第741話「学歴フィルターは存在するか」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 

 年の瀬の忙しいときにマイナビが学歴フィルター騒動を起こしました。事の経緯は報道等によると概ね以下のようなことらしい。

 

『就職情報などを提供する大手「マイナビ」が学生を所属大学によって選別していた疑いがあることについて、学生に送信したメールのタイトルに「大東亜以下」と記載していたことが明らかになり、大学名を基準に学生を選別する「学歴フィルター」を使っているのではないかとネット上で波紋が広がっています。

このタイトルの理由についてマイナビは、学生を「大東亜以下」とそれ以外の2つのグループに分けていたのは事実だと認めました。ただし、「そこで分けたのはちょうど学生の人数を半分ほどに分けられるから」だとしています。あくまでも人数を分けるための『区分』として使っていた。「学歴によって募集する学生を変えるような設定を普段からしているといった事実はございません」。作業をする際コピーしたワードがペーストされた誤ったタイトルのメールが送信されてしまいました」と陳謝しました。』

 

 メールの「大東亜以下」が関東の私立大学群「大東亜帝国」(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)を指すといわれます。このため、マイナビ側が学生に学歴フィルターをかけて差別していたのではないかと物議を醸したという騒ぎのようです。

 

 業界に携わる関係者であれば当たり前のこと過ぎて特に驚くようなことではないのですが、一般の人からするとそれなりに大々的な広告を出している企業がこんなことをしていたのかと衝撃はあったのでしょう。ただ、マイナビは労働局でもなければ職安でもありません。一介の広告代理店であり職業紹介斡旋事業者です。ビジネスとして人材の斡旋をしている以上、顧客である企業側の要望に応えるのは当然でしょう。リクルートの学生個人情報売買などの事件もありましたが、民間企業=役所ではありませんのでマイナビに限らず大手企業ならこの手の表に出ない企業秘密のビジネス手法は良し悪しはともかく当然存在しているでしょう。勿論、公然と偏差値で区別していたと言ってしまったら企業イメージが悪くなりますので、口が裂けても“そのような事実はない”でここは突っぱねるしかないでしょうが、まぁそこは大人の事情として皆さん既にお察しだと思うのであえて突っ込むほどのことではないでしょう。

 

 なお、マイナビがさも悪事をしでかしたようなイメージがあるかもしれませんが、人事採用というものは企業側にも採用の自由があります。例えば東大卒・京大卒の人間しか採用しないという権利は当然認められます。大東亜以下の学生が自分を採用しないのはおかしいなどと異議を唱える採用請求権は法律上も認められていないのです。近年パワハラ・セクハラ騒動が多かったので労働者保護の風潮が蔓延しているため、何でもかんでも労働者は平等だと錯覚されがちですが、採用においては企業の権利も保護されなければなりません。

むしろハローワークなどで年齢不問と書いて求人募集していながら、実際には高年齢者から応募があると履歴書の年齢だけ見て不採用にしている企業や紹介会社がいてそのことを国民も知っていながらスルーしている現実の方がよほど問題だと思ってしまいます(年齢で採否区分の仕分けをしていたとしたらこちらは違法です)。

 

 パソコンでも携帯でも「良いものは高い、悪いものは安い」というのは買い物をするときの常識です。勿論安い物でも買ってみたらお買い得だったということもあるでしょうが、世間一般には性能の良い物はお値段も比例して高いのです。マイナビのような学生人材ビジネスの場合、性能とは偏差値(=出身大学)を意味します。マイナビは企業に新卒を紹介して企業から報酬を得ているわけです。当然東大卒と大東亜卒では同じ新卒でも報酬額のお値段は違うのです。ただ、マイナビだって大東亜卒だろうがMARCH卒(明治・青学・立教・中央・法政)だろうが買い手さえつけばビジネスになるわけですから、差別であったりバカにしたりはしていないのは本当だと思います。紹介の報酬は1人当たり3~5百万円にもなるといいますので、単にお値段の分類カテゴリーとして分けていただけだと思います。

