周りの人がみんな敵ばかりに見えるとき | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

周りの人がみんな敵ばかりに見えるとき

こんにちは。カウンセリングサービス成宮千織です。

 

 

【恋と仕事の心理学】火曜日の「うまくいくコミュニケーション」は、

大麻織江カウンセラー

松尾たかカウンセラー

優木るなカウンセラー

 

そして、わたくし成宮千織の4人でお届けします。

 

 

カウンセリングサービス心理カウンセラーの成宮千織です。関わる人がみんな敵に見えるとき、私たちの心の中ではどんなことが起きているのでしょうか。なぜ、そのように感じてしまうのでしょうか。

 

周りの人がみんな敵のように感じている人は、少なくありません。友達に囲まれて日々が充実しているように見える人でも、心では「どうせ私なんてみんなに嫌われている」と、孤独を感じている人はいるのです。

 

 

 

 

 周りがみんな敵ばかりに見えるときは、どんな時で、どんな気持になりますか?

 

 

攻撃されたり、批判されたり、無視されたり、悪口を言われた。自分の気持ちに共感してもらえなかった。職場や家庭の中で、自分ばかり頑張っている気がする。困っているときに助けてくれなかった。誘ったのに冷たく断られた。自分の意見とは違う意見を言われた。自分にないものを持っている…など、敵だと感じる場面は人それぞれです。

 

では、敵だ!と思ったときにあなたは、どんな気持ちになりますか?

私は怒が出たり、モヤモヤしたり、悲しくなったり、怖くなったりします。どれもいい気持ちではないです。敵だと思った瞬間に私たちはその人への愛を止めてしまいます。それってとっても苦しいことなんですよね。

 

 

 では、次にどんな行動を取りますか?

 

物理的にその人から距離を取る人もいれば、拗ねたり、心を閉ざしたり、反撃することもありますよね。

 

人は、何か出来事があって、認知(ものの考え方、捉え方など)、感情がわきます。そして行動に移します。
出来事→認知(自動思考)→感情→行動

 

この認知の歪みによって、相手を敵だと感じてしまうことがあります。

 

 

 

 

認知の歪み10パターンと例

1.全か無か思考 物事を白黒はっきりさせたくなる

2.過度の一般化 一度失敗しただけでも、自分はダメだと思い込む

3.心のフィルター 「せっかくのデートなのに、シャツにシミがついていて最悪な日だった」

4.拡大解釈と過小評価 自分の失敗は大きく捉え、成功は「たまたま」など

5.感情の決めつけ 「~にちがいない」など

6.マイナス化思考 家を建てても、これから一生ローン地獄だ」とマイナス思考になる

7.結論の飛躍 「口では褒めるが、心の中ではバカにしてるに違いない」

8.すべき思考 「こうすべき」「こうすべきでない」「こうであらねばならない」

9.レッテル貼り ミスをしたら「自分は能力が低い」とレッテルを貼る

10.個人化 ネガティブな出来事の原因を、すべて自分の責任と考える

 

 

相手を敵だと感じる原因が自分自身の認知の歪みだとしたら、やっぱり私が悪いんじゃないの?と思ってしまうかもしれません。認知の歪みとは思考のクセであって、あなた自身が悪いわけではありません。認知の歪みは誰でもあるものですし、認知の歪み自体は悪いものでもありません。ただ歪みが強いと苦しみが生まれたり、生きにくさを感じることがあります。

 

この認知の歪みを治すことは時間がかかるかもしれませんが、認知行動療法などで認知の歪みに気づき、捉え方を変えることで改善は可能です。

 

 行動にメリットがあるとしたら

 

 

この認知の歪みを正しくするという方法をご紹介します。先ほどの出来事→認知(自動思考)→感情→行動をつかいます。

 

この矢印を逆向きに変えて考えていきます。

行動→感情→認知(自動思考)→出来事

 

この「行動」に何かメリットがあるとしたら?拗ねる、距離を取る、心を閉ざすなどをすることで何を得られるか考えてみてください。

 

構ってもらえる

優しくされる

謝ってもらえる

 

