自分のルールを手放すきっかけ
カウンセリングサービスの北さとしです。
「仕事の心理学」は山田耕治カウンセラー、すのせさちこカウンセラー、
伊藤顕市カウンセラー、私の4名で隔週にてお届けさせて頂きます。
最近仕事で日程の調整を行うことがあった時のことです。
ある人から会議の打ち合わせ日程をいくつか出してほしいと頼まれました。
そのために、私が事前に予定を確認して回らなければならない人たちは非常に
たくさんおりました。その人たちとのスケジュールを何とか調整し、やっとの
思いで相手にいくつかの会議日程案を提示することができて、ほっとしていた
ところへ、その依頼者から「自分のスケジュールと合わないので、他に日にち
を出して欲しい」とあっけなくやり直しになりました。
まぁ、雑用と言えば雑用なので大した事では無いのですが、何日もの時間を
費やしたこともあり、「お前がみんなに合わせれば済むんだから、それぐらい
空気を読めねぇのかよ。」と内心は結構怒り狂っていました
(あくまで内心ですよ、表面上は大人な対応です)。
☆自分のルールへの拘り
この手の雑用に関しては、私は普段から相手に失礼がないようにと、自分の
側の日程については必ず全関係者の予定を確保した上で、調整の土台に乗せる
ことへの拘りがありました。当然ながら手間はかかります。だから、今回の
ように相手から「その日程はどうしても都合が悪いのでもう一度調整し直して
もらえませんか?」と言われれば、1からやり直しです。
☆相手への怒り
その相手からの返事は即レスで帰ってきたので、
「最初からわかってるなら、はじめにその日は都合が悪いって言えよ」
と自分の中でふつふつと湧き上がる怒りやイライラを感じておりました。
そして、他に急ぎの用件を抱えている中で、割り込むように頼まれたことも
あり、自分の中で何かが切れたような気がしました。
☆怒りのあとの虚しさ
その怒りを感じているうちに、ふとこんな風にも感じたんですね。
「あーあ、やれやれ、この数日間、一体何をやっていたのだろう?
やってられんな。もういいや。」
虚しさですね。或いは冷めた感じ。これを感じると言う事は、これまで
私なりに一生懸命だったのかもしれません。その糸が切れてしまったと
言うことなのでしょう。
ただ冷めたのは、仕事に対してと言うよりは、大切にしてきたルールに
対してと言う事かもしれません。
☆冷めた時は自分のルールや拘りを棚卸しのチャンス
私がこれまで大切にしてきたルールは、
・こちらがすべてお膳立てしてあげること。
・相手に負担をかけてはいけない。あるいは助けてもらってはいけない。
と言うものでした。
だから、相手は私が自分の職場の関係者の予定を全て調整しきって提示した
日程から選択するだけ。
一方で、私はその選択肢一つ一つを作るのに大きな労力を費やす。
(それぐらい丁寧にやってきたつもりでしたが、お読み頂いている方の中には
私のやり方を効率が悪いと感じる方も大勢おられると思います。)
でも、会社の収支に例えれば、こちらが赤字を出し続けるに等しいですよね。
つまり自分を犠牲にしている状態なので長続きしません。
自分がかなり無理をしていると言うことに初めて気が付きました。
☆冷めた時は自分のルールや拘りを手放すチャンス
あっさり相手に却下されてしまった時に私が感じたのは、
「もういいや」=「もうこのルールに拘るのはやめよう」
「自分が大事にしている価値観やルールを相手も尊重するとは限らない」
「なら相手との関わりにおいては、このルールを手放しても失礼にならない」
と言うことではないかと思います。
だから「相手にいつが良いか決めてもらい、その中でこちらが対応できる
日を答えれば良い。その方が効率も良い。何も全部揃えてから相手に
話さなければいけないわけではない。それは自分が勝手に決めたルール。」
やっと自分のルールを手放せた瞬間でした。
☆自分の中にあるルールは自分の観念や価値観を表す
自分の中にあるルールとは、自分が同じように扱ってほしいと思っている
基準でもあります。そして、自分がこのように扱って欲しい、こうある
べきだと言う価値観と密接に関わりがあります。
同時に、他人に対しても同じであるべきだということです。
言い換えれば、拘っているのは「相手も自分が尊重しているそのルールを
同じように大切にしてくれるはず。」
と自分自身の観念を投影していると言うことになります。
☆ルールを手放すことによって選択肢は広がる
でも、そのルールに縛られている以上、自分自身が窮屈な思いをしている
ことには変わりはありません。だから、手放せた結果、自分自身の選択肢が
広がったと言うことなんですね。
仕事をやる上で、効率化を大きく阻害していたのは、実は自分のルール
だったのかもしれません。
手放すきっかけは何であってもいいと思います。
私の場合、今回は冷めてしまったところからでした(普通の人間なので、
こんな風にバランスを失う事は日常茶飯事) 。
全てを背負わずに、相手にも少し助けてもらう。
もっと言うならば、少しばかり相手にも協力してもらう。
私に欠けていたのは、そんな感覚かもしれません。
何かの参考になれば幸いです。
今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
次回は伊藤顕市カウンセラーが担当いたします。お楽しみに!
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