ものごとのとらえ方は、いかようにも変わります
皆さま、こんにちは。佐藤まゆみです。
「恋と仕事の心理学」、金曜日は“恋と仕事のライフプロデュース”です。
毎週金曜日、櫻井朱実カウンセラー、蒲谷芳久カウンセラー、高梨弥生カウンセラーと私の4人でお届けしています。
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「あの時、なんであんなことしちゃったかなぁ。」
「失敗だった。」
「本当にバカみたい。」
思い出すたびに自分で自分の頭をコツンとやりたくなるようなことって、ありませんか?
人生を大きく左右するような出来事から、日常の些細なことまで。
人の暮らしは、常に何を感じてどう判断するかの連続です。
いつも満足の得られる結果ばかりではなく、時には「これは間違ってたな。」「しまった!」と思うようなこともあるでしょう。
けれど、時が経って振り返ってみれば案外に別の要素が見えてきたりするものです。
ずっと以前に、母と買い物した時の話をシェアさせてくださいね。
◆母との買い物
私の母は、鯖寿司が好きです。
今は超高齢(97歳)になってしまったので、自分で遠出してまで買いに行ったりできませんが、以前はどこそこの店が美味しいと聞けば「それはぜひ!」と行動に移すタイプでした。
ある時テレビを見ていると、地元のデパートで開催されている物産展を紹介していました。
その中に「まぼろしの鯖寿司」と呼ばれている絶品があったんです。
お値段、なんと一本14,000円也。
レポーターがうやうやしく差し出しています。
脂が乗ってツヤツヤした分厚い大きな「しめ鯖」がデンと乗った鯖寿司。
竹の皮に包まれて、高級感が漂っています。
「うわぁ、すごいねぇ。」
「美味しそう!」
「やっぱり、そこら辺の鯖寿司とは違うんだろうねぇ。」
などと言いながら画面を見ていました。
その時はそれで終わったのですが、数日後二人で出かける用事がありました。
その帰りに母が、「まだ物産展やってるから、見ていこうか?」と言います。
見てまわるのは楽しいですからね。
その日が最終日で、かなりの賑わいの会場をのぞいてみました。
そして、例の鯖寿司のお店の前に来ると母が、「どんなに美味しいのか食べてみないと分からんよね。」と買う気満々です。
私はまぁ、自分で買うわけでもないし母が買いたいのなら話のタネになるし、と反対はしませんでした。
店員さんは、いそいそと「お客さん、お目が高い!これは最高級の品ですよ。」と包装した鯖寿司を手渡してくれました。
良いものを買ったという満足感。
それは確かにありました。
さて、帰り着いてしばらくすると、たまたま姉や姪が遊びに来たんです。
ちょうど良いわ。
皆で、この鯖寿司を味見しましょ!となりました。
一切れに換算すると、1700円ほどになります。
「うわぁ、これ一切れの値段でランチが食べられるよね。」なんて言いながら食してみました。
「美味しい!」
「さすが!」
口々に褒めそやします。
ところが、母が一言。
「美味しいけど、いつもの鯖寿司と値段ほどの違いはないなぁ。」
あらま、身も蓋もない。
確かに、いつもの鯖寿司の何倍もの値段ですが、そこまで美味しいかと言われたら返事に困ります。
誰もが思っていても口に出せなかった言葉を、母がサラッと言ったので大爆笑になりました。
この買い物、失敗だったかな・・・トホホ。
◆この出来事の本当の価値
さて、この高級鯖寿司失敗事件。
その後、ことあるごとに引き合いに出されるようになりました。
つまり、期待した何かがさほどでもなかったときに、
「あの鯖寿司みたいやなぁ。」とか
「あの鯖寿司よりマシ。」なんて具合になるんです。
“あの鯖寿司”が何か分かっているもの同士ならツーカーですし、知らない親戚や友人は「鯖寿司って何のこと?」と聞いてくるので、かくかくしかじかと話すと、必ず笑いの渦が巻き起こります。
あれから10数年経っていますが、今もたまに母にその話をすると記憶がよみがえるようで楽しそうです。
これは、いつか母がいなくなったとしても、法事の席などで話題に出るかもなぁ。
そこで、ふと思うのですよ。
あの鯖寿司の本当の価値は、こういうことではないのかなと。
高いのに、それほどでもなかったものを買ったのは失敗だったかもしれません。
でもその後何回となく話題に上り、その場を和ませ、母の人柄をも表してくれました。
それを考えると、失敗とは言い切れないな。
゜゚*☆*☆*゚ ゜゚
一つの出来事に対するモノの見かたは無数にあります。
もし、一方方向からだけして見ていなくて、クヨクヨしたり悩んだりしているのなら「違う見かたがあるとしたら」と考えてみてください。
この経験から得られたものは何だろう?
失敗だと思っていたけれど、あれはこういう教訓だったな。
立場が変われば、受け止め方も変わるんだ。
起きた事実は変わりませんが、ものごとのとらえ方はいかようにも変わります。
失敗の記憶は塗り替えられる。
これ、本当です。
自分にとって、有益な上書きをしていきたいですね。
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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次週、9月8日は、蒲谷芳久カウンセラーの担当になります。
どうぞ、お楽しみに
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