あまちゃん...じゃ...ないっ!!! 5 | ゴモラでございます

ゴモラでございます

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5月3日(金)02:00 群馬県美滝原市 美滝原中学 地下室内プール

草木も眠る丑三つ時...だ。
早く”儀式”を開始しなければ、委託されている警備会社
の巡察が始まる。

巡察予定時間は、昨日、この場所に潜んで時間を確認している。
”抜かりはない”...はずだ。
しかし、こ慢心が”失敗”を招く原因ともなることは、「歴史」
が証明しているとおりだ。

不測の事態に備えての策としては、事前に打っておいたが
、”最悪”の場合、穏便にしたいのはやまやまであるが、
真に「やむを得ない」場合の
最低限の処置、つまり、「巡察警備員との儀式阻止に伴う応戦」
の覚悟も「腹案」として保持している。
連絡を受けた警備会社本隊到着までの間、応戦しつつも、
”儀式の続行”さえできれば問題ない...はずである。
そうならなければいいことを今は、「天に祈るのみ」だ。

鯰チャンは、勢いよく暗い水面(みなも)に飛び込む。
「着水良し!」元気な声で鯰チャンが応える。

彼女は、泳ぎが”達者”でその”泳力”は
大したものだ。
特に、「潜水」の能力に長けている。
それもそのはず、彼女は、”淡水魚”だから当然なのだけれど。

ゴモラ「それでは”儀式”を敢行するっ!簡単なことだ。今から
僕がプールに”在る物”を投げ入れる。鯰チャンは、プールの底から
それを拾ってくればいい。
それだけだ。」

ゴモラ「ただし...もし、我慢ができなくなったら、その”在る物”を
”食べてもいい”」

鯰チャンは、困ったような顔を見せている。
(私が...プールに落ちたものを...食べる?)

ゴモラ「了解か?」

鯰チャン「り...了解!」

鯰釣りは、昼間よりも夜間が主である。
だから、わざわざ今の時間帯を選んだのだ。
おそらく、そのほうが、鯰の”本能”を引き出しやすく
喰いつきがよいと判断した。
最近では、ポッパーやバグといったルアー等の
”擬似餌”が主流であるというが、ミミズや、スジエビを練り餌
にした”だんご”に勝るものはない。
水中でも芳しい”匂い”が鯰の食欲を刺激することは
承知のうえだ。
僕は、おもむろにクーラボックスから丸い形状の塊をプールに投げ入れる。

ゴモラ「取ってこい」

鯰チャンは、承知したといわんばかりに
無言でするするとプールの底へと潜っていく...
小柄な彼女の敏捷な動きは、見ていて心地よさを感ずるほどだ。

底に達した鯰チャンは、”野生の本能”を最大限に発揮して
底に落ちた”在る物”を見つけ、拾い、そして水面へと帰ってくる。

鯰チャン「ゴモくん...これ...食べていい?」
その食欲をそそる香しい香りに我慢できなくなったらしい。

掛かった!...僕は確信した。

ゴモラ「”お預け”なんて野暮なことはいわないよ。
全部、食べな」

物凄い勢いでむしゃむしゃと”餌”にかぶりつく鯰チャン...

僕は、クーラボックスからランダムに餌を出来るだけ間隔を
開けて投てきする。

夢中になった鯰チャンは、その餌に誘われるように再び水中へと
潜っていく。

二つ目、三つ目と回を追うごとに鯰ちゃんの目に”野生”の煌き
が宿ってくるのが見て取れた。

最後の餌を食べ終えると、あの可愛らしい声から想像も付かない
獰猛な声を発して餌をねだるようになった”一匹の鯰”がそこに
居た。

鯰チャン「モット...エサ...クレ! モットモット...クレ!」
目が釣り上がり、物凄い形相を見せて餌をねだる鯰チャンを
”哀れ”に思った。

ここにいるのは、可愛らしい女の子ではない。
餌を永遠に求め続ける”只の貪欲な鯰”にほかならない。

そろそろ”潮時”か...
頃合をみて、僕は例のものの準備を開始した。