キャスターの久米宏さん、将棋の加藤一二三さん、映画監督の東陽一さん、長谷川和彦さんと今年に入って著名人の訃報が相次いだけど、私にとってショックだったのはクラシックギタリストの山下和仁さんが亡くなられたこと。私が学生の頃に超絶技巧のギタリストとして現れて、ムソルグスキーの「展覧会の絵」をギター1本で弾き切ったのが印象に残る。1961年生まれで享年64歳。私と同い年である。
こちらのレーザーディスクでは、ヴィヴァルディの「四季」をフュージョンギターのラリー・コリエルとデュエットしたステージがおさめられている。押入れに眠っていたレーザーディスクを引っ張り出してきて、追悼の意味もこめてこのディスクを聴きなおして(見直して?)みることにした。ちなみにコリエルも2017年に他界している。
こちらが手持ちのレーザーディスクプレイヤー、パイオニアのCLD-R4という機種である。LDとCDが演奏できるコンパチブルと呼ばれていたタイプ。それぞれのトレイは、別々にせり出てくる。音声はデジタル、映像はアナログ記録で水平解像度400本程度、VHSのビデオテープよりは高画質だが後に登場したDVDには画質は劣る。
30cmのメディアはアナログレコードと同じサイズで、しかも張り合わせで両面再生ができるため非常に重たい。巨大なCDといった見た目で迫力がある。片面に1時間の動画が記録できるのだが、映画の場合は半分見たところでひっくり返す必要がある。このプレーヤーは後期のもので自動両面再生(ピックアップが背面へ移動する)が付いているが、その時にがちゃがちゃと動作音がしてうるさいのが難点。
VAIOにつないで視聴する。この「四季」も大変話題になった録音(録画)なのだが、どう聴いてもコリエルにとっては分が悪い。山下の美しくまた正確無比な速弾きの音色に対して、コリエルはただ速いだけの演奏に思える。しかもコリエルは立ち上がりが悪く、調子が乗って来るのは「夏」のあたりからだ。
しかしこのデュエット、私は嫌いではない。後に山下はなんとドヴォルザークの「新世界交響曲」をギター1本で演奏するという超人技を成し遂げてしまうのだが、いくらギターが小さなオーケストラと言われるにしてもさすがに新世界は無理があると感じてしまう。それに対して、アプローチの違う二人が演奏する「四季」、聴けば聴くほど異文化の遭遇という気分にさせられて、私にとっては大好きな演奏となっている。
二人とも天国へ旅立たれた今、この超絶な演奏もこの世から失われたと思うと寂しさを隠せない。さようなら、コリエルさん、山下さん...





