怒りとけんかのコミュニケーション〜その拾参〜 けんかのプロセス1 | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

怒りとけんかのコミュニケーション〜その拾参〜 けんかのプロセス1

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みなさま、こんにちは

カウンセリングサービス中原謙一 です。


火曜日は「うまくいくコミュニケーション」というテーマで、鈴木美穂 カウンセラーと週替わりで担当させていた
だいております。

今回はけんかのプロセスについてお話いたします。

けんかに限らず、物事には「流れ」があります。
川が上流から下流に流れるように、けんかにも順番があるわけです。
インフルエンザにはウイルスに感染しなければかからないわけですし、そのあと潜伏期間
があって初めて症状として現れてくるわけで、この手順が変わることはないわけですよね。

もちろん例外もありますが、ほとんどの場合、このプロセスどおりにけんかが進むと思って
いただいていいでしょう。

けんかのプロセスは以下の6段階で進んでいきます。

第1段階 原因
第2段階 潜伏期間
第3段階 表面化(顕在化)
第4段階 正しさの証明
第5段階 本当に伝えたいことは何か
第6段階 理解

これからそれぞれの段階について、詳しく話を進めていきたいと思います。

第1段階 原因

けんかには、ほとんどといっていいほど原因があります。
それは皆さんが理解できている原因ではなく、一番最初の原因に当たるものです。
この段階では、当の本人でも気がつかないくらい、小さな、些細な出来事がほとんどです。

ではなぜ、当の本人でも気がつかないのでしょう?

実は、最初の原因は「我慢できる許容範囲内」であることがほとんどなんですよね。
よく「堪忍袋の緒が切れる」といいますが、この「堪忍袋」に入る程度の怒りであれば、人は
我慢ができるわけです。
そして堪忍袋の緒が切れるくらい、袋いっぱいに怒りが溜まってしまって、最終的に緒が切れ
たときに怒りが表に出てくるわけですが、それまではまったく表面に出てくることはありません。
ですので、ほとんどの場合、気がつかないままに原因が生じ、それが蓄積されていくわけです。

本人が気がつかないくらいの大きさの原因ですから、それを見つけ出すことは容易なことでは
ありません。
なので、けんかは繰り返してしまい、なかなか第6段階に進むことができなくなり、途中で投げ
出してしまうことが出てくるわけです。

この第1段階の原因の見つけ方は、自分の心のちょっとした変化を見つけるしか方法がありませ
ん。
ちょっとした不快感であるとか、ちょっとむっとしたとか、ちょっと寂しかったとか、いいたくてもい
わずにおいたとか、そういったものが原因のスタートになっているケースが多いんですよね。

もちろん、原因はひとつではありません。
けんかのほとんどが、複数の原因が積もりに積もった結果おこりますから、なかなか原因を探す
ことが大変なのは皆さんも感じ取ることができるのではないかと思います。

さらに、この原因を探す作業は第5段階で行いますので、それまでは気がつかないことがほとんどと
いっていいかもしれません。
症状が現れてから風邪を引いたと自覚するようなものですね。

ここで一番問題になるのが、この第1段階の原因ではなく、第3段階の表面化したときが、けんかの
原因と勘違いしてしまうことです。

風邪を引いたときというのは、は症状が出たときからが風邪を引いたのではなく、ウイルスが体内に
入ってきたときからが風邪を引いているわけです。

第1段階はインフルエンザに例えるならば、「ウイルスに感染した瞬間」とたとえたほうがわかりやすい
でしょう。


次回は第2段階 潜伏期間についてお話したいと思います。

お楽しみに