(空手道大船道場 和)「本物の価値」 | 空手道 大船道場 のブログ

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鎌倉市大船近辺で「空手道 大船道場」という道場をやっております。当道場は武道の平和と強さの心を活かし、皆様の日常を前向きにしていただきたいと願っております。
とても良い雰囲気の道場です(^^)。
心を重視し、基本・型を中心に稽古しております。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉があります。
今風に言うと勝ち組、負け組という言い方になるのでしょうか。
以前は、露骨で酷い言葉だなと思っていました。この言葉に人間の価値が全て決められてしまっている、生きる真理が表されてしまっているような気がしていて、あまり好きになれなかったのですが、最近はそうでもないなと思えるようになってきました。今は、道を誤らない為の一種の戒めに聞こえるのです。
武道的に言えば、どんなに鍛錬して強くなった気でいても、人間は刃物で刺されたら全員死にます。
皆が同じように弱く駄目なのです。官軍(強者)だの賊軍(弱者)だの言いだしたら全員が賊軍です。
型を練習すると解りますが、「この野郎!」と力ずくで成立する技はありません。
なるべく人を傷つけない柔らかい状態で成立するものばかりです。
危険で固そうな技もありますが、そういうものも内側が柔らかくないと成立しないのです。しかも型の動作は攻撃からではなく、受けから始まるというのが何を目的としているのか、生きるとはどういう事かを表していますよね。
勝つとか負けるで強さ(価値)が決まるわけではない。
そんな事は必要以上に執着しなくて良いと。
人間は全員が脆い生き物。勝つも負けるもない。出来る限り攻撃をするな。という事を教えてくれていますよね。生き方も同じだなとつくづく思います。
私も色々な方々と交流させていただきましたが、皆さん本当に思慮深く、素敵なご縁をたくさんいただいたなと思いました。
社会の価値観に左右されない本当の意味で強い人達ばかりです。
人を思いやる心、本質を見抜く深い眼。
そのような素晴らしい人達は過去に挫折と苦悩ばかりです。
栄光で立派ではありません。
官軍、賊軍という見方をするならば、それこそ明らかな賊軍・負け組です。
しかし、だからこそ人一倍大切な事、人としての心に行き着いたのだと感じます。
また、数々の挫折や苦悩をしてしまった。そういった自分の弱さを逃げずに認めています。立派になりたいからと他人に勝とうとしない。
他人に勝ったり、人に認められる事で弱い自分を超えようとする人が多い世の中で、そのような事をせず、あくまで自分の心に向かう。
成果や勝利ではなく、調和の実現や心を目的とする。
素晴らしいなと思います。真剣に心を目的としている生き方だと思います。
そして、人一倍に色々な痛みを感じてきたからこそのものだということも伝わってきます。本当の価値をその人達から感じます。
そのような人達の本物といえる輝きを見ていて、官軍(立派)、賊軍(駄目)とか人間の価値はそのように浅く荒んだものではないと確信します。
正に武道の心ですよね。武道とは生きる事につながるなとつくづく思いますね。
道場生の皆さんは心を大切に稽古をしてくださいます。
私も更に武道の心に向かって、皆さんと歩んでいきたいと思います。
次回の稽古も頑張りましょう。皆さんの真摯な姿勢に感謝いたします。
そして、どんどん良い道に進んでいきましょう。武道の心ならいけます。


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