北海道その2 | Og

北海道その2

20歳になる少し前、北海道にあこがれて、初めてJRの周遊券を使って上野駅から夜行に乗った。3月とはいえ青森駅のホームが雪でがちがちになり、駅員さんがつるはしを使って氷を剥がしているのを見た思い出がある。

初めて北海道に渡ったときの目的は、流氷を見ることだった。それでも夜行から青函連絡船に乗り継いで函館に着いた自分には、そのままオホーツクへ向かうには北海道は大きすぎた。行くのは明日か明後日でいいと思った。

宿の予約をしていたわけではなかったので、何処に行こうかユースホステルの一覧を見ながら思案して、何となく白老というところに行こうと思った。別に理由があったわけではなかったけど、とにかく電車でそこへ向かった。

駅に着くと早速ユースホステルへ電話をして泊まれるかどうか確認をしようと思った。まだユースホステルの会員でなかったので、行き当たりバッタリでも何とかなると思っていた。

電話をかけてしばらく待ったが、誰も出ない。 

しばらく待ってもう一度かけたが、誰も出ない。

もうちょっと経って、もう一度かけたが、やっぱり誰も出ない。

町を少しだけぶらぶらしてみたが、何だか冬の白老はさびしい感じがして、それから列車に乗って他の町へ向かった。その後何処へ行ったかは覚えていないが、とにかくそれが白老の思い出である。

今回風水土のしつらい展が終わった翌日、ちょっと寄り道をした後で、白老へ向かった。夜の飛行機で帰らなければならないので宿に入るわけには行かなかったが、一番最初に行った白老の町へもう一度行ってみたかった。

ぶらぶらしながら、昔の旅のことを思い出していたら、初めて北海道に来たときと同じミレーのザックを背負っていることに気がついた。このザックを背負って北海道のあとアジアやアフリカまで行って、また白老に来ている。

20年以上経って、また振り出しに戻ったような気がした。
しらおい