 

 何故、マイナビははっきりとそう説明しなかったのかというと、ここに人材紹介業界のイメージとして“人材を紹介して対価を得る”という行為が日本では好意的に受け入れらていないからです。“人間を売って儲けている”といった古い考え方がまだまだ多いのです(野球のトレードの方がよほど露骨なのですが何故かスポーツ界や芸能界は人間を堂々と商品化しても悪いイメージがないのは不思議である)。実際には新卒学生・企業・マイナビの三者は全員恩恵を受けていますので当事者全員が満足しているのだからビジネスとして問題ないように思いますが、どうも当事者以外が傍から見るとイメージが悪い業界らしい。なので、はっきりと「人間のお値段の存在」を口に出来ないのがこの業界の苦しみなのです。

 

 オフィスタは人材紹介業にはあまり手を出していないので詳しい事務処理は知りませんが、人材紹介業を生業としている知人などから聞く限りでは今回のマイナビのような区別は至極普通のことらしいです(当たり前と言った方がよいかも)。みなさんも膨大な情報をファイリングするときに似たようなジャンル・項目で仕分けしますよね。取引先を資本金で分類したり、大手か中小かで分類したり、大口の顧客かどうかで分類したり何かしら区別して情報管理しているはずです。それと同じで、全国何十万人もの学生を相手にデータ処理するなら当然区別は必要で、たぶん学歴以外にも文系理系のフィルターだったり、学部フィルターや出身地フィルターなどいくつもの分類項が重複しているはずです。そのうちの一つである学歴フィルター(要するに偏差値ですが)の存在がたまたま漏洩しただけのことで、そもそもフィルターが存在していないと思う方がよほどおかしい。思っているとしたら「人間を番号で呼んだり、人間をフィルターで分類したり、コンピューターが管理して人生を操っているなどけしからん」という昔の近未来SF小説のようなトラウマ思考がどこかにあるからではないだろうか。

 

 このことから学歴フィルターは存在し、ただし差別に使われていないというのは本当だと思う。人数分けに使っていたというのは建前としては無難だが理屈としては少々無理がある。この学歴フィルターは恐らくお値段決定に使っていたのではないかと想像する。マイナビにしてみれば商品である人材のグレードを示さなければ料金表が作れないのは当然であり、料金差に最も信憑性を持たせるには学歴で分類することである(大東亜卒の中にも東大レベルの偏差値を持った優秀な人材も中にはいるかもしれないが、少なくとも東大卒の中には大東亜レベルの偏差値以下の者は絶対に存在しえないというのが根拠として説得力があるため)。能力に応じた価格設定をすることはビジネスにおいて決して差別行為ではない。本件は「人間は学歴じゃないよ、中身だよ、心だよ」というような昭和イズムの情念の話題ではないということです。人材を商品のように言うのは申し訳ないかもしれないが、このように、これからの人材採用や雇用はドライ&ビジネスな時代になります。今の時代マイナビやリクルートなどエージェントに頼らなければ就職活動さえできない学生で溢れています。エージェントも自身が食べていくためには高く売れる人材・安い人材の線引き区別を当然します。新卒だけでなく中途採用でも同様です。自分自身で仕事を探して履歴書作って応募して面接受けての繰り返しなんていう時代ではなくなってきています。野球選手のように、求職者自身がお金を払って自分のエージェントを雇って代わりに就活してもらう時代になってきているのです。就活をビジネスラインに乗せられるのが嫌な方は、誰にも頼らずに自身を売り込む営業力と情報取集力と行動力を身につけるか、若しくはこのような区分がない非ビジネスなエージェントを探すしかないと思います。つまり人材を紹介して「報酬を受け取らない紹介会社」の出現ということになります。…私の知る限り、ハローワークと日本雇用環境整備機構くらいしか知りませんが。

 

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