「気ままにランニング」とは「マラソン大会」と違って、「いつでも・どこでも・好きな時間に・コースは自由に決めて・気楽に1人で・競争すること無く・制限時間無しで・何時間かかってもOK・疲れたら途中で休憩しても、止めてもOKのランニング」のこと。今回は第1回目として走ったのは「目黒川」。

 

Wikipediaによると「目黒川は武蔵野台地東端部を東流し、東京都世田谷区・目黒区および品川区を流れて東京湾に注ぐ河川。二級水系の本流である。東京都世田谷区三宿の東仲橋付近で北沢川と烏山川が合流して目黒川となり南東へ流れ、品川区の天王洲アイル駅付近で東京湾に注ぐ。起点(北沢川と烏山川の合流点)から国道246号の大橋までの600m強の区間は暗渠(あんきょ)化され、それと併せて地表部分には人工のせせらぎを抱いた緑道(目黒川緑道)が整備されており、カルガモやコイ、ザリガニなど様々な生物が住み着いている。大橋より下流は開渠となっている」とある。目黒川は下図の太線(7.82km)

 

しかし、北沢川や烏山川が暗渠化され下水道に転用されたため、「1995年(平成7年)以降、清流復活事業として、目黒川を流れる水の大部分は新宿区の東京都下水道局落合水再生センターで下水を高度処理したものを導いている」とのこと。“現在の目黒川は、北沢川と烏山川が合流しているわけではなく、目黒川の水は新宿の水再生センターから下水処理水を流して貰っている” らしい。

目黒川の起点は東急「池尻大橋」駅から歩いて5分程の場所(世田谷区三宿)。

ここで着替えて荷物をリュックに入れて準備体操して午後2時過ぎにスタートした。

 

目黒川起点。以前は右から北沢川が、左から烏山川が合流していた。

 

ここから大橋までの600mは暗渠のため緑道が整備されている。ここを流れる水は高度処理されたものなので、大きなコイが泳いでいたのには驚いた。また、多くの人が散歩(お花見)を楽しんでいた。

 

緑道には、水生植物の他にもチューリップや桜、花海棠(ハナカイドウ)も色とりどりに咲いていた。

 

 

 

東急田園都市線(池尻大橋)から東急東横線(中目黒)の目黒川(約1.5km)には橋が16本あるが、これらの橋を全部渡ることも今回の目標だ。(注:河川に架けられた橋の数え方は「本」で、細長いものを数える時に使う)

①大橋、②常盤橋、③万代橋、④氷川橋、⑤東山橋、⑥目黒橋、⑦中の橋、⑧南部橋、⑨柳橋、⑩千歳橋、⑪天神橋、⑫緑橋、⑬朝日橋、⑭宿山橋、⑮桜橋、⑯別所橋

 

国道246号線(地下:東急田園都市線)を横切って大橋を渡ると、目黒川は開渠になって川面が現れる。

 

 

 

ここには、首都高速道路の3号渋谷線と中央環状線を結ぶ大橋ジャンクションの屋上を緑地化した「目黒天空庭園」があり、一般に開放されている。

 

屋上の庭園とはどんな景色なのだろうかと、エレベーターで5階に上がってみた。(写真上は外観)

庭園は地上高35mで、ぐるっと一周すると約400mあるそうだ。庭園には芝生を基礎として約30種類の樹木や花が植えられている。利用客は多く、桜も綺麗で地元住民の憩いの場になっているようだ。

 

 

さて、再び走り出したが、この先の目黒エリア(約4km)には約800本もの桜があるそうなので、花見客が一杯でなかなか前に進めない。目黒橋までは何とか走れたが、その後は歩いてしまった。都内で桜が開花したのは3/29で、その1週間後の日曜日だったので、ある程度覚悟していたが、ここまでとは想定外だった。

中の橋は、真っ赤なカラーとアーチ形で、目黒川のフォトスポットとして大人気。そのため、橋の上は大勢の花見客がカメラを持って立ち止まっているので渡るだけでも大変だ。

 

南部橋のたもとにあるのが、2019年2月にオープンした「スターバックス」。

ここは、プレミアムなコーヒー体験を提供する同社の中でも特別な店舗(STARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO)で、2014年12月シアトルに誕生して以来、東京は5店目の進出。店舗外観は隈研吾氏とのコラボレーションで、「明るい色合いの杉を使った外壁、開放的なテラス席などを採用した。大人も子どもも楽しめる遊園地のような素晴らしい店舗」とのこと。ここのテラス席からは目黒川の桜が良く見えるため、この日も多くの人が待っていたが、警備員が “本日の予約は3時間待ちです!” とマイクで声を張り上げていた。

 

やっと到着したのは中目黒駅。ここまで1.5kmだが1時間近く掛かった。普段歩く時間の3倍だ。

 

次の東急東横線(中目黒)から目黒通り先(約1.7km)には橋が11本ある。

⑰日の出橋、⑱宝来橋、⑲皀樹橋(さいかちばし)、⑳船入場橋(ふないりばばし)、(21)田楽橋、(22)なかめ公園橋、(23)中里橋、(24)田道橋(でんどうばし)、(25)ふれあい橋、(26)目黒新橋、(27)太鼓橋

 

中目黒を過ぎたら少しは人が減るかと期待していたが、全く減らない。

相変わらず歩道は混雑して全く走れない。

 

 

 

やっと目黒通りに架かる目黒新橋を渡った。ここも人が多い。

 

