第311話「対人恐怖症で面接」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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 企業面接でいざ自分の番になると“あがってしまう”のは誰でも経験があると思います。私も仕事柄色々な方々とお会いしますが、中には重度の方もいらっしゃるようですので、企業の面接官の方にも読んでいただければと思って書いてみました。

よく「あがり症」というのは聞いたことがあると思いますが広義では対人恐怖症の一種です。「恥の文化」を持つ日本において多くみられる文化依存症候群(主にその国の文化でしか発症しない症状、日本人以外では殆ど発症しない)として、外国でも“Taijin Kyofusho Symptons”と呼ばれます。他人の前での失敗経験などが起因となり、人前で症状が出ることを極度に恐れ、他者の前で極度の緊張にさいなまれる神経症で、軽度のものを“あがり症”、重度になるとパニック障害や引きこもりを引き起こします。赤面・どもり・電話恐怖・会食恐怖・多汗など細かく分類されますが、どれも人前で症状が出ることを恥じ不安に思うあまり、意識がその一点に集中してしまうことが原因で起こる仕組みです。面接時だけではなく就業後もこれら症状は業務に支障をきたす場合もありますので楽観視できない部分もあります(軽度の場合は「日常生活に支障はないし、これくらい誰でも同じだろう・・・」と医師の診断を受けずに隠したり又は無自覚なケースが多いといわれます)。 


 例えば赤面症(対人恐怖症の代表例で表面上活発なコミュニケーションが取れている者でも発症し、根本的に対人関係が苦手な人が表面上円滑を装っていても実は克服できていない場合に起こる)の場合は接客業・受付業・モデル・グラビアアイドルなど症状が直接職業生命にかかわることもあります。人混みの中で落ち着いて食事ができない会食恐怖症や、自分は会話が下手な人間だと思い込み自然な会話ができなくなる会話恐怖症、周囲の人から聞き耳をたてられているように感じる電話恐怖症など、これらすべて円滑な職場生活を妨げる症状になりかねません。
 

 吃音症(いわゆる“どもり”)は人前で特定の言葉が発しにくくなる症状で、普段は問題がないのに緊張する場面ではどもってしまうという方も多くいらっしゃるようです(緊張するからどもるというのは誤りで、現代医学ではどもるから緊張するということが判明しているそうです。精神緊張に起因すると思われていたため心理療法での治療という誤った方向に医学見解が進んでいたことも対策の後退につながったとも考えられる)。
どもり症は大体2歳で発症することが多く、原因は不明だが右脳障害にストレスや家庭環境などが複雑に絡み合うと考えられている。両親が躾に厳しい家庭の子供に起こりがちで31で男子に多い(女子は早くに胸式呼吸に移行するため、子育てのしやすさから厳格に叱りつける場面が男子に比べて少ないからなど女子の発症が少ない理由は諸説あり)。特に子供のころに国語の授業などで上手く教科書が読めずに嘲笑・いじめの原因となり子供の心に深い傷を負わされることが対人恐怖症への拍車をかけるという。吃音症を苦に自殺・引きこもりの事例も多く、健常者が考えている以上に本人にとっては深刻なケースが多く、本人はどもり症を人前で必死に隠すために、発音しやすい住所にわざわざ移り住んだり、声に出しやすい名前の車を購入したり、必要なものでも発音できなさそうな商品は購入しない又はかなりまわりくどい方法で購入するなど、吃音者が吃音を隠すために費やす労力や神経疲労は健常者の想像し難いものだといわれています。


 私の友人でもどもっている人は何人もいますが「どもっているな~」という程度にしか考えていなかったし、特に気にすることもなく接してきたように感じますが本人にとっては悩みだったと思います。社会生活において、発症者が心で感じている苦痛ほど周囲の人間は気にしていなかったり楽観的に接することが多いのですが、面接担当官もこういう部分は考慮して対応し、適材適所な配属をしてあげてほしいと感じます。私もあまりにも緊張(症状発症)している方には、できるだけリラックスできるように深呼吸をさせたり、しばらく目をつむらせたり、本題に入る前に雑談をしたり、一緒に軽く運動をしたりさせてから面接を行っています。当事者の抱く苦痛もわかりますし、何よりも良い人材を獲得するためには表面ではなく内面をしっかり見たいですからね。(出典・参考:ウイキペディア「文化依存症候群」)


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