男女の違い~男って鈍感?~ | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

男女の違い~男って鈍感?~

 
みなさんこんにちは。 カウンセリングサービスの樋掛豪です。

火曜日の「うまくいくコミュニケーション」は三枝みきカウンセラー小倉健太郎カウンセラー吉村ひろえカウンセラーの4人で担当しています。
 
 
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男性と女性は、本当にたくさんの事が違っています。
最近になって少しずつその事が知られてきたようですが、まだまだ理解できない事、納得できない事も多いようです。

「違っている」のはそんなに問題ではないのですが、「違いを知らない」でいると、びっくりしたり、問題が起こってしまう事もあります。
今回は男女の違いの中でも、特に問題の原因になりやすい「感情の違い」について考えてみたいと思います。


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最初にちょっと極端な話になってしまいますが、男と女というのは、生物としては「別の種類の生き物」という見方もできます。
動物のオスとメスを見てみるとわかりますが、明確に役割が違っていたり、オスとメスで見た目や体の大きさも全然違っている場合もあります。
 
「血を吸う蚊はメスだけ」とか「アンコウのメスはオスの10倍の大きさ」などの話を聞いた事がある人もいるのではないでしょうか。
元々、それぞれ別の役割があって「オスとメス」が存在しているので、大きさが違ったり行動が違ったりするのは当たり前なわけですね。


人間も、最近でこそ男女の違いは少なくなってきましたが、比較的最近まで、男女の役割は明確に分かれていました。
大昔の原始時代には、男が狩りに出かけ、女性は家庭で子供を育てる、という生活だったでしょうし、そんな状態が何百万年も続いてきたわけです。

もう少し近代であっても、戦争が起きた時に戦いに行くのは男性の役目で、家庭を守るのは女性の役目・・・という風に、つい最近まで、この役割分担はほとんど変わる事がなかったようです。


しかし、現在では女性が仕事をしに家をでかけたり、男性が家で家事や子育てをする、という事も珍しくなくなってきました。
そうなってくると、心の中で「男性と女性は、そんなに違わないんじゃないか」「性別が違っていても、同じ事を感じているはずじゃないか」という心理が出てきてしまう事も多いようです。
「オスとメスはいろいろと違っているのが当たり前」という事を、つい忘れてしまうようなのです。

しかしながら、何百万年も続いた習慣や、もともとの生き物としての作りの違いは、思っている以上に大きいようです。
特に、最も問題の原因になりやすい「感情の違い」については、目に見えない部分だけに、「同じようなものだ」と思ってしまうとトラブルが起こりやすいので注意が必要です。



では、感情はどのように違っているのでしょうか?
はっきり言ってしまうと、男性は感情に対して鈍感です。

誤解のないように捕捉させてもらうと、かつては「鈍感」は「勇敢」でもあり、才能であった時代が長かったのです。
狩りや戦争に出かけていくのに、感情に敏感であったり繊細であったりしたら、とても戦う事なんてできなかったからですね。
痛みや恐怖に負けないためには、自分の感情を殺し、鈍感にならなければいけなかった訳です。

そしてそこへ加えて、男性は子供のころから教育として「泣くんじゃない」とか「男の子なんだから、我慢しなさい」と言われて育ってきた時代が長くありました。
そうすると、「泣いたり弱さを見せるのは、悪い事なんだ」「我慢する事が強さなんだ」と思ってしまい、ますます鈍感になっていく事が多いのです。


一方女性は、昔から家庭で子供を育てたり、家庭の中の様子や雰囲気、場合によっては他の家庭とのお付き合いの事なども考えたりして、感情を扱うのは得意です。
子供が病気になったり、熱を出したりしたらすぐに気が付けるように、感情や表情を読み取る機能に優れています。

文化としても、男の子は子供のころから追いかけっこや体を動かす遊びが好きで、漫画なども戦ったり冒険したりする漫画がほとんどです。
女の子はおままごとをしたり、ぬいぐるみに話しかけたり、恋愛ドラマの主人公に憧れて「こんな恋愛ができたら素敵だな」と感じたりして育っていきます。