この少し先の目黒雅叙園前にあるのが太鼓橋。

太鼓橋とは「太鼓の胴のように上へ丸く反ったアーチ橋」のことだが、この橋は丸くない。調べてみたところ「1769年(明和6年)に建設された橋で、当時としては珍しい石造りであった。長さ8間3尺(約15.3m)、幅2間(約3.6m)で、名前の通りいわゆる “太鼓橋” の形状をしていた」とあり、歌川広重が『江戸名所百景』(1857年)にも描いていた有名な橋であることが分かった。

 

 

目黒通りから山手線内側(約2.7km)までには橋が13本ある。(注:写真下の⑦と⑧の間にもう “1本” ある)

①亀の甲橋、②市場橋、③谷山橋、④本村橋、⑤五反田大橋、⑥大崎橋、⑦ふれあいK字橋、⑦’山本橋、⑧御成橋、⑨鈴懸(すずかけ)歩道橋、⑩小関歩道橋、⑪森永橋、⑫居木橋(いるきばし)

 

やっとここまで来たが、桜は相変わらず見事だ。しかし以前から不思議に思っていたが「何故、桜は川面に枝を伸ばすのか?」太陽がある上の方へ枝を伸ばすのは分かるが、下の方へ伸ばすのは何故なのか?
NETを検索すると答えが見つかった。「桜は太陽の日差しを浴びて生長しますが、日差しが届きにくい下の方の枝はあまり生長しないものです。 しかし、下の方の枝は川面に向かって生長しています。これは川面に太陽の光が反射して日差しを届けているからです。川沿いの桜は空と川面に映る二つの太陽によって生長させてもらっています」とあった。“なるほど、下の方の枝は太陽の反射光の恩恵を受けていたか・・・”

 

ここまで来ると人通りが少なくなったので、ランニングを再開した。

 

大崎橋のすぐ先にあるのが、ふれあいK字橋。

“K字橋って何のこと?” と思いながら橋を渡ったが、どうもピンと来ない。

後でNETで調べたところ、上から見た形が “K” の字に似ているからと分かった。

しかし、何でこんな変な形をしているのか?「本体の橋桁に湾曲した補助桁を沿わせたような構造になっており、その名のとおり上空から見るとKの字形をしている。なお、補助桁に通路は設けられていない」とあるだけで、調べても不明であった。

 

たまたま通りかかった遊覧船は花見客を乗せて目黒川を遡っていた。

 

ふれあいK字橋を渡ると、五反田ふれあい水辺広場がある。ここは「目黒川沿いにある歩道と一体的に整備された細長い広場で、平常時は観光船が発着でき、災害時には防災桟橋として活用することを目的に平成30年に整備された」とのことで、水辺で多くの家族連れがお花見を楽しんでいた

 

池尻大橋からここまでの目黒川沿いはすべて遊歩道なのでベンチやトイレは全く無いが、ここにはベンチとトイレがあるので、ゆっくりお弁当を広げてお花見気分を満喫できる。“ここは意外と穴場だ!” 夜にはライトアップも行われているそうだ。

 

この下流にある御成橋は赤い欄干が桜に映えていた。また鈴懸歩道橋は青いアーチが綺麗だ。

 

 

山手線の外側に出ると、いよいよ最後の約1.4kmだ。

ここから東京湾の天王洲(てんのうず)南運河までには橋が10本ある。(注:写真上の(21)の先に(22)がある)

⑬御嶽橋、⑭要津橋、⑮東海橋、⑯荏川橋、⑰鎮守橋、⑱品川橋、⑲新品川橋、 ⑳洲崎橋、(21)昭和橋、(22)アイル橋

 

桜並木はここでもしっかり続いている。

 

 

荏原神社前の鎮守橋は朱色の橋だが、少し暗くなってきた。

 

ここは旧東海道に架かる品川橋。

この200m程北に品川宿本陣があったそうだ。NETによると「現在の京急北品川駅付近から、青物横丁駅付近までの旧東海道沿いが、かつての品川宿の範囲」とある。さて、残る橋はあと四つだ。

 

昭和橋を渡ると東品川海上公園がある。

ここは、「目黒川が天王洲南運河に注ぎ込む河口部に位置する親水公園で、桜が多く植樹されており品川区の桜の名所にもなっている」とあり、桜の大木が満開であった。


最後の橋はアイル橋。アイルとは天王洲アイル(isle)の「島」の意味。

「江戸時代には天王洲は海中の土砂が堆積してできた州であったが、大正14年に埋立が始まり昭和14年に完成した」とある。しかし現在は、景観に恵まれた東京湾ウォターフロントとして若者に人気のエリアだ。アイル橋を渡り切った天王洲公園でランニング終了!

 

さて走った距離をスマホで確認すると、4.59kmで46分16秒。“えっ、こんなもん? たった4km半しか走ってない? もう充分疲れているけど・・・” 目黒川は公式には7.82kmだが、渡った橋は全部で49本あるので、1kmは余計に掛かっている。そのため全距離 約9kmとして計算すると、約半分は歩いていたことになる。2時過ぎにスタートしてゴールしたのが5時半近くだったのでトータル3時間半は掛かっているが、2時間40分は歩いていたのだ。今回の「気ままにランニング」は、歩きながら時々走っただけだったが、とにかく疲れた。

“3時間半お疲れさまでした!”

(注)黒破線は歩いた区間