それは、その人の問題 | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

それは、その人の問題

佐藤まゆみ

皆さま、こんにちは。
佐藤まゆみです。
「恋と仕事の心理学」、金曜日は“恋と仕事のライフプロデュース”です。

毎週金曜日、櫻井朱実カウンセラー蒲谷芳久カウンセラー高梨弥生カウンセラーと私の4人でお届けしています。


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職場で関わり合あって仕事している人が、不機嫌だったり、あきらかに自分を避けるような態度を取っているように見えると気になりますね。

最初は「あれ?気のせいかな?」
くらいの感じでも、度重なると「私、何か悪いことしたかな?」と、いろいろ思いめぐらせてしまうものです。

でも、このような場合、いくら考えてもコレと言うようなものは出て来ません。

思いっきり勇気を出して
「ねぇ、私なにか気にさわることした?」と聞いてみても、大概の答えは「べつに」です。

そう言われると、お手上げですね。

この辺りで、考えあぐねてご相談を頂くことも多いです。


その人なりの理由はある

結論から先に言うと、いくらこちら側に落ち度がなかったとしても、そのような態度に出ている人にはそれなりの理由があるんです。

「はぁ?わざわざ理由を聞いたのに『べつに』と言われましたけど?」
と思うかもしれません。

けれど、言葉にはしなくてもその人なりの満たされない思いが結局態度に現れているんですね。

その理由が正当かどうかは、別問題なんです。

私にも、そんな経験がありました。

もうずいぶん前のことですが、ある会社に勤めていた時のことです。

私は新卒で入ったばっかりだったので、右も左もわからず仕事を覚えるのに必死でした。

課の中でもベテランの先輩女性は、親切で優しく面倒見も良かったので、私はとても信頼していました。

1年あまり経つと、私も少しは自分で仕事をこなせるようになっていましたが、それでもその先輩がいてくれると安心できました。
可愛がってもらっていたな、と思います。

ところが、ある時から急にその先輩の態度が一変しました。

挨拶しても返事してもらえない。
質問しようとしても、めんどくさそうにされてしまう。

「挨拶、聞こえなかったのかもしれない。」とか「忙しいときに質問したのが悪かったのかな?」と考えて、気にしないようにしようと思いました。

そうは思いましたが、意識したものは拡大していきます。
脳は否定形を認識しないと言います。

つまり、「気にしないように」と思えば、脳は「気にする、気になる」ととらえるんですね。

そのころはまだ心理学のことなど何一つ知らなかったので、
「私の何が悪かったんだろう?」
「何で嫌われたんだろう?」
とずいぶん悩みました。

かなり長い間悶々としていましたが、ある時“その人なりの理由”を偶然知ることになりました。


なんだ、そうだったのか!

その会社には、社内報というものがありました。

本社や工場、支店がいくつかあるので、それぞれの勤務部署以外のことも働いている人たちに知ってもらうための月刊リーフレットです。

ある時、私の勤務している部署が取り上げられて社内報に載ったことがありました。

もちろん私もその記事は見て、「へぇ、こんな風に取り上げられてるわ。」と思った覚えがあります。

私には、ただそれだけの記事だったのですが、その先輩にとっては大問題だったようです。

なぜなら
スタッフ紹介の表示名が私よりも後になっていたから。

「えっ、そんなことで!」と知ってしまえばびっくりですよね。

なぜそれが分かったかと言うと、私が雑談の中で「〇〇先輩に嫌われちゃったみたい。」と悩んでいたら、「心当たりがある。」と言ってくれた人がいたからです。

社内報の編集にたずさわっている人だったので、その先輩が名前の表記にかなり強い不満を漏らして訴えていたことを知っていました。

非常に驚きましたが、これはもう私にはどうすることも出来ません。

この理由では先輩に「私に何か悪いところはありましたか?」と聞いたところで「べつに」としか言いようがなかったのも分かります。

「なんだ、そうだったのか!」

ともかく、その人なりの理由が分かってホッとしました。


人の問題と自分の問題は切り離して考える

先輩からしたら自分なりのプライドが許さなかったのでしょう。
本当の自信やプライドであれば、そう簡単には傷つかないはずですが、このネガティブな感情は自分でもどうしようもなかったんでしょうね。

その時の先輩の心情を代弁するなら、
「こんなことで落ち込んでいる自分がイヤ。でも、この気持ちは治まらない。相手の顔を見るたびにムカムカする!」
というところでしょうか。

でも、それはその人の問題なのです。

そうして問題を切り離してみれば、自分のやるべきことは「振り回されない。」それが一番大事だと思えてきます。

この時は、たまたま相手側の理由を知って、心が軽くなりました。

けれど、いつも相手の理由を知りえる訳ではありません。
不可解なままでいる場合も、多いものです。

皆さんの人間関係でも、職場、友達、パートナーなどの関わりの中で、急に態度が変わったり、怒りだしたり、連絡が途絶えたりした時には、焦ったり慌てたりせずに一呼吸置いて考えてみてください。

こちら側にあきらかな落ち度があるのなら、素直に詫びた上で今後どうしていくかは自分の問題です。

けれど、特に理由が見当たらないなら、それはその人の対処する問題。

そこは切り離して考えるようにしてくださいね。


最後までお読みくださって、ありがとうございました。

佐藤まゆみ


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あじさい次週、6月19日は、蒲谷芳久カウンセラーの担当になります。
どうぞ、お楽しみに音譜

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