感情を殺し続けてきた男性と、感情を大事にし続けてきた女性。
同じ状況に2人がいても、感じている事に大分違いがあるというのは、仕方がない部分があるのです。


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この感情の違いがよく生み出す問題に、「メールやラインを巡るトラブル」があります。
彼氏にメールやラインを送ったのに、なかなか返事が返ってこなくて不安になってしまったり、返事が来ても簡単な文章だったりすると「私の事を好きじゃないからではないか」と思ってしまう事があったりします。

男性は一つの事に集中すると、他の事が見えなくなったり、感じなくなったりする傾向が強いので、仕事に集中している時は特に鈍感になっている事が多いです。
そうすると、たとえメールなどが来ている事に気が付いたりしても、「仕事モード」に入ってしまっている時は、急に切り替えが出来ないのです。そして、メールが来ていた事もすぐに頭の中から消えていく事も多いです。

狩りや戦争をしている最中に、笑顔を作る事が大変難しいように、何かに集中している時に急に別の事をするのは、多くの男性が苦手としています。
仕事が終わったらすぐに「リラックス状態」になるかというと、人によっては家に帰って、ご飯を食べてお風呂に入って、寝る前にようやくリラックスできるという人もいますし、大事な会議や出張などが入ると、何日も「仕事モード」が解けないという人も多いようです。

女性からすれば、「仕事の最中にメールが来ても、私なら数分以内に返すけどな」と思ってしまいますので、そうすると「簡単にできる事をやらないのは、私の事が大事じゃないからだ」という風になってしまうわけですね。
実際には、男性にとっては簡単な事ではなく、大変難しい事な場合が多いのです。


そして男性もまた、女性がいかに「感情を大事にしている」かを知らない事が多いです。
男性にとって感情とは「押し殺すもの」「我慢するもの」ですから、「メールに返事が来ないと不安になる」とか「繋がっている事を感じていたい」という感覚が、全くわからない事がほとんどです。
なので、「どうせまた会うんだから、次に会った時にまとめて話せばいいや」と思って、返事をしなかったりする事が多いようです。

自分には無い感覚なので、「返事がないと不安になる」と言われると、「なぜそんな事で不安になるんだ」「不安になるのは、俺の事を信じていないからじゃないのか」と思ってしまい、関係がこじれてしまいます。
ましてや、メールやラインでは細かい感情は伝わりにくいですから、よけいにトラブルが大きくなってしまう事もありますね。

こんな風に、男女の違いを無視したり、忘れてしまったりすると、せっかくお互い好きという気持ちがあっても、それが伝わりにくくなってしまうので、注意が必要です。


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男性と女性はたくさんの事が違っていますが、「違っている」という事を知っておけば、乗り越えていく事もできます。
男性は、「そんなに感情を大事にしているんだな。俺の事を大事に思っているから、繋がっていたいと感じるんだな」と思うと、少しはメールも返しやすくなるかも知れません。

女性の方も、「忙しい中で、彼なりに返してくれたんだな。素っ気ないのは、仕事に集中してるからなんだな」と思えば、彼なりに頑張っているという事が感じられるようになってくるかも知れません。

「返信ぐらい簡単にできる事だろう」「何故そんな事で不安になるんだ」と感じる時は、ついつい「男女の違い」を忘れてしまって、「自分の感覚」で考えてしまっている時です。

普段から、「私が思っている以上に、違っているのかもしれないな」という風に、ちょっと意識を向けてみてはいかがでしょうか。
違いが大きい分だけ、それを乗り越えられた時には、「違っているのに分かり合えた」という感動を味わう事もできます。

めずらしい生き物を観察する楽しさのような、そんな感覚で取り組むのも一つの方法です。
是非、恐れずに楽しみながら、男女の違いを発見していってほしいと思います。

 
1月31日は三枝みきカウンセラーが担当いたします。
お楽しみに。


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