする50kmの部の選手たちと合流する。あちらはまだ20kmの手前で元気一杯だ。


 市街地に入ると、人だかりができている場所があった。これがかの有名な白帆のエイドか。今年は左足骨折で応援に回っている高石ともやさんもいた。どうやらここでミニライブをやりながら応援をしているようだ。冷たい濡れおしぼりをもらい、顔を拭く。


 気持ちいいぞぉ~!


 ただのおしぼりがこれほど生き返らせてくれるとは驚きだ。さしづめ、ラグビーでいうところの魔法のヤカンと同じ効果だろうか?顔を濡らし、首筋を濡らし、頭を濡らし、意識レベルも少し回復した。シャーベットかと思える小さなカップがあり、口に入れてみると、凍らせたゼリーだった。これまた妙な食感だけど悪くはない。冷たい麦茶を2杯飲み、最後に海宝さんから塩をいただき水に溶かして飲む。これで戦列に復帰する。


 沿道の声援にはいつものように笑顔で(と自分は思っているのだが、沿道から見ると引きつっているように見えているかも)応え、元気をもらいながら走る。途中、さろまにあんという民宿では、屋根の上で大漁旗を振って応援している。あとで聞いたところでは、恒例の応援らしい。私も大きく両手を振りながら応えて通過する。


 市街地を抜けるとやがて70km関門が待っている。8時間25分57秒。やはりかなり貯金を吐き出している。関門制限時間まで20分を切ってしまった。この間の5kmは39分53秒と、エイドに寄りまくったとはいえ、ほとんどキロ8分までペースダウンしている。この間の10kmも1時間18分16秒もかかっている。せっかくメーリングリストまで作ってあちこちに配信したGTメール(10kmごとの通過タイムを速報してくれるサービス)が60kmのタイムを配信した後でサーバートラブルのため配信されなくなり、応援してくれている人に心配をかけてしまった(むろんこのときは、そういう事態になっていることを知らない)。しかしこのタイムが配信されていたら、あまりのペースダウンに余計心配をかけたかもしれない。


 国道から栄浦へ向かう道への分岐点には、御走足倶楽部のカイチョーミホさん が立っていた。「ダメでした~」と言ってたが、後で聞いたところでは、50kmの手前でタイムオーバーとなったようだ。やはり5ヶ月の子供を育てながらというのは大変だったようだ(しかしミホさんは、翌週のくりやまで時間外ながら100kmを完走してしまうのだった)。


 ここからは湖畔の道をしばらく走る。目指すは74km地点の鶴雅リゾート。ここのエイドにはおしるこがあるという。確かに沿道にも、「もうすぐおしるこ」と書かれた看板も架けられている。だが、前方に見える鶴雅リゾートは、果てしなく遠く見える。とても3~4kmの距離とは思えない。このあたりは沿道の声援も期待できず、どんどん私のテンションは低下していく。それに伴い、足も上がらなくなる。右膝の痛みは薄らいできたものの、再び左膝の痛みが先ほどまでよりも激しさを増して襲ってくる。


 時間はまだある。しかし足はもつのだろうか・・・。再び弱気の虫が私を襲う。そんなとき、このレース最大の出会いが訪れたのだった。(つづく)


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 今日の練習内容


 左膝痛のため、13日に予定されている楽走412旭川 ナイター練習会までランオフのつもりだった。ところが、部活から帰宅したHOSSYが、何を血迷ったか、


 「お父さん、走ろう!」


 HOSSYに誘われたのは今年2回目。前回は何ヶ月前だったろう?よりによって膝が痛いのに・・・。しかし本人が走るというときに走っておかないと、次はいつ走ると言うかわからない。急遽走ることとした。

 もっとも、中学入学後はほとんど走っていないHOSSYはキロ8分~9分がいいところ。こちらもそのくらいのペースなら・・・と思ったが、やはり1kmを超えると痛い。だが今日のペースならば、速足でも大丈夫。痛みが出ると速足で、痛みがひくと走り出し、といった形で2.5kmを走り終えた。タイムは20分20秒もかかった(途中でHOSSYは足底筋の痛みを訴えてのマッサージを行ったときも、時計を止めていない)。


 今日 2.5km   今月累計 8.0km


 体重 67.4kg   体脂肪 13.5%