ズボラなひとり暮らしの生態や、街で出会った忘れられない人々を独自の視点で描いたブログ「半径3メートルのカオス」が大人気カマタミワさんに、さまざまなお話を伺いました。

 

ギャグ漫画家志望からイラストレーターの道へ

 子供の頃からギャグ漫画家になりたくて、少女誌に応募して何度か賞をいただいたりもしたんですが、結局デビューには至らず一度諦めたんです。

 

 でも絵を描くのは好きだったので、イラストレーターになりたいと思って。学生時代から絵を描くバイトをしていたんですけど、やっぱりそう簡単にはなれなくて。就職してシステムエンジニアをしながら副業でイラストを描いて、資金をためてやっと独立しました。

 

人気を獲得するための戦略は毎日更新

 7、8年前からブログをやりたいと思って、いろんなエッセイ系のブログを見ていたんですが、ちょうどその頃イラストの仕事が忙しくなってしまって。

 

 最初はとにかく毎日更新しないと読者が増えないと思っていたので、今始めても絶対に続けられないなと。ただ、イラストの仕事が入れば入るほど、「もっとバカバカしいものが描きたい」っていうフラストレーションが溜まってきてしまって。

 

 そこで、あらかじめ1ヶ月分の記事を書きためた状態で始めたんです。1ヶ月毎日更新したことによって、やっぱり読者の方もどんどん増えていったので、これからブログを始める方にはぜひオススメしたいです。

 

おもしろい人を引き寄せる秘訣は「スキ」

 読者の方にもなんでそんなにおもしろい人に出会えるのかってよく聞かれるんですけど、人に比べて歩くのが遅いのと、目が悪くて街の看板とかも立ち止まって見てたりするので、街中で話しかけるスキを与えているのかもしれませんね。

 

 しかも「ちょっとおもしろそう」と思って、話を聞いちゃうんですよね私も。でもほんとにヤバそうだなと思った時は、一応周りに人がいるかどうか確認します(笑)。

 

 街でいうと、ペンネームの由来でもある蒲田はけっこう強烈でしたね。 今は駅の周りとかきれいになっちゃって残念なんですけど、私が住んでいた当時はまだ酔っ払いのおじさんが元気いっぱいで奇声あげてたり(笑)。中華料理屋さんとかも日本人が全然いなくて、すごく異国情緒に溢れていて楽しかったですね。

 

書籍化で読者の反応は?

 2月にブログを元にした書籍「ひとりぐらしもプロの域。」が出版されて、たくさん反響をいただきました。干してあるパンツを直接取って履いたり、ゴミ袋かぶって髪切ったり、すごく雑なことを描いてると思っていたんですが、「私より全然ちゃんとしてますよ」っていう女性がかなりいて驚きました。

 

 逆に「こんなことしてるの!?」って引いちゃうのは男性が多くて、男性の方が実はちゃんとしてるんだなという意外な発見もありましたね。

 

夢はドラマ化!ギャグ漫画にも挑戦したい

 今後の目標は色々ありますね。最近ドラマ化されるブログも出てきて、すごくうらやましいです(笑)。でもそういうブログって、主人公だけじゃなくて周囲のサブキャラがすごく魅力的なんですよね。

 

 私の場合、基本的にいつも受け身なので、おもしろい人と出会っても一瞬の関わりだけで終わってしまって、レギュラーキャラがいないのが悩みでもあるんです。初対面の場合は適当に話せるんですけど、2度めに会うと緊張しちゃってなかなか仲良くなれないんです。それは直したいですね。

 

 あと、もう1回フィクションのオリジナル漫画を描いてみたいです。今はまだ実力的に無理なんですけど、描きたいものをどんどん描いて、「おばあちゃんになってもまだ描き足りない」なんて感じだったら楽しいだろうなと。

 

 結婚とか全然想像つかないんですよね。しかもこんな本出しちゃったら余計にモテなくなっちゃいますね(笑)。

 

カマタ的ひとり暮らしのススメ

 ひとり暮らしの醍醐味って、とにかく何でも自由なこと。DIYとか料理とか、ひとりでできることがどんどん増えていくのもすごく楽しいですね。でも一番大きいのは、今まで価値をよくわかっていなかったもの、たとえば周りの友人とか家族とか、お金とか健康とかが大切に感じられるようになったこと。

 

 「ひとり暮らし、したことない方はぜひぜひ!」って感じで、皆さんにオススメしたいですね。

(文:山田文 イラスト:カマタミワ)

 

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