部下に伝えたはずのことが、うまく伝わっていない。
「なぜやらないんだろう」「なぜ、やってくれないんだろう」
そんなモヤモヤを抱えながら、私はいつも指導に力が入っていました。
「それじゃダメだよ、こうしてって言ったよね?」
「もっと先を読んで動かないと困るよ」
言葉を重ねれば重ねるほど、相手は黙り込んでいく。
言葉のキャッチボールではなく、私だけが投げ続けているような感覚。
でもその頃の私は、
「自分が言っていることは正しい」と思っていました。
だって、それは私がこれまでに積み上げてきた経験や実績の中で「うまくいった方法」だから。
「こうすればうまくいく」と信じていたやり方だったから。
だからこそ、伝えても動かない部下に対して、どこかで
「理解力が足りないのでは?」「やる気がないのでは?」
と感じてしまっていたのです。
でも、本当は違ったのです。
あるとき、後輩との1on1で、彼がこんなふうに話してくれました。
「○○さんのやり方が“正しい”のはわかるんです。
でも、正しすぎて、自分のやり方を試す余地がないんです…」
その言葉にはっとさせられました。
私が部下に求めていたのは「成長」ではなく、
「私と同じように動くこと」だったのかもしれない、と。
“正しさ”を押しつければ、部下は指示を待つようになる。
考えることをやめてしまう。
でも、部下が本当に力をつけるのは、自分で考え、試して、うまくいったとき。
そのとき私はようやく、「私が正しいからといって、それが“唯一のやり方”ではない」ことを受け入れ始めました。
上司である自分が経験豊富なのは、確かに武器です。
でもその武器は、ときに相手の成長を奪ってしまうことがある。
それに気づいてからは、「教える」よりも「聴く」「委ねる」という関わり方を意識するようになりました。
すると、部下の表情が少しずつ変わってきたのです。
この部下の変化に気づいてようやく、
部下との間に信頼関係ができたように思いましたとおっしゃるA氏。
わたしは、A氏とのかかわりを、コーチングを通して理解しています。
後悔しすぎることもありますが、
それより前に、前に進もうとする姿勢が素敵です。
やってしまったことを振り返るのは、前進するための「種」探しなのです。
時間を戻すことはできませんが、
未来を作るための時間を作ること、それがいちばん大切なことです。
そして、いつもいつも、こんな難しことを
書いているわけではありません。
素の竹内和美は、こちらで会ってやってくださいね。
竹内和美の笑顔がいちばん!/キャリア迷子レスキューコーチをしています (ameblo.jp)
世界でいちばん美しい言葉
「ありがとう」と共に、今日もお元気にお過ごしくださいね。
