タンポポが咲き出した。

週末にランニングをしていると、“あらっ、もうタンポポが・・・! ここにも、あそこにも・・・” と、タンポポの花を見つける度に嬉しくなる。走っていると季節感を “先取り” できるので楽しみの一つだ。

 

しかしタンポポは不思議な植物だ。黄色い花を咲かせたと思うと、いつの間にか真っ白な綿毛に変身してしまう。タンポポの綿毛は黄色い花びらが枯れた後に、めしべが白く変色して綿毛に変わるのかと思っていたが、どうもそうではないらしい。

Wikipediaによると「タンポポは種類を問わず、花は朝に開き、夕方に閉じる。雨が降らなければ、花は3日連続して規則正しく開閉する」とある。“タンポポの開花日数は僅か3日間なのだ。1週間以上咲いていると思ったのは、群生しているからそう見えただけなのか?” 黄色い花びらが萎んで枯れてしまった後は、花びら全体が総苞(ガク)から離れ落ちて、下から白い綿毛が伸びて来て丸く拡がるそうだ。

 

(写真下はセイヨウタンポポで、つぼみ(左上)→開花(右上)→散った後(右下))

 

タンポポの花びらは、「舌状花弁と呼ばれる小さな花が円盤状に集まり頭花を形成しているため、頭花が一つの花であるかのように見える。

舌状花弁1つに計5つの花びらを付けるが、1つに合着した合弁花冠であるため花びらが1枚だけのように見える。タンポポの特徴である綿毛(冠毛)は開花時からすでにあり、花が咲き終わってから花が閉じ、花茎がいったん倒れたときに長く成長する」とある。

“そうか、綿毛(冠毛)はめしべが変化したものでは無く、もともと花びらの下部にあったのだ!”

 

タンポポの綿毛は、そよ風に乗って広がり、ときには「数kmも離れたところへ飛んでいく」と言われている。そのメカニズムは長らく不明であったが、英国エディンバラ大学分子植物学研究所により「タンポポの綿毛は、多数の細孔(小さな穴)が空いたような構造となっており、綿毛の上方に渦輪(環状の空気の渦)が作られるようになっています。この渦輪は、綿毛(冠毛)の隙間を通り抜ける空気と外側を通る空気の圧力差で発生します。この渦が揚力を生むことで、綿毛は長く飛び続けることができるのです」との研究結果が発表された。(写真下は空気の渦)

 

この綿毛はパラシュートのような膜構造よりも簡単な構造で空中を浮遊でき、しかも動力無し(エネルギー不要)で、静粛性にも優れ、驚異的に長い距離を飛行できる空中移動特性に優れているので、「小型飛行体」を実現するための基礎研究が行われているそうだ。これが実用化されたら大発明で、ノーベル賞は間違い無い!

 

 

タンポポの綿毛が空を飛んでいるのを見て、若い頃に作った歌です。

初めて空を飛んで、 ”楽しくて嬉しくて、きっとこんな気持ちなんだろうな~” と思って作りました。

 

「タンポポの歌」

(作詞・作曲:オガギリジョー)

 

1)タンポポ タンポポ 綿毛のお花が

  ユーラリ ユーラリ 風に吹かれて

  一つ、二つ、三人一緒に お空へ飛び出した

2)タンポポ タンポポ 友達いっぱい

  あっちもこっちもおしゃべりしながら

  これからみんなで何して遊ぶか お話ししています

3)タンポポ タンポポ 駆けっこ大好き

  どちらが速く天まで飛べるか

  押しくらまんじゅう 鬼ごっこしながら 競争しています

4)タンポポ タンポポ 遊び疲れて

  思わずウトウトお昼寝してる

  ポカポカお日様 ニコニコ笑顔で優しく声掛けた

    コラコラ君たち こんなところでお昼寝してちゃいけないよ

    もうすぐ今日も暗くなるから 早く遠くへ行きなさい

5)タンポポ タンポポ ウトウト気分で

  お話聞いて急いで起きた

  みんなで一緒に風に乗ってお空へ飛んでった

  遠くへ飛んでった みんなで飛んでった

 

「タンポポの歌」は、youtubeでお聞き頂けます。