羊のキモチ | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

羊のキモチ

中山塁

 

こんにちは、カウンセリングサービスの中山塁です。

 

毎週水曜日は「素敵な愛の育て方」というテーマで、東条正貴、私・中山塁、なかやしのぶ町村ゆきの4人が交替でお届け致します。

 

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最近はあまり聞かなくなったような気がしますが、
世の中にはかつて、肉食系○○(男子・女子)や草食系○○という、
キャラクター分けのようなものがありました。

私の主観としても、ギラギラした肉食系男子は狼、
大人しめな草食系男子は羊をイメージさせるものもあって、
上手な例えだなと思っております。

カウンセリングでは、お付き合いをする手前の段階でのご相談で、
肉食系の彼や草食系の彼についてのお話を伺うことがありまして、
中でも多いのは、草食系の彼についてなんですね。

「彼は何を考えているんでしょうか?」
「彼は何がしたいんだと思いますか?」

お誘いは受けるけれど、進展がない。
毎日ラインはしているけれど、核心に迫る気配がない。

「その行動の意図が分からない」

というのが羊タイプの男性の特徴のひとつのようなのです。

ということで久々に男性心理について考えてつつ、
今回は内気な男性にもお役に立てそうなお話をしてみたいと思います。

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かく言う私も、草食系、羊タイプと言われた男性でございます。
かつては「君は草食じゃなくて草だね」と言われたことがあるくらいでしたが、
さすがに今はバランスよく摂れるようになった(?)方だと思います。

さて、羊タイプの男性も別に女性に興味が無い訳ではありませんが、
意中の女性との距離の取り方については、かなり慎重になったりします。

というのも、自分が「悪い狼タイプ」の男性のように、
ギラギラとした下心であなたに近づいているのでは?という、
そうした誤解をされたくない思いがあるのです。

元来、羊タイプの男性は真面目で誠実であることが多く、
行動を起こす前には、いろいろと考えるタイプだったりします。
ですから、遊び目的などと誤解されないためにはどうすべきか?と考え、
結局、その場の会話を楽しむことしか出来なくなってしまったり、
お付き合いや好意についてなどの核心に触れる言動を避けてしまったりと、
積極的な行動がなかなか取れなくなってしまうんですね。

さらに、恥ずかしがり屋という一面を持っていたりすることも多く、
相手への好意を悟られたくないというキモチから、
好意をひた隠しにしてしまう場合も少なくありません。

相手は好きな人ですからね。
そんな人の前で恥ずかしさ(=恥をかく)を感じたり、
緊張してうろたえている自分を見られるなんていうのは、
死んでも嫌なことだったりしますので、
全く好意を感じさせない態度を取ったりすることもあるようです。

ですので女性側からすれば、
「彼は私に興味が無いのかな?」と感じてしまうことがあると思います。
また羊タイプの男性は、過度な安心感を与えてしまう(ドキドキしない)ことで、
恋愛対象から外されてしまうことも少なくなかったりします。

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ところで、こうした羊タイプの男性心理の背景には、
男らしさを否定している部分があったりするようなんですね。

男らしさのイメージを思い浮かべてみると、
「力強さ」、「決断力」、「自信」、「行動力」だったりと、いろいろありますね。

でも、それらもネガティブに見ようとすれば、
暴力、独断、驕り、身勝手など、すごく嫌なものに見えてしまいます。

そして自分の中にそんな一面があると思えば・疑われたくなければ、
それらを隠そうとしたり、封印したくなると思うんですね。
ですから羊タイプの男性は、男らしさを心の奥に封印(抑圧)していたりするのです。

でもですね、ネガティブな男らしさだけを封印したつもりが、
気付かずにポジティブな方もまとめて封印されてしまっていたりするんですよね。

ですから、積極的にアプローチをしようと思っても、
何か悪いことをしているような気がしてしまい、その封印を破れなかったりします。

カウンセリングでもよく、
「男性は本当に好きなら動くはず」という意見を伺うことがありますが、
それはポジティブな男らしさを上手に使える男性であって、
男らしさを封印してしまっている羊タイプの男性の中には、
あなたのことが本当に好きであっても、動けなかったりする人もいます。
あなたが自分の前から去って行くとしても、
ただ指を咥えて見送るだけしか出来なかったりするのです。

