桜の季節もとうに過ぎ、新年度がスタートして半月が経ちました。マママから巣立った子たちも新しい環境にも慣れたでしょうか。

 ちょうどそんなお別れも多い季節に、Nくんはなかなかできなかった「バイバイ」の動作模倣ができるようになりました!
 「はーい」(片手をあげる)、「バンザイ」、「パチパチ」(拍手)と動作模倣を習得してきたNくんですが、そこから数が増えずに足踏みしていました。そこでABAらしく現状打破を目指し、物を使った動作模倣を取り入れました。

 つみきを使った動作をひとつずつしっかり練習し、3ヶ月ほどかけてつみきを「叩く」、「置く」、「入れる」(コップ)、「出す」、「倒す」という5つの動作を模倣できるようになりました。
 そして次に「振る」という動作に取り掛かります。まずコップを振るところから練習し始め、次により小さなつみきへ……何も持たなくてもできそうだと感じられた瞬間に物をなくして、手だけを振る「バイバイ」の真似に変えてみたところ、以前はなかなかできなかった手を振る動作ができました(^^)
 Nくんはそれ以来、帰るときにスタッフが玄関で「バイバイ」と手を振るとまねして「バイバイ」できるようになりました。最初はスタッフ総出!やったね(*^^)v 

 はじめは両手だったので、「パチパチ」と混同しそうになったため片手を抑えて(身体プロンプト)してあげて片手だけで上手にできるようにもなりました。

 動作の模倣が難しいときに物をつかった模倣をスモールステップとして入れることでできることが増えるという例ですね。対象物があった方が分かりやすい場合があります。通常の動作模倣に行き詰ったときは、ぜひ物を使った動作模倣を試してみてください。それがやがてNくんのように通常の動作模倣の習得にも繋がっていくかもしれません。

 動作の模倣は社会生活での全ての基礎になるものなので、じっくり丁寧に取り組んでいくことが大切ですね。焦らず着実に進めていきたいです!


 しばしの別れ 「バイバイ...」