第338話「人材不足で時給アップ」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 某牛丼チェーンで時給と労働のバランスが悪く社員のストライキから結局は閉店まで追い込まれるというようなニュースがありました。現在はどこの会社も人材不足で困っている、反面高額な時給は支給できず、結局は安い時給で過酷な労働という図式になっています。特に人手不足と言われているのは販売・サービス・飲食・物流業です。このような背景を受けて企業側も時給を上げてきています。結果、3大都市圏(首都圏、東海、関西)で平成26年10月に募集があったアルバイトやパートの平均時給は、2006年以降で最も高くなり、前年同月と比べて8円高い961。これまで最高だった201312月の959円を上回る結果となりました。求人情報会社が調べた同10月を業種別にみると、「販売・サービス系」が前年同月より3円高い944円。飲食店などの「フード系」の時給も同10円高い937円だった。これらの求人件数は全体の5割近くを占めており、全体を押し上げました。「製造・物流・清掃系」も同8円高い950円(年末年始に向けて贈答が増えてモノの動きが活発になるため、運転手や荷物の上げ下ろしをする人の時給が伸びていますが、これは季節による一時的なものと思われます)。


 なぜ販売・サービス・飲食・物流業が人手不足かというと、やはり業務が過酷な割に賃金が安いという特徴があります。共通しているのは立ち作業であること、高度なスキルを要しない、将来的に手に職と言えるスキルが身につかない等ですが、労働者(特に女性)は事務で座り作業で一般的なOL像をイメージしているのでこれら業界は正直イヤイヤながら職に就くという方が多く、イヤイヤやっているのに時給も安いので「やってられない」と定着も悪い。一方で企業側は高度なスキルも必要ないし誰でもできる仕事なのだから安い時給でよいでしょうという両者ともに短絡的な部分があります。販売・サービス・飲食・物流業は元々学生のアルバイトとしての代名詞ですので、安く過酷でも学生なら文句を言わない時代がありましたが、今の学生は苦学生ではないので生活にゆとりがあり安い時給では働かないし、そこまでして働きたくないというニートも増えている。社会人であれば尚更900円程度では生活できないのでもっと割の良い事務職を目指してしまう。時給を上げないと人手が集まりにくく、定着もしにくくなっている。1000円にも満たない時給では人手不足に陥るのは当然で企業には決断を迫られる時期に来ていると思います。消費増税など物価は高騰しているのに対して1020円くらい時給上昇したくらいではこの問題は解決しないでしょう。企業側は人手不足に困っているのであれば時給は最低でも14001500円まで上昇させ人材を確保し、その分は商品を値上げせざるを得ない。値上げすることで客離れが起きるのであれば、そもそもそのビジネス自体に魅力がないということで破たんしているし、意地でも安い賃金で労働者を使うなら某牛丼屋のように閉店に追い込まれるというこれまた破滅の道しかなくなる。


高度なスキルを要しない誰でもできる仕事はむしろ専門業務よりも高額を用意する必要があるのかもしれません。かつてのアンケート調査で「スキルが身につかないので時給3000円でもコビニでは働きたくない」という回答がありましたが、まさに今の時代を反映しているような考え方の気もします。時代はどんどん変わっていますので、経営者も過去のセオリーにしがみ付いていてはやっていけないと思います。コンピューター技師の時給が1000円で、コンビニの時給が2000円なんていう逆転現象の時代も来るかもしれません。大手ハンバーガーチェーンでは安い時給でスキルが身につかなくてもそれでもよいという人材を集めています。いわゆるシルバー世代といわれる高齢者集団です。これはこれで理にかなっていて両者が互いにメリットを見出している。「7080歳の者に店を任せるのか?」という経営陣もいるかもしれませんが、斬新な発想がないと追い付かない時代なのかもしれませんね。他にもシフトの柔軟化や研修の充実など、職場環境の向上も改善要因としてありますが、これらを実施するにもお金はかかる。下手すれば時給を上げるよりも数倍の投資が必要かもしれないので経営者は頭が痛いところだと思います。労働者は物ではありませんので、需要と供給の関係で調整しなければ上手くいきませんので、比較的人事のプロを備えていない販売・サービス・飲食・物流業で満足いく人材を確保するのは難しいと思います。専門エージェントに依頼して、労働者が満足できる適切な時給で安定した人材確保をし、企業も労働者も互いに満足いくメリットを見出せるシステムを提供できるハケンの活用が企業も労働者も今後大きな鍵になりそうです。


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