これは、私の妹の事例です。

妹は家族みんな敵ばかりと思っていました。妹は難病を抱える娘の育児を一人で頑張ってやってると思っていたんですね。夫は仕事から帰って来ると家事を手伝うことなく自室にこもってしまいます。高校生の息子は母親である妹の言うことを聞きません。娘すらも反抗期で妹に口ごたえばかり。とうとう、妹は怒って実家に戻ってしまいました。始めての家出です。

 

この「行動」に注目すると、家出にメリットがあるんです。妹はずっと一人になって自分の時間を過ごしたいと思ってきました。でも、それを言えば、無責任だとかわがままだと言われてしまうと思っていました。自分でそれを許せませんでした。

 

この自分の時間を得るために、認知の歪みが必要だったんですね。自分だけが頑張っている。誰も言うことを聞かない。私は必要ない、この先もずっとこの状態が続いていくだろう。「あぁもうウンザリだ!」これが原動力となって家を出ることができたんです。それくらい強い何かがなければ家を出ることができなかったともいえますよね。

 

妹は数年前から強迫性障害を発症し、火を消したか、戸締りをしたか、確認に毎日何時間もかけていました。私から見ても、とうに限界を超えているように見えました。

 

妹は実家で上げ膳据え膳の生活をし、十分に休養をとり、自分自身を取り戻し3週間後、自宅に帰っていきました。長年、「癒しが欲しい」と言っていた妹の元に保護猫もやってきました。妹の家族も自分のことは自分でできるようになり、結果的に良いことばかりだったんです。

 

自分だけが頑張っている。誰も言うことを聞かない。私は必要ない、この先もずっとこの状態が続いていくだろう。このような認知を歪みがなくても、「疲れてしまったから、しばらく実家に帰る」これだけで良かったのかもしれません。誰も反対もしません。妹自身が自分を縛っていたことに妹は気づきました。

 

周りがみんな敵ばかりに見えるとき、認知の歪みと、それによって取った行動にメリットがあるとしたら?一度そんな視点で考えてみるのもいいかもしれません。

 

 心の壁で隔てる自分と他者

 

周りがみんな敵のように見えるとき、私たちの心の中には私と他の人。このような心に壁ができていることがあります。

 

例えば、「みんな私のことを嫌っている」と思うとき、そのみんなをバラしてみるとAさんとBさんは確かに私のことを嫌っているようだけど、C子さんやD子さんは嫌ってはいないなど、事実として「みんな」ではないことが多いのです。これも認知の歪みのひとつです。

 

まず、この壁を壊して、私とAさん、私とC子さん個々で考えるようにしてみるといいと思うのですね。一人一人考え方もモノの見方も感じ方も違うのです。壁の向こうの人たちは繋がっていないのに、自分の知らないところで繋がっているように感じてしまい、みんな私の敵だと思いがちです。

 

一部だけ切り取ってそう見えてしまうこともありますよね。そして孤立感や疎外感がわいて来て、苦しくなってしまうんです。心の壁は私たちの心を守ってもくれますが、同時に人の優しさや愛情を受け取ることもできなくなります。「今は優しくてもどうせ、見捨てるんでしょう。」みんな、敵。そんな経験が積み重なっていくと、心の壁は高く厚くなっていきます。

 

世の中には意地悪な人も攻撃的な人もいますが、親切で優しい人もいるんですよね。その人たちを混ぜて壁の外の人にしているかもしれません。自分対他人ではなく、個人個人で見ていくといいと思うのです。

 

 

いつも人間関係がこじれて自分から関係を切ってしまう。周りの人がみんな敵ばかりにみえてしまう。それには原因が必ずあるんです。それはいつ頃から感じていたことですか?何があったんでしょうか?深く傷ついた出来事があったかもしれません。苦しさや寂しさは大元にある「その傷に早く気づいて」という心の叫びかもしれません。

あなたは絶対大丈夫!応援しています。

 

 

次回火曜日は大麻カウンセラーです。

どうぞお楽しみに!!

 

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◆成宮千織(なるみやちおり)

・パートナーシップ(恋愛、不倫、浮気、復縁、夫婦関係)
・メンタルヘルス(うつ病、その他 心のお悩み)
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