ちょっと信じられないかもしれませんが、
男らしさ(男性性)への否定が強かったりすると、
積極的に動けないという場面が出てきたりするようです。

そうしてネガティブな男らしさ(悪い狼の面)を否定すると、
そこには安心安全・誠実真面目な男性が誕生します。
ただし、ポジティブな男らしさもまとめて封印(抑圧)されているので、
男らしさに欠けるただの「良い人」になってしまっている場合もあるようです。

こうした羊タイプの男性と交際していくに当たっては、
長期戦を構えていくことも視野に置いておく方が良いかもしれません。

彼はあなたに悪い男だと誤解されないように、あなたを傷付けないようにと、
大切に扱うあまり、とても回りくどいアプローチをしているのかもしれません。
そこではあなたが彼の言動をどう捉えるかもポイントとなります。

交際が進展しないのは彼が私に魅力を感じていないから?などと捉えたりせず、
彼は私以上に自分の魅力に自信が無い人なのかもしれないと思ってみてください。
もしそう感じることがあるなら、彼が自分自身をどう評価しているのか聞いてみても良いでしょう。

そして彼と一緒に、彼の男らしさを育ててあげるのも良いのではないかと思います。

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では、羊タイプの男性諸氏はどうすれば男らしさを育てられるのか?ですが、
かつて羊タイプであった私の実践経験上では、
誰かに喜んでもらうという体験を積むのがとても良いと感じています。

それは女性でも男性でも、誰でも良いんです。
慣れてくれば女性が良いですけれどね。

自分が役に立つとか、助けになれたとか、
そういう思いをたくさん感じてみて欲しいんですね。

私がやったトレーニングで一番身近なものは、
電車やバスで立っている人に席を譲るということをやりました。
たったそれだけのことでも、自分がしてあげたいと思うことを実行し、
少なからず役に立てたと思えるだけでも、
自己肯定感は上がり、男らしさ(男性性)も少しずつ育っていくと思います。

大事なのは、頼まれたからやるのではなく、
自分がしたいと思ったことをする、ということです。
そこには勇気や度胸が必要になることもあると思います。

というのも、私などはネガティブなことばかり考えちゃうタイプだったので、
席を譲ろうとしても余計なことするなと怒られたりしたら嫌だなとか、
断られたらばつが悪いなと思ったりして、怖じ気づいていた時期があり、
「今日も出来なかった」と自分を情けなく思っていたりしました。

でもある日の電車の中で、1人の若い男性が遠くで立っているおばあさんに、
「ここ、どうぞ」と声を掛けて座らせてあげていたのを見て、素敵だなと思ったんです。そして自分もああいう人になりたいと思ったんですよね。

怖じ気づくばかりの自分と、あの人との差を思うと、
何だか打ちのめされたように感じたものです。
そこから私も勇気を出すんだ!と決めたのです。

次の日、私は私が座っている席の前に立つおじさんに声を掛けてみたのです。

「座られますか?」

緊張で変な言葉遣いをしてしまったのを今でも覚えています(笑)
すると、おじさんはうなづき、私と席を入れ替わる。
そのすれ違いざまにひと言、「ありがとう」と言ってくれました。

やり遂げた!というほど大袈裟なことではありませんが、
あの日、勇気を出せたことは今でも心に残っています。
自分の厚意を受け入れてもらえたというのが、とても嬉しかった。

まあ、こんなのって全然普通のことかもしれません。
でも人によって勇気が必要な場面って様々だと思うんですよね。

ただ、その必要な場面で勇気を振り絞れるのって、ちょっと男らしいと思いませんか?

こんな風に、ぜひ身近な日常でも勇気や男気を育ててみてください。
きっと誠実さと勇気を兼ね備えた、素敵な男性になれると思います。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

来週はなかやしのぶカウンセラーが担当致します♪ お楽しみに!

 

クローバー クローバー クローバー

 

中山塁のブログはこちら

男性心理、いろいろ載せています。